55 (ハヤカワ・ミステリ文庫)【Kindle】




もしもふたりの男が警察に現れ、まったく同じ話をして、第三者の協力者がいないとしたら、警察がどうやって本当のことを語っている人物を突きとめられるのか。(「訳者あとがき」より)
西オーストラリア州内陸の寂れた街、ウィルブルックの警官5人だけの警察署に、殴られた痕のある1人の男が…

本が好き! 1級
書評数:608 件
得票数:10635 票
「ブクレコ」からの漂流者。「ブクレコ」ではMasahiroTakazawaという名でレビューを書いていた。今後は新しい本を次々に読む、というより、過去に読んだ本の再読、精読にシフトしていきたいと思っている。
職業はキネシオロジー、クラニオ、鍼灸などを行う治療家で、そちらのHPは→https://sokyudo.sakura.ne.jp




もしもふたりの男が警察に現れ、まったく同じ話をして、第三者の協力者がいないとしたら、警察がどうやって本当のことを語っている人物を突きとめられるのか。(「訳者あとがき」より)
西オーストラリア州内陸の寂れた街、ウィルブルックの警官5人だけの警察署に、殴られた痕のある1人の男が…




これは非常に役立つ面白い本だが、タイトルが内容と全く合っていない。想像するに、見た人に刺さるキャッチーなタイトルにしようとして、結果スベってしまった?
精神世界(スピリチュアル)系、オカルト、ニューエイジ、成功哲学、代替医療・自然療法…といったものがど…



デイヴィッド・ピースによる〈ヨークシャー4部作〉の第1作。「この本は人生、わたしの人生だ──ノワール──真のノワールだ。」(「日本版序文」より)
デイヴィッド・ピースは「日本版序文」 (なぜ『1974 ジョーカー』を書かねばならなかったのか、なぜ…




今、私たちがみずからに問うことのできる最も差し迫った問いは、さんざん言い古された「どうすれば物語によって世界を変えられるか」ではない。「どうすれば物語から世界を救えるか」だ。(p.30)
世界ではこれまで人類滅亡のシナリオが繰り返し語られてきた。例えば全面核戦争によって。例えば地球環境破…



「人は、古より死を恐れてきた。だからこそ、古代の人類は、その恐怖を克服するために、その向こう側を定義した。現世と線を引いて、向こう側の世界を陰府だとか黄泉だとか名付けたんだ。」(上巻p.39-40)
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』は、TYPE-MOONによる〈Fate〉シリーズのスピンオフ作品で…





「たとえば、人を虐げたいという欲望を抱えた人間が、その欲望を表に出さないで生活しているとしたら、それはとても優しいことなんじゃないかな」(「ドッペルイェーガー」より)
2025年は全国で熊による被害が多発し、国はついに「人の日常生活圏にクマ・イノシシが出没した際、安全…



ロンドンに住むピーター少年は、事故から目覚めると1匹の猫になっていた。傷を負った野良猫のピーターは同じ野良猫のジェニーと出会い、猫として生きる術を教えられながら、一緒に猫の世界で冒険を繰り広げる。
ポール・ギャリコは映画化もされた『ポセイドン・アドベンチャー』などで知られるが、特に中期以降は猫を主…




「人間らしさを演じることは、人間であることよりも簡単です。ただひたすら共感し、思いやりのある態度を崩さなければいいんですから。いくらでも人間らしくなれる」(「システム・プロンプト」より)
作家、アンソロジストで〈異形コレクション〉の編者でもある井上雅彦。「まえがき」によると、その井上が2…




『竹取物語』の本質に迫った作品といえば、高畑勲の遺作となったジブリ作品『かぐや姫の物語』が有名だが、正直、高畑勲でも届かなかった地点に本書は到達している。それはまさに奇跡と言っていい。
怖さを前面に押し出した絵本では、岩崎書店の〈怪談えほん〉シリーズがあるが、この『月虫の姫ぎみ』は〈怪…



「事件を解決できない者は探偵ではないですよね」(「白きを見れば」より)
本格ミステリ作家クラブでは、その年に発表された本格ミステリ短篇の中から秀作を選んでアンソロジーを編む…



19世紀のロンドンを舞台にした幽霊譚13篇が収録された短篇集。興奮してなかなか眠れない夜に一篇を選んで一服の清涼剤代わりに読むと、頭が落ち着いてグッスリ眠れる──そんな本だと思う。
最近、創元推理文庫から古典的なミステリや怪異譚、幽霊譚などの未紹介の短篇作品を中心とした〈傑作集〉シ…




マルク・ラーベによる〈刑事トム・バビロン〉シリーズの第1作。解かれないままの謎が残る(何しろシリーズものだから)エピローグまで謎また謎の、まるで尻尾まであんこの詰まったたい焼きのような作品。
2017年9月の早朝、ベルリン大聖堂の丸天井の下に宙吊りにされた死体が発見される。被害者は大聖堂付き…




「今日、哲学とはいったい何であるのか」。哲学や思想に関心のある人々は、とくにこの問いを改めて考えてみる必要がある──現代の思想的な流れにも、古典的な哲学の権威にも伏することなく。(「終論」より)
本書『哲学は何ではないのか──差異のエチカ』は、著者の江川隆男がこれまでの西洋哲学のメイン・ストリー…




語り手が奇妙な人物について語れば語るほど、語り手自身の異様さがいや増して見えてしまう“奇妙な味”の作品。
ある日、図書館に行くとなぜか「芥川賞・直木賞コーナー」というのができていて、そこに受賞作らしい本が何…



本書は三津田信三作品としてはかなりミステリ寄りでホラー要素が薄く、そのためか、さまざまな要素を盛り込みながらそれを十分に生かせず、小さくまとまったものになってしまった。
本書『七人の鬼ごっこ』は、「西東京生命(いのち)の電話」にかかってきた、自殺するかどうか“電話ゲーム…




事件はかなり陰惨なはずだが、おどろおどろしくないサラッとした描写で、数多くの登場人物もしっかり書き分けられ、結構長い話だがサクサク読める。まさによくできた大衆小説という感じの作品。
大衆紙「クラリオン」の記者、ジェイコブ・フリントは、1930年のロンドンに颯爽と登場し、コーラスガー…




日本中を震撼させた、自死した中学生が残した、自分が受けた凄惨ないじめについて書かれた遺書。だが、1人のルポライターがそれに違和感を感じ、事件の取材を始める。彼が30年に及ぶ取材の果てに見たものとは?
ルポライター、小林篤によって書かれた本書『see you again』については、カバー袖にある紹介…




皮膚を見れば見るほど見えてくるのは、身体の外側に沿ってあるものこそ、人間を人間たらしめている本質だということだ。皮膚とはすなわち、私たち自身なのだ。(第10章より)
「皮膚は人体最大の臓器」ということが、最近とみに言われるようになった。本書のプロローグにも 皮膚は人…




ダール作品には、しばしば男女(特に夫婦)の間のすれ違いが、あるグロテスクな結末を引き起こす物語が描かれる。だが、今読み返してみると、その裏には女性に対する強い嫌悪と恐れがあることが分かる。
私は中学1年の頃、まだ創刊間もないハヤカワ・ミステリ文庫でロアルド・ダールの『あなたに似た人』を読ん…




長らく絶版だった本書は先頃、文庫で復刊されたが、その際、版元である早川書房が異例の「お詫び広告」を出したという、曰く付きの1冊。
飛鳥部勝則の『堕天使拷問刑』は2008年1月、早川書房からハヤカワ・ミステリワールドの1冊として刊行…