ある男





シンプルなタイトルと表紙からは想像もしなかった濃い内容に引き込まれる。その人をその人たらしめているものは、個の本質とは何だろうか。
再婚した夫が事故死した後、彼の名前や語った過去が、全て他人のものだったと知って愕然とする妻。彼女から…

本が好き! 1級
書評数:200 件
得票数:3170 票
その時に読みたい!と思った本を読むので読書傾向は多国籍料理状態です。体調不良で寝たり起きたりしながら引きこもって在宅仕事(内職か?)を始めて一年余り。小説もコミックも自己啓発本も、益々読むサプリか薬の様になって来ました。つまらないと読了できないので、全部読めた本の感想を書き留めています。





シンプルなタイトルと表紙からは想像もしなかった濃い内容に引き込まれる。その人をその人たらしめているものは、個の本質とは何だろうか。
再婚した夫が事故死した後、彼の名前や語った過去が、全て他人のものだったと知って愕然とする妻。彼女から…




地球惑星科学が専門の元研究者ならではの短編集。言葉にならない屈託を心に抱えた人々を、月と地球の距離の変遷、雪の結晶、アンモナイトの化石など、無機質で科学的な現象が優しく変化させて行く。
とても良かった。読んでいる時ははこれが一番好きかも!と思うのに、次の短編を読むと今度はそれが一番好き…





偏桃体(アーモンド)が生まれつき小さく、「感情」がわからない少年。恐怖や怒りや悲しみを感じ取れず、表現できない彼には「愛」はないのか?
扁桃体(アーモンド)が生まれつき小さく、怒りや恐怖を感じることができないユンジェ。子供の頃、医師から…




元アイドルで現若手女優が、頑張って書いた本・・・と侮るなかれ!「可愛い顔してあの子、やるもんだね」な短編集なのです。
とても面白かった。正直なところ、あまり期待せずに読み始めたのだが、開けてびっくり。 6つの短編…




愛が天才を生み、愛が天才を救う。恋のない愛の物語。
台風の影響による豪雨被害に遭い、都内にある絵画教室が土砂災害に巻き込まれます。その中にいたのは大学生…





真っ白な画仙紙に墨線が命を描き出す。
交通事故で突然両親を失ってから、心の中の真っ白なガラスの部屋に一人引きこもり、深い孤独の中にいる青山…





誰もが知ってるご近所の鳥さんたちが個性あふれる隣人に見えてきます。面白いです!
身近な野鳥の知っているようで、実は全然知らなかったあんなこと、こんなこと、面白くてびっくりするような…





引きこもり侍、覚醒⁈「かたつむり」とあだ名されて馬鹿にされていた書庫番が、藩全体の国替えの「引っ越し奉行」に。ツノを出したかたつむりの働きぶりと成長に捧腹絶倒。そしてほろり。面白い!
面白い!もう、最高に面白くて不覚にも何度も声を立てて笑ってしまった。 徳川家康の血を引く譜代大…




何かを読むことが人生を変えることもある。読み終わって、世界が読む前とはちょっと違って見えるような気がする一冊。
36歳のギレン・ヴィニョールは、この名前のために子供の頃から散々な思いをしてきた。何故なら、頭の…




懐かしい児童書のような雰囲気を持ちながら、恐ろしい「実存的不安」を掻き立てる。ファンタジックホラーミステリー。
ベッドの上で意識を取り戻したトリスの頭の中で「七日だよ。あと七日」そんな笑い声がする。トリスは11歳…





過剰さを排した穏やかなコミューン、西瓜糖で何もかもができている【アイデス】に属する人々と、そこに満足できない者たち。夢の中の心象風景と現実の深層心理が入り混じったような不思議な世界。
アイデス〔iDEATH〕のすぐ近くの小屋に住んでいる「私」が語る日々。「私」には決まった名前が無い。…





人生の山も谷も通り過ぎてきた50歳の男女の再開。「純愛」と言う言葉をもう一度自分自身に問いかけるあまりにも切ない中年の恋。
本当に切なかった。中年の男女の恋と言うよりも「慈しみ」の様な愛の話だと思った。 青砥健将50歳…





仮釈放された死刑囚の暮らしと心理。娑婆へ出た死刑囚は穏やかな生活を送れるのか?他者からは推し測れない人間心理を描いた傑作。
不倫した妻を殺害、相手を刺傷、その老母を図らずも焼死させた男。彼は無期懲役の判決を受け、独房で1…



血は繋がってるけれど、25年間一度も会ったこと無い実の父と息子が突然同居…。引きこもり作家の中年男と世慣れた?息子のやりとりに笑ってちょっとホロリ
今、まさに他人との関わりをできるだけ断ちたいと思っている自分に向けて放たれる皮肉の様な、ブラック?コ…




とても素直な「平成」の青春小説。
高二の時に父を事故で亡くした聖輔は、 働く母の後押しで鳥取から東京の私大に進学するも、今度はその母…



映画「マイ・ブックショップ」の原作
物語の舞台は、1950年代後半のイースト・アングリア。海岸沿いの町で暮らす未亡人のフローレンス・グリ…




言葉と人と場が少年刑務所で生んだ奇跡の記録。
童話作家の著者が、奈良少年刑務所で「社会性涵養プログラム」の講師を務めた10年近い経験を書いたも…



「流転の海」第四部。富山・放浪編。閉塞感に満ち、熊吾の持ち前の気質がことごとく裏目に出る感のある第四部。『螢川』が生まれる舞台となった富山での暮らしを描く。
「自分の自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」 社会人一年目の息子の悩みに頭を痛めて…




大阪へ戻った松坂熊吾一家が家の裏手に土佐堀川が流れる場所に居を構え、戦後の復興期を必死で乗り切る姿を描く。「流転の海」第三部。
人情の機微。それを人は何処から学び、身につけるのだろう。『流転の海』第三巻を読了して心に浮かぶのは、…




肩書や過去など関係ない。裸の自分を受け入れてくれる銭湯。宗教や思想や利害に縛られることなく人が集う場所。そんな銭湯のシェアハウス「メゾン刻の湯」、裸になってあなたも覗いてみませんか…。
築100年を越す銭湯「刻の湯」 これは、家庭に内風呂が当たり前にある現代、必要とされる度合いが著し…