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僧侶の芥川賞作家が、難治のがんを患い、死にゆく者の視点で「死」を描いた究極の小説。
【概要】
死の瞬間、私たちは何を見るのか? 魂はどこへいくのか?
臨死体験の記録や自らの宗教体験をもとに、現役僧侶の作家が「がんで死にゆく人間の体験」を一人称で描いた。久しく品切れだったこの小説に、加筆修正とあとがきを加え、復刊した新装版。
――娘夫婦の住む東北に移り住んだ「私」は80歳を目前にして、難治のがんに侵される。死後、魂はどうなるのか。天国や地獄はあるのか。娘小夜子の夫で僧侶の慈雲さんに病床で尋ねると、仏教や聖書の話とともに物理学や量子力学、エネルギーの話まで一生懸命に話してくれる。
「アミターバ。つまり無量の光。あるいはアミターユス。無量の命。要するに阿弥陀さんですよ。いいですかお母さん、極楽浄土ってのは、なにか私らには計り知れない存在の意志や思いが実現してる場所らしいんですよ。それを疑わないことです」
家族や医療者に見守られて、少しずつ死を受け入れ、思い出の時や場所に夢とうつつの中で行き来するうち、「今ここ」と夢や思い出の境界線、それらを一つにまとめあげる時間の感覚もだんだん薄れいく。そして、最期に「私」が見たものとは……?
【目次】
【出版社/編集者/著者からのメッセージ】
「アミターバ」は難治のがんにかかった主人公「お母さん」が死を体験するプロセスを一人称で描いた小説です。
2003年に新潮社から刊行され、評判も高く、文庫化されたものの、久しく品切れになっていた小説に加筆修正を加え、あとがきを添えて、この度復刊しました。
実は編集者である私自身、一昨年に母をがんで亡くしました。出版社に勤めていた当時の私は、制作部門の責任者でしたが、役員の指示で急遽、新規事業開発の担当に任命されました。その後、紆余曲折を経て20年あまり勤めた会社を独立、「ケイオス出版」という出版ブランドを設立しますが、その刊行一冊目がこの「アミターバ」となりました。
他にいくつも企画が進行していたのに、この本が一冊目になったことに不思議な縁を感じざるを得ません。また母の死は、長く勤めた会社から独立する自分の転機を、まるで予兆したかのようでした。
この小説(の原本)への感想はネット上でも多く見られますが、親を看取った体験を思い出す方が多いようです。
「死」は誰もが普段は意識せず、できれば直視したくはないものです。私もまさにそうでしたが、母が息を引き取る一晩を家族と一緒に見守って、その時に受け取ったものは大きかったと思います。
(親の死を目の当たりにすることを通して)「人はやはり、こうして死んでいくものなのだ」という現実を改めて受け止めた感じでしょうか。それとともに、母は肺がんだったので、呼吸が苦しそうだったことが心残りで、それは致し方ないと思うにせよ、親の死を看取った多くの方が、同じような気持ちを抱くのではないかとも思います。
この小説を読むと、死にまつわる体験について、静かに振り返るきっかけになります。私自身は「もしかしたら、母の死もこの小説に描かれているような穏やかなものだったかもしれない」と校了段階で思うことができました。
感じることは人さまざまだと思いますし、中には違和感をおぼえる方もいて当然ですが、我々が感じていることや思っていることを別の視点から追体験することは、物語の重要な機能だと思います。
本書が「死」というテーマについての我々の認識を少しでも深めるきっかけになれば、幸いです。
- 著者: 玄侑宗久
- 出版社: ケイオス出版
- 価格: 1512円
- 頁数: 162P
- 発売日: 2018年05月03日
- ISBN: 9784909507006
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