「作家」というのは、なにも出版社からお金をいただいて本を出版する人たちを指すのではない。文章を書いている人が全て「作家」なのだ。
読書が好きだという方なら誰しも、自分も何かを書き残したいと思ったことがあるのではないだろうか。それは物語なのかもしれないし、エッセイなのかもしれない。
けれど、いざ書こうとするとペンが(あるいはキーボードを叩く指が)止まってしまうということも経験されているのではないかと思う。それはなぜか。
やはり読む人の目を気にするからだろう。上手に書きたいという気持ちが、言葉を紡ぐ手を止めてしまう。
本書の中で著者が何度も繰り返しているのは、「書くことは"思考の自然な流れを書き留めるプロセス"である」「書くことは書き留めることであり、考えだすことではない」ということ。表現を変えながら、何度も何度も繰り返している。
構えずに書く。頭に浮かんだことを書く。気分がのらないときでも書く。とにかく手を動かす。
これは一読すると簡単なようだけれど、実際にやろうとすると「ん?」と戸惑う。
本書を読んだあと、私はすぐに新しいノートを準備した。少し小さめでいつでも持ち歩けるサイズのノートだ。そしてペンを持って向かった。けれどやはり躊躇してしまうのだ。巧く書こうとする気持ちというのは、たやすく消えてはくれないらしい。
でもそこであきらめてはいけない。書き出すのに時間は要するかもしれないが、無理にでも書いているうちにどんどん言葉が溢れてくるようになる。だんだんと書くことにのめり込んでいく。
本書には各章にエクササイズが用意されている。書くことに対する足かせを無くすことから始まって、自分の身の回りについて見つめてみたり、イメージトレーニングをしたり。読んでいると自分もやってみたくてたまらなくなるようなエクササイズだ。続けてみれば、書くことが生活の一部になること、間違いなし!
とても読みやすい文章で「書く」ことの喜びを語っていて、読みながら書きたくて仕方なくなる一冊。けれど、全体的に繰り返しの表現や、文の中に余計な"飾り"が多くて、少し引っかかった。もう少しスッキリするといいなと思う。
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