レディ・ジョージアナ・ラクノ公爵令嬢(ジョージー)は、
ヴィクトリア女王のひ孫にあたり、
英国王室王位継承権を持っている正真正銘のお嬢さま。
もっともその順位ときたら35番目で、
父の他界後爵位は兄が継いでいて
ジョージーはなんの資産ももっていない。
おまけに兄嫁に目の敵にされ
実家の援助はあてにできない。
額に汗して働くこともやぶさかではない彼女だが
金は出さずに口は出す高貴な身分の親戚達が黙っていようはずもなく
ほとほと困り果てていた。
そんな折、例によって例のごとく王妃様からお呼び出し。
今度の依頼はジョージ王子の結婚式まで、
お相手となるギリシャ王家の王女様の面倒を見てやって欲しいというものだった。
そんなわけで、ケンジントン宮殿で
費用は王家もち(これ重要!)の三食お茶付き優雅な生活がスタートしたのだが、
ジョージーときたらまたしても例によって例のごとく死体を発見してしまうのだった。
しかも、亡くなったのは、なにかといわくのある女性、
もしかしてもしかすると英国王室史上、
最低最悪のスキャンダルになるやもしれぬとなったからには、
すっかり、死体にも、聞き込みにも、推理にも、なれてしまったジョージーが
じっとしていられるはずもなかった。
あいかわらず、テンポの良い面白さ。
週刊誌も読まないし、ワイドショーも見ない、
有名人のゴシップにも全く興味はない私だけれど、
なぜだかレディ・ジョージアナ・ラクノ公爵令嬢の周辺からは
目が離せないのもお約束?!
(もっともここだけの話、お城に巣くう幽霊たちには
ちょっぴり興ざめしたけれど……ね。)
それにしても、こんなところで終わるとは!!
謎の多い仕事を手がける貧乏貴族の恋人ダーシーとの仲ははたしていったい?!
一刻も早く続きをお願い!!
<シリーズ既刊レビュー>
・貧乏お嬢さま、メイドになる
・貧乏お嬢さま、古書店へ行く
・貧乏お嬢さま、空を舞う
・貧乏お嬢さま、吸血鬼の城へ
・貧乏お嬢さまと王妃の首飾り
・貧乏お嬢さまのクリスマス
・貧乏お嬢さま、恐怖の館へ
・貧乏お嬢さま、ハリウッドへ
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