狭き門
いったい天上の世界に至る狭き門とは何なのか? その存在によって地上で幸せになれないのであれば、そこにいる神とは人を救う存在となるのか?
ジェロームとアリサという愛し合う二人。 二人にとって幸福とは、なんなのだろうか? 愛し合う二人が…
本が好き! 1級
書評数:58 件
得票数:484 票
年間150冊程度の本を読みます。
読むのは主に小説(文学寄り)。あとは気になる新書をノンジャンルで読んでます。
いったい天上の世界に至る狭き門とは何なのか? その存在によって地上で幸せになれないのであれば、そこにいる神とは人を救う存在となるのか?
ジェロームとアリサという愛し合う二人。 二人にとって幸福とは、なんなのだろうか? 愛し合う二人が…
悲しみの正体とは僕達が思うような悔恨や悲痛さを伴うものではなく、本来はもっと純粋なそれだけの感情なのかもしれません。
母親が亡くなり、その後、近親相姦的な愛情を父親に向けるセシル。 しかし父親レイモンには常に愛人がい…
レニーは決して不幸などではなかったはず……しかし世間は勝手に彼を生き難いと決めつける。
いつか自分達の土地を持ちたいと望みながら、働き口を探し農場を転々とする2人。 力持ちの大男のレニー…
世の中の不条理さの前に、神の存在でもって救いとする人の弱さをムルソーは信じることはない。
母の死を前に涙すら流すことの無いムルソー。 そして彼は母の最後の顔を見ることすら拒否をする。 棺…
そこにしかない隙間を求めて、その窪みに身を納める必要のある人たちが引き寄せられる物語。
10編からなる連作短編集。 1編目の「衣装係りさん」で、物語ることの巧さを見せ付けられ、一気に作品…
フラニーの都合の良い見当違いを見事に諭すゾーイ。それはゾーイの根底にある愛情のなせるわざなのでしょう。
村上春樹さんの新訳が出たようですが、僕が読んだのは野崎孝さん訳です。 後半は宗教色が強いです。…
我々が思う「無」が本当の無ではない。宇宙には何かが生まれる無が……?
ここ最近宇宙本をよく読んでいるのですが…… これまでの僕が読んだ本は宇宙論の歴史から始まり、今現在…
ハンスが何の下敷きになったのか?すべてを抱え込んでしまった最後に唸ってしまいました。
ハンスは周囲が作り出した道、その道で車輪の下敷きとなってしまったのでしょうか? 小さい頃よりハンス…
時間という、とらえどころが無いものをどうして我々は知っているのか?
哲学ではありません。科学の面から時間を解明しようという試み。 とても納得の1冊でした。 過去から…
世の中の不条理を鉄パイプで殴りつけるような、狂気と背中合わせの偏った正義
それなりに面白かったのですが、これは何と感想を書いていいのか…… 今作は思いつくままに書かれたよ…
初恋とは振り返ると有って無いような、その時に吹いた一陣の風だったのでは……
簡単に書くと16歳の主人公が20歳の小悪魔的女子に翻弄される話です。 この小悪魔、何人もの熱狂的な…
明日でも明後日でもないアサッテを求めて……
面白い! 興奮しました。 最初は複雑なメタフィクション構造に、おおいに戸惑ってしまいましたが、狙…
慈愛なのかそれとも男女の愛なのか、本人すら気がつかない所で育ってしまった愛が2人を不幸へと導いてしまった……
とある老婆が亡くなり、後に残された盲目の少女を牧師が引き取るところから話が始まります。 文庫本の背…
忠実な蠅追いは敷石を思い切り投げつける、このフランスのことわざがすべてを現している。
堀江さんの作品を読むのは今作で5作目ですが、どの作品もなんとも言えない味わいがあります。 徒然なる…
異常なまでの合理的な生き方が男を死へと導いていった。
戦後まもない頃に東京大学の学生が、闇金融業を営み法律違反を犯し逮捕される事となった『光クラブ事件』を…
嘘をつくよりも真実を告げる方が辛い。しかし真実は逃げる事を許さず、その行為の真摯さは結果として真実を選らんだものを救う。
現役の医師が尊厳死を書くだけあって重みが違います。 尊厳死という言葉は、既にひとり歩きしていて、末…
この理不尽さには本当に意味などないのか?それともこれは試練という名の役割なのか?
百瀬という、いじめる側にいる者の理不尽ながらも否定出来ない語りと、コジマという、いじめられる側にいる…
不可解さを理解出来ないからこそ、形式を真摯に守っていかなければならないのかもしれない。
芥川賞受賞作。 この世とあの世の間を中陰と呼び、そのおぼろげな中に存在する霊的なものを描く作品。 …
何故、頼りない弱々しい初老の男を選んだのか。男の僕にはまったく理解が出来ません。
芥川賞受賞作。34歳の堕落した女性と、60過ぎの弱々しく情けない男性との関係を描いた作品。 ただこ…
癖になる脱力系文学。しかし、これはただ軽快なだけではない。
とても力の抜けた文章を書く作家さんです。 そしてその脱力感は、モラトリアムな時を過ごす主人公の感情…