ぽんきちさん
レビュアー:
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安野先生と数学を学ぼう! #福音館70周年
画家の安野光雅さん。学校の教員を務めていた経歴があることはご存知でしょうか? やはり美術教師としての勤務が長かったようですが、国語や数学、科学への関心も高く、造詣も深いことが知られています。
数多くの数学絵本も描かれました。「赤いぼうし」や「ふしぎなたね」などの<美しい数学>シリーズもよく知られていますが、こちらの<はじめてであうすうがくの絵本>シリーズも親しみやすく、それでいて奥深い数学絵本になっています。
全3巻。
1巻は、《なかまはずれ》、《ふしぎなのり》、《じゅんばん》、《せいくらべ》。
2巻は、《くらべてかんがえる》、《てんてん…》、《かずのだんご》、《みずをかぞえる》。
3巻は、《まほうのくすり》、《きれいなさんかく》、《まよいみち》、《ひだりとみぎ》。
あれ? 数のお話ばかりじゃないみたい。
そう、ここでいう「数学」は、算数・算術とは少し違っていて、mathematicsの原義、つまり、知ること・ものの考え方を意味しています。元はギリシャ語の「マテーマタ(mathemata)」から来ていて、これは「(複数の)学ぶべきこと」を指すのですね。
ですから、計算や数式というよりも、ものの考え方、論理の組み立て方を学ぶのが、このシリーズのねらいといってよいでしょう。
1巻の《なかまはずれ》では、いろんなものを比べていきます。最初は青い四角の中に赤い丸が1つだけ。これはどれがなかまはずれかすぐにわかります。続いて、のりものや動物、魚やくだもの、花や道具などが並びます。さて、1枚の絵の中で、なかまはずれがどれかわかるかな? みんなで相談しても大丈夫。これは初歩の集合論ということになります。
《ふしぎなのり》では、何でもくっつけてしまうのりが出てきます。傘とステッキを組み合わせたら? 鉛筆と消しゴムをくっつけたら? 見覚えのあるものもたくさんあります。折り紙を切って、いくつかの形にしてみましょう。それぞれを並べ替えて、あっちとこっちをくっつけると、あら、いろんな形ができますね。元になるものがいくつもあると、くっつけてできるものもたくさんになります。図形を考える訓練になりそうです。
《じゅんばん》では、ものの順番について考えます。縦横に規則的に並んでいるものは、右から何番目、上から何番目といわれると1つに決まりますね。ものがいくつあるかを示す集合数に対して、数を用いるけれども量を示さず、位置を区別するものを順序数といいます。こうした順序数について考えます。
《せいくらべ》は、ものの量の比較です。水の量や時間など、比べにくいものを数値にして、「せいくらべ」するとどちらが多いか少ないかがわかります。
美しい絵を眺めながら、じっくりゆっくりみんなで考える。
安野先生の数学レッスンです。
数多くの数学絵本も描かれました。「赤いぼうし」や「ふしぎなたね」などの<美しい数学>シリーズもよく知られていますが、こちらの<はじめてであうすうがくの絵本>シリーズも親しみやすく、それでいて奥深い数学絵本になっています。
全3巻。
1巻は、《なかまはずれ》、《ふしぎなのり》、《じゅんばん》、《せいくらべ》。
2巻は、《くらべてかんがえる》、《てんてん…》、《かずのだんご》、《みずをかぞえる》。
3巻は、《まほうのくすり》、《きれいなさんかく》、《まよいみち》、《ひだりとみぎ》。
あれ? 数のお話ばかりじゃないみたい。
そう、ここでいう「数学」は、算数・算術とは少し違っていて、mathematicsの原義、つまり、知ること・ものの考え方を意味しています。元はギリシャ語の「マテーマタ(mathemata)」から来ていて、これは「(複数の)学ぶべきこと」を指すのですね。
ですから、計算や数式というよりも、ものの考え方、論理の組み立て方を学ぶのが、このシリーズのねらいといってよいでしょう。
1巻の《なかまはずれ》では、いろんなものを比べていきます。最初は青い四角の中に赤い丸が1つだけ。これはどれがなかまはずれかすぐにわかります。続いて、のりものや動物、魚やくだもの、花や道具などが並びます。さて、1枚の絵の中で、なかまはずれがどれかわかるかな? みんなで相談しても大丈夫。これは初歩の集合論ということになります。
《ふしぎなのり》では、何でもくっつけてしまうのりが出てきます。傘とステッキを組み合わせたら? 鉛筆と消しゴムをくっつけたら? 見覚えのあるものもたくさんあります。折り紙を切って、いくつかの形にしてみましょう。それぞれを並べ替えて、あっちとこっちをくっつけると、あら、いろんな形ができますね。元になるものがいくつもあると、くっつけてできるものもたくさんになります。図形を考える訓練になりそうです。
《じゅんばん》では、ものの順番について考えます。縦横に規則的に並んでいるものは、右から何番目、上から何番目といわれると1つに決まりますね。ものがいくつあるかを示す集合数に対して、数を用いるけれども量を示さず、位置を区別するものを順序数といいます。こうした順序数について考えます。
《せいくらべ》は、ものの量の比較です。水の量や時間など、比べにくいものを数値にして、「せいくらべ」するとどちらが多いか少ないかがわかります。
美しい絵を眺めながら、じっくりゆっくりみんなで考える。
安野先生の数学レッスンです。
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分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。
本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。
あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。
「実感」を求めて読書しているように思います。
赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw
この書評へのコメント
- ぽんきち2022-03-14 14:07
「祝 #福音館70周年 記念読書会」 https://www.honzuki.jp/bookclub/theme/no414/index.html?latest=20 参加書評です~。
今日3/14は、3.14≒πということから、「数学の日」なんだとか。クリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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書評一覧を取得中。。。
- 出版社:福音館書店
- ページ数:104
- ISBN:9784834009088
- 発売日:1982年11月20日
- 価格:1680円
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