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林田力さん
林田力
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拳銃摘発のノルマを押し付けるような警察の体質が腐敗を生んでいる。このノルマは交通違反取り締まりでも感じることだろう。世の中の役に立つ価値を生み出すのではなく、内輪のルールが目的化している。
織川隆『北海道警察 日本で一番悪い奴ら』(だいわ文庫、2016年)は北海道警察の警察不祥事を描いたノンフィクションである。北海道警の稲葉圭昭警部は暴力団やロシアマフィアと癒着し、覚せい剤や拳銃、盗難車の密売に関わっていた。警察組織の闇を暴く作品である。映画化された。

タイトルが『北海道警察』であり、サブタイトルが「奴ら」と複数形になっていることが示すように、とんでもない人物一人の問題ではない。拳銃摘発のノルマを押し付けるような警察の体質が腐敗を生んでいる。このノルマは交通違反取り締まりでも感じることだろう。世の中の役に立つ価値を生み出すのではなく、内輪のルールが目的化している。社会にとっては害悪でしかない。

稲葉警部はとんでもない警察官であるが、責任を押し付け、切り捨てられる末端でしかない。稲葉氏は『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』(講談社文庫)、『警察と暴力団 癒着の構造』(双葉新書)との告白本を書いている。一番悪い奴らは警察組織の中にいる。組織ぐるみで行われていた不祥事を隠蔽する。国営暴力団という言葉も比喩ではない。

そして小笠原淳『見えない不祥事 北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』を読むと本書で描かれた警察の体質は現在も同じであることが分かる。自浄作用が働かない組織である。外部の目に晒されなければ進歩がない。徹底した情報公開が必要である。
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書評掲載URL : http://saitamashi.blog.jp/
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林田力
林田力 さん本が好き!1級(書評数:1933 件)

歴史小説、SF、漫画が好き。マンションだまし売り被害を消費者契約法で解決したノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者。

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この書評へのコメント

  1. 林田力2018-10-11 10:06

    北海道警察札幌中央署薬物銃器対策課の巡査部長が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕されました。薬物取り締まり担当が薬物犯罪をしていました。織川隆『北海道警察 日本で一番悪い奴ら』を彷彿とさせます。
    これからは薬物の中では比較的新しい分野である危険ドラッグ取り締まり側と危険ドラッグ業者の癒着なども出てくるのではないでしょうか。

  2. 林田力2018-11-03 10:18

    覚醒剤を所持したとして、札幌中央署薬物銃器対策課巡査部長が現行犯逮捕された事件で、成田容疑者が「自分で使うため、インターネットのサイトを使って購入した」と供述している(「覚醒剤「ネットで購入」 道警巡査部長を起訴」北海道新聞2018年11月2日)。薬物は使用者以上に販売者を摘発することが効果的である。販売元も追及しなければならない。危険ドラッグもインターネット経由の販売が特に問題である。

  3. 林田力2019-07-15 15:02

    稲葉圭昭『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』
    https://www.honzuki.jp/book/239769/review/214311/

  4. No Image

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