戦争は女の顔をしていない





小さい物語の方が、人間をあらわにすることができる
ソ連(ロシア)では、第2次世界大戦でヒトラー率いるドイツ軍と戦ったことを「大祖国戦争」というのだそう…

本が好き! 1級
書評数:108 件
得票数:1011 票
昔から本を読んできました。せっかく読んだら、読みっぱなしにしないで、考えたことを書きつけ、そしてそれをまた読んでくれる人がいればいいですね。そういう場所が、インターネットが登場したおかげでできたというわけです。この場を作ってくれた人たちに感謝。





小さい物語の方が、人間をあらわにすることができる
ソ連(ロシア)では、第2次世界大戦でヒトラー率いるドイツ軍と戦ったことを「大祖国戦争」というのだそう…




収容所、この日本にないと言えるか?収容所、日本では、これからもあり得ないと言えるか?
心理学者のフランクルが、ナチスの強制収容所での体験を、自らの心理学者という立場で分析した著作。本題は…




不思議なタイトルの本だが、心理学者の泰斗C.G.ユングの著作を野村美紀子氏が訳出された労作だ。この著作は何やらいわくがあるらしい。
ユングは、ウイーンでフロイトのもとで心理学を学び、そして彼の弟子としてそして協力者として研究をしてい…




マムリが書いた『アヘンと鞭』は、アルジェリア独立戦争が舞台だ。そこに描かれた断片的な人間の姿から、全体的な人間の姿を浮かび上がらせているために、すぐれた文学に昇華している
マムリが書いた『アヘンと鞭』は、アルジェリア独立戦争が舞台だ。アルジェリア独立戦争が舞台ではあるが、…




現実を現実的に描写するよりも、この小説のように超・現実的に描写することで、かえって事の本質を伝える。作家ディブの、文学技法はそのようなものだ。
この小説はアルジェリアが舞台だ。アルジェリアの近現代史では、1950年代に始まるアルジェリア独立闘争…




不条理文学の雄。パレスチナの人々が置かれた状況が不条理そのものだ。
カナファーニーは、パレスチナ出身の作家で、パレスチナ抵抗運動の象徴のような作家だという。彼は、30数…




パレスチナ抵抗文学の傑作
これは、小説的技法を用いた断片的な小説だ。時代背景は、1967年の第3次中東戦争だ。この戦争では、圧…



「南と北」の出会いで何が起こったのか?
サーレフはスーダン出身の作家だという。アフリカ出身の作家の作品を読む機会に恵まれたこと、出版に尽力し…




カイロ市街の猥雑な雰囲気を感じることのできる3部作のうちの一つ
河出書房新社から出版されている現代アラブ小説全集。そこからマフフーズ作の『バイナル・カスライン』を読…




1930年代のエジプト農村を舞台にしたベストセラー小説
河出書房新社から出版されている現代アラブ小説全集よりシャルカーウィ著『大地』を読む。エジプトの農村を…



オリエントは汚染されてしまった。
現代アラブ小説全集からエジプト人作家ハキームの『オリエントからの小鳥』を読む。 この小説は、作…



西欧人の活動によって世界にもたらされた苦悩は、人間種が人間種にもたらした不幸である。
エジプトのターハー・フセインが書いた「不幸の樹」という小説は、1800年代の末から1900年代の初め…




この本に書かれていることは日本の状況にも当てはまる。結局、女性が不幸であれば、男性も不幸。では、どうやって、解放されるのか?
ナワル・エル・サーダウィはエジプトの女性作家だ。彼女の著作「イヴの隠れた顔」は、アラブ社会における女…




Evolving Ourselvesという本を読んでいる。情報や事実の紹介という側面が強い本だが、気になる研究結果などが紹介されている。
バイオテクノロジーの発達のおかげで、人間は、自分が好きなように植物や動物たちの遺伝子を改変し、人間の…




この有名な膨大長編。ついに読み始めてみた。
プルーストの『失われた時を求めて』。傑作の誉れ高く、いつかは読んでみたいと思っていた。フランスの哲学…





リアルな戦争を知りたい人は、読むべし。優れた書。
吉田裕先生の『日本軍兵士』(中公新書)が多くの人に読まれている。そのことがとても喜ばしい。本当の戦争…



病と癒しの過程は、もっと研究されてもよい、非常に興味深い分野だ。
私が波平氏の研究を知るきっかけになったのは、「質的研究」法を勉強する過程でのことであった。現在の学問…




孔子が中国人だっていいじゃないですか。いいものはいい、大いに尊敬しましょう。
読みたい本は読んでおこう、やっておきたいことはやっておこう、悔いがないようにと思い、時間をうまく使っ…





この傑作を日本語で読めた幸せをかみしめている。
中上健次の最高傑作との誉れ高い『千年の愉楽』を読む。この傑作を日本語で読めた幸せをかみしめている。近…




日本人の死生観を身近なことを通して考察する
波平恵美子さんの「いのちの文化人類学」を読む。きっかけは、質的研究の入門書を読んでいた時に、波平さん…