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hacker

hacker さん

本が好き! 1級
書評数:2293 件
得票数:43840 票

「本職」は、本というより映画です。

本を読んでいても、映画好きの視点から、内容を見ていることが多いようです。

書評 (2293)

南ポルトガルの笑う犬―アルファローバの木の下で

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南ポルトガルの笑う犬―アルファローバの木の下で

「(カベッサは)驚くべきことに自立した犬であった。彼は野良犬ではなかったけれど、飼い犬でもない。誰にも頼らず、一人で、いや一匹で生きているのであった」(本書収録『カベッサ伝説より』) 

本書のことを知ったのは、Wings to Flyさんと、ぽんきちさんの書評によってでした。それが20…

投票(20コメント(0)2025-11-12

影の軍隊 (1970年)

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影の軍隊 (1970年)

「『影の軍隊』はレジスタンス運動に基づいた本だよ。人類史上でも悲劇的なあの時代に関する記録のなかで、最も上質で完成された作品なんだ」 本書を映画化したジャン=ピエール・メルヴィル監督の言葉です。

『昼顔』(1929年)の作者ジョゼフ・ケッセル(1898-1979)は、第二次大戦中は反ナチスのレジ…

投票(20コメント(0)2025-11-06

江戸川乱歩傑作選 蟲

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江戸川乱歩傑作選 蟲

表題作『蟲』は江戸川乱歩が1929年に書いた現代ホラーです。また、収録作『盲獣』(1931年)も、作者が晩年の全集刊行時に再読して「ひどい変態ものである」と驚き、収録するのをためらった作品です。

文春文庫には、3人の作家が別々に編者となった3冊の「江戸川乱歩傑作選」がありますが、辻村深月が担当し…

投票(16コメント(0)2025-11-06

カラマーゾフの兄弟1

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カラマーゾフの兄弟1

「神さまが世界をお造りになったのは最初の一日目ですよね。で、太陽とか、お月さまとか、お星さまは四日目でしょう。だったら世界って、最初の一日目はどうやって光ってたんだろう」(本作登場人物の台詞)

全5巻まとめてのレビューです。フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー(1821-1881)の…

投票(25コメント(5)2025-11-03

ある愛 (1969年) (今日の海外小説)

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ある愛 (1969年) (今日の海外小説)

「私がいなければあなたは生きていけないわよ」 こんなことを20歳の女性に言われる、じきに50歳になる主人公の話ですが、主人公のみならず男性読者の偽善をも糾弾するラストが待っています。

20世紀イタリア文学を代表する作家の一人ディーノ・ブッツァーティ(1906-1972)は、長篇小説を…

投票(17コメント(0)2025-11-03

偽りの街

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偽りの街

「すべてのドイツ人が1933年3月を境に別人になった。わたしが常々言うように、”銃口の前では、誰もが国家社会主義者”なのだ」(本書より) 1933年3月、ヒトラーは国会選挙の結果、政権を掌握しました。

「人それぞれに腐敗の形があるというのが、国家社会主義政権下の生活のきわだった特徴だろう。政府は、ワイ…

投票(24コメント(4)2025-10-24

ヨハネスブルクへの旅

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ヨハネスブルクへの旅

「だが、グレースはいったではないか。あのとき生徒たちが抗議したのは、学校で、自分たちの頭に『ごみ』をつめこまれることに抗議したのだと。じゃあ、自由になった学校では、なにを学ぶのだろう」(本書より)

作者のビヴァリー・ナイドゥーは、1945年、アパルトヘイト政策下の南アフリカに生まれた白人女性です。…

投票(21コメント(0)2025-10-23

犬をえらばば

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犬をえらばば

「世間には『犬にも劣る』などという言葉があるが、そういうことを言う人間の大半は、実際に犬に比べてはるかに下等な動物だ」 志賀直哉の短篇『菰野』では主人公がこういう趣旨のことを飼犬に呟いているそうです。

安岡章太郎(1920-2013)は、もちろん名前は知っていましたが、初読みです。代表作は何かと聞かれ…

投票(18コメント(0)2025-10-22

升田幸三 振り飛車の神髄

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升田幸三 振り飛車の神髄

「実績とは過去です」「AIは正確であっても正解ではありません」 少し前の朝日新聞に掲載されていた特集で語られていた棋士・藤井聡太の印象的な言葉です。藤井聡太というと、私が思い出すのは升田幸三なのです。

最初にお断りしておきますが、この拙文では敬称を略させていただきます。というのは、升田幸三については「…

投票(17コメント(0)2025-10-17

日本推理小説大系〈第7巻〉横溝正史集 (1960年)

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日本推理小説大系〈第7巻〉横溝正史集 (1960年)

終戦直後の日本推理小説界は、幾多の傑作を世に出しましたが、『本陣殺人事件』もその一つだと思います。他に『蝶々殺人事件』と『獄門島』という、作者が自選ベスト5に挙げているうちの3長篇が収録されています。

横溝正史(1902-1981)は、戦前から活躍していましたが、その名を残すことになったのは、やはり金…

投票(22コメント(0)2025-10-14
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