明日は遠すぎて




ナイジェリアとナイジェリアにとどまらない奥行きと幅広さを感じる煌く9編がぎっしりつまっている。
ときになんとも切なく、ときにコミカルに、ときにほろ苦く、ときに強い意志を持って、心深く響く物語た…

本が好き! 1級
書評数:27 件
得票数:327 票
ゆうるりまったり雑食に、興味の幅を広げる日々。気の向くままに本を読み、言葉を紡いでおります。どうぞよろしくお願いします。




ナイジェリアとナイジェリアにとどまらない奥行きと幅広さを感じる煌く9編がぎっしりつまっている。
ときになんとも切なく、ときにコミカルに、ときにほろ苦く、ときに強い意志を持って、心深く響く物語た…




立ち止まっていろいろな問いについて考える時間や思案に暮れる時間を持つことが大事なのかもしれないと思わせる1冊。
神様はいるのか、いないのか。その問いの答えを説明するのはとても難しい。その問いの答えは容易には見…




夢という無意識のものと、国民と国家を結び付けてしまうという恐ろしい悪夢のような物語世界。どうせ行き着くところは同じ……その、端的な無力感を思うとき、この世界の不条理が深く深く身にしみてくる。
夢という無意識のものに対して、国民と国家を結び付けてしまうという恐ろしい悪夢のような世界を描いた物…





あるときは詩のようにあるときは歌うように、特徴あるリズムや言い回しで、生きるか死ぬかの殺し合いの決闘の最中にも、どこか悠長なのびやかな心地よい印象さえ残る、面白く痛快な神話物語です。
千年以上も前に古代アイルランド語で書かれた伝説をキアラン・カーソンによって英語に翻訳され、それをさ…




山あり谷あり、転落あり浮上あり、二転も三転もある運命に翻弄されてゆくウォルトが語るその人生の一代記。あなたにも、わたしにも、起こり得たかもしれないもうひとつの物語です。
あなたにも、わたしにも。生まれ落ちたときに持ち得た、たくさんの才能がある。例えば、夢見ること。例え…




内に秘めた憎悪と、密やかなたくらみと。正しさの中におさまらない感情がひたひたとしたたり落ちる。衝撃的なはじまりからラストまで一気読み!
内に秘めた憎悪と、密やかなたくらみと。正しさの中におさまらない感情がひたひたとしたたり落ちる。圧倒…





うまく言葉にならない。言葉にならないからこそ、自分の無力さや虚しさが、どうしようもなくおおいかぶさる。そして、絡まり合って離さない。
強いられた運命を目の前に、悲しみに呑み込まれてはいけない、と思う。感傷に浸り込んでもいけない、と思…




わたしたちには余計な感情が多過ぎる。ときとして、物事をありのままに受け取るという、その単純さが救いとなることもあると思い知る一冊。
確かに存在していた者の死を、死として、ありのままに受け入れること。その難しさや、その過程がどうめぐ…





いつかは訪れる死を静かに潔く見つめる絵本。ぶたばあちゃんの生き様に深く考えさせられます。
いつか必ず訪れる死。その逃れられない死を冷静に受け止めることはとても困難だ。けれど、悔いなく最期を…




わたしたちと寸分も違わない彼女たち。身近に起こり得る可能性を秘めたひどく恐ろしい物語。
じわじわと広がってゆく小さなひび。いつからはじまったものなのか。どこからはじまったものなのか。わか…




あぁ、なんて甘(うま)し糧!こういう物語が読みたかったのです。童心に帰れるきらめきの物語だと思います。
すーっと心が洗われて、ひたひたと何かを残してゆく。染み入ってゆくのは夢とも現実ともつかぬような不思…




比較的まろやかながら、童話のおどろおどろしさを耽読!ファンタジーとは縁遠い人でも楽しめます。
小さな頃から書物にふれて育ったというのに、わたしは意外にも童話というものを知らない。大人になってか…




沈黙のうちに展開される場面を効果的に挟みつつ、人のこころの深淵をなぞってゆく作品。人のこころの奥深くにある底流が導く結末に、どっぷり浸れます。
人のこころの奥深くにある底流。それを知らずして、わかったつもりになる。理解したつもりになる。見つめ…




まだ見ぬあなたの特別な石を、此処で見つけてみませんか。石に纏わる五つの物語が楽しめます。
重ねられてゆく日々に纏わる思い出が、しっとりと、ただそこに在る。目の前に、ただ在る。封じ込めた時間…




ありがちな読み解き本とは、ひと味もふた味も異なる!屹度あなたも名作が読みたい気分になってくるはず…。
ときどき本の読み方がわからなくなることがある。いや、そもそも本が好きだと言っておきながら、全く本を…




名づけえぬものに触れて、あなたもどうか感じてみてください。その蠢く生命力というものを…!
生きることへの切々なる繰り返し。いわば、めしを喰らって生きるということ。そういうことを、わたしはふ…




何かが違う。その方向性が、その展開が、その雰囲気が。ただならぬ情熱に身を委ねよ。
一筋縄ではいかない物語を読みながら、かつての友人たちを思っていた。放課後の教室で見てしまったクラス…



ヒメママを侮るなかれ。貴方の中のヒメママ的要素が、屹度疼き出すはず。ひと味違った笑いが楽しめます!
ふっ、というため息混じりの笑いと、和やかな気持ちと。わたしの中の揺るぎない個というものが、蠢いた気…




ハイドラとはおそろしや。貴方の中のハイドラも屹度目覚め出します。金原ひとみ作品の新境地。
どこまでも堕ちゆく感覚というものに、酔いそうになることがある。なにも、すべてに絶望したわけじゃない…




生と死。そこに横たわる、逃れようもない孤独。そして、滅びゆく予感というもの。あなたもきっとマルケスの虜になる!初期作品群13篇。
生と死。そこに横たわる、逃れようもない孤独。そして、滅びゆく予感というもの。重たく立ちこめる雰囲気…