探検家の日々本本
読み手としての立場と書き手としての立場。そこに矛盾を抱えて、矛盾を掘り下げていこうという姿勢が、筆者の魅力なのかもしれない。
探検家でありノンフィクション作家、角幡唯介さんのエッセイ集。 タイトルから連想されるような書評集、…
本が好き! 1級
書評数:276 件
得票数:2988 票
複数形から宿主生物へ。職業は食糧。
ちまちまと読みたい本を消化する日々。
単数形に戻りましたが、今度は別個体に栄養を吸い取られています。
割と色々読みます。
生物学(農学/遺伝学他)、考古学(トルコ/エジプト/シリア)、食文化や旅物、SFやゴシックホラー、ペンギン、恐竜、発達心理学、オカルトや妖怪、探検も好きです。
一応、生物学関係で修士持っていますが、お仕事は生物とは無関係に技術系の法律をあつかう事務職でした。退職することに。働かずに食べるご飯は美味しい。
事象の差分を気にする傾向にあります。
土日はあんまり現れません。
読み手としての立場と書き手としての立場。そこに矛盾を抱えて、矛盾を掘り下げていこうという姿勢が、筆者の魅力なのかもしれない。
探検家でありノンフィクション作家、角幡唯介さんのエッセイ集。 タイトルから連想されるような書評集、…
虚構癖の果てに自死せざるを得なかった彼女は、人をだます側にあったはずなのに、なぜか可憐な印象だけが際立っていた。
ある開業医の書簡、という体裁で、一人の少女看護婦の言及する。 開業の前日、偶然雇い入れたのは1…
「絶滅寸前の人種(死にゆく人種、死にゆく民族)」とまで言われるようになったアボリジニ。本書に描かれる彼らは、民族の消えゆくときそのものののようにすら見える。
オーストラリアの先住民、「アボリジニ」。 その単語から、洞窟にすんで狩猟採取の生活を送り、独自の文…
ラスボスのスタンド技はメンタルダメージSSS。プロローグでは正統派の異世界ファンタジーを期待したのに、どうしてこうなった?
武によって民を守ることに多大な功績を挙げたものは英雄となり、苦しい修行の末に“中有の脱皮”を成し遂げ…
明暗を分けたのが「実家の財力」だけとは思えないけれど、本書を読む限りはすべてそこに帰結してしまう。 「当時の価値観」と「今どきの価値観」の違いを差し引いても、共感できるものではなかった。
宮内省大膳職司厨長(料理長)秋山徳蔵。大正期から昭和期に生きた料理人であり、日本における西洋料理、特…
妖を奇怪とは感じても、驚異とは思わない。なんとなく、「もののあはれ」を感じる世界だ。
「おとぎのかけら」が西洋童話をモチーフにした現代劇だったのに対して、日本の妖、怪異をテーマにした時代…
住宅地図を全国規模で手がけ、日本国内のカバー率を99%まであげたところにゼンリンの底力を感じる。カバー率の高さは「地図データ」の商品価値、重要度の高さそのものであろう。
ビルや商店の名称はもちろん、住宅(表札)の名前、住宅の形まで書き込まれた白い地図を誰しも一度くらいは…
高機能脳障害を患った医師による体験記であり、分析の書。障害を抱え、それを記すことが彼女に与えられた役割であったような、宿命的なものを感じずにはいられない。
病をきっかけとして、性格、人格が変わってしまう・・・。都市伝説のように稀に聞く話だが、そのようなこと…
耳が痛くなるほどの静寂と、早鐘を打つような鼓動。銃声。そして、時の流れが戻ってくる感覚。動と静を我が身のことのように感じさせてくれる、不思議ま文章だ。
猟師の登場する話、猟師を描いた話を読んだことはあるが、猟師自身が一人称で書いた文章は初めてである。 …
恩田陸さんは、雰囲気も設定も好きなのに、なんとなく気が合わない作家だ。最終話がなければ、もう一つ星をつけられるのに。
中性的な雰囲気で捉えどころのない音楽プロデューサー多聞を主人公に、時代を変え、場所を変え、トラベルミ…
あの歴史上の人物は、文豪は、いったい何を食べていたのだろう?そんな疑問に答えてくれる妄想創作レシピ集。
本を読んでいて、この人はどんなものを食べていたのだろう?と疑問に思うことはないだろうか。 あるいは…
周囲は、彼が思うより聡く、独り苦しむ彼を若者として愛したのではないだろうか。
東北の有力者の子に生まれ、病弱で、だが聡明で利発で、剽軽な子供。葉蔵。 彼の残した手記から、彼が「…
太宰治の問題作を現代版としてコミカライズ化。概ね読みやすいリライトだが、政治的な集会に巻き込まれていくくだりは違和感がある。
現代版「人間失格」。 小説と漫画と、表現手段に差はあれど、感覚としてはリライトに近い。 インター…
3冊くらいのボリュームで読みたかったなぁ。
現世と狭間にある黄泉坂。 現世への執着心から坂を越えられず、変調をきたした魂はやがてマヨイダマとな…
館の怪談と学校の怪談を扱ったゴーストハントシリーズの最終巻にふさわしく、学校を舞台とした館の怪談。麻依の恋心に、ちょっとだけ納得できない気持ちになった。
思うにゴーストハントシリーズは、大きく二つに分けられる。学校の怪談、と、館の怪談である。 最終巻で…
余りに多い、原因となりそうな歴史。いつもよりも謎解きの要素が強く、壮大な話である。
「代替わりの時に、死人が続く」。 能登の海の近傍に佇み、一族で会員制の料亭を営む吉見家には、そんな…
怖さにも種類があることを知った。
元首相の所有する屋敷で「謎の失踪者」が発生した。しかもそれを捜索にしにきたものの中からもさらなる失踪…
遅々として進まぬ政治。相対する戦闘は、海を血で染めるほどに激しい。
地中海三部作と言われる一連の作品の最終作。 本作ではコンスタンティノープルの陥落から118年後、前…
若い騎士、若いスルタン。若年同士の闘いは、どこか喧嘩のような無邪気さを感じさせる。ドルチェと呼ばれるほど甘い気候の島を舞台に、それぞれの宗教世界のメンツを攻防戦の物語である。
ドルチェと呼ばれるほどの甘い気候、薔薇の咲き乱れる古代文明の気配を感じる島、ロードス。 エジプト・…
生物毒、人工毒、混ぜるな危険で薬が毒になり、毒同士が拮抗して作用が遅れる…。めくるめく毒の世界。
生物毒、人工毒、麻薬に薬…。人体に影響を与える化学物質は既知ものだけでも星の数ほどあり、未知ものもの…