文庫本千秋楽
惜しまれつつ亡くなった坪内祐三さんの、文庫本に対する徹底した愛情と気取りのない知性を感じる。そして「知性」について深く考えさせられる一冊
2016年~2020年の間『週刊文春』に連載された「文庫本を狙え!」と1999年~2020年の間『本…
本が好き! 1級
書評数:101 件
得票数:1069 票
熊本在住、1957年生まれ、男性です。黒人音楽を聴くのが好きです。音楽関連の他興味あるのは以下の通り(読んでない人も含む)。
思想・・・小林秀雄や池田晶子。民俗・・・柳宗悦や宮本常一。小説は寓話性の高いもの・・・中上健次やトニ・モリソン。文豪・・・夏目漱石や谷崎潤一郎。その他、歴史的なもの、日本的なもの(日本語を含む)にも興味アリ。井上ひさしや松岡正剛。
どうぞ宜しくお願いします!
惜しまれつつ亡くなった坪内祐三さんの、文庫本に対する徹底した愛情と気取りのない知性を感じる。そして「知性」について深く考えさせられる一冊
2016年~2020年の間『週刊文春』に連載された「文庫本を狙え!」と1999年~2020年の間『本…
ブルース愛にあふれたエッセイ集
『ギターマガジン』誌<リットー・ミュージック>における24年に及ぶ連載コラム(93年5月号から17年…
ダークではなくディープ、それがブルースだ
日本で出版された、ブルースに関する書籍や雑誌を好んで読んでいる人なら日暮泰文(ひぐらし・やすふみ)さ…
アメリカ南部で苦しい生活を強いられた民衆の中からロックが生まれた。奥深いルーツ・ミュージックの世界が詳述されている。
ジェームス・M・バーダマン+村田薫共著。2006年<NHKブックス>。「ルーツ・ミュージックの文化的…
本書は、アーカイブ的書物として素晴らしい成果を見せているが、ものの考え方について考えさせられる好書であった。
日本初の本格的ブルース雑誌『ザ・ブルース』に取り上げられた記事を主軸に、かつて「ブルース」がどう扱わ…
日本国憲法、環境問題、戦争責任、笑劇・喜劇、笑いの本質・・・井上ひさしが生涯をかけて取り組んだ諸問題の核心が述べられる。
吉野作造、宮沢賢治、丸山眞男に関する講演記録と、朝日新聞夕刊に連載されたチェーホフに関する投稿と、未…
社会事情や各々の音楽稼業、或いは日々の生活等を背景に、生々しく存在が顕わになる。
ポール・オリヴァーは、ブルースに関する書物を著した人物の代表格だ。そして、評論家と言う立場からブルー…
名を成す作家の厳選された作品集につき、文章表現の美しさやソリッドさは十分堪能できる。戦後から昭和の終わりまでという括りも活きている。
現代詩作家の荒川洋治さんが、1945年~1989年の戦後文学14作を選定したもの。①志賀直哉「灰色の…
ブルースの訳詞を通してブルース音楽の魅力が語られる
昔に比べると、ある程度深堀りした情報までたやすく得られる時代。どのジャンルでもそうだろうが「解説本」…
理解しやすい言葉が使われ、重要な事柄は繰り返される丁寧さで「勉強の必要な時代」を訴えているのではなかろうか。
学校の勉強に限らず、知識の習得に必要な、意識の持ち方から実践に使えるツールまで述べられている。学習意…
早川義夫さんが全てをさらけ出していて、込められた思いに肉迫する事ができる。
歌や文章の魅力は、歌手や筆者の人間性が伝わるところだろう。本書も早川義夫さんが全てをさらけ出していて…
著者は、人生相談に「回答」するのではなく、相談に「乗る」という姿勢で臨んだ。実はその姿勢は悩む側にも必要ではなかろうか。人生はいかに自分らしく「乗る」かにかかっているかも。
悩む人は気持ちが行き詰っている。ネガティブな思考は硬化する一方で、中々軟らかくならない。ああでもない…
ミシシッピ川の特徴から、周辺の文化(音楽や文学)、歴史が堅苦しくない語り口で述べられている。
アメリカ全土の地図を眺めると、ほぼ真ん中を縦に走る亀裂のように存在するのがミシシッピ川だ。 著…
深い感情移入と洞察力、思考力、表現力で読む者の手を止めさせない。
タイトルと言い、南伸坊さんの表紙イラストと言い、軽妙でユーモラスなエッセイ集を連想する。確かにそうな…
モータウン・サウンドのエキスを抽出
モータウンのレコードガイドを61年から67年と区切ったのは、モータウン・サウンドのエキスを抽出した形…
人種差別に関する知識が深まる読みやすい一冊。学術的考察と言うよりストーリーテリングの要素が強い。
黒人音楽を趣味とする私は、黒人文化や人種差別問題等に関しても気にはなっている。ジム・クロウ法、ローザ…
「人間とは何か」というあらゆる分野に共通する「最高命題」に到達している
石黒浩さんを初めて知ったのは、テレビ番組だった。マツコ・デラックスのアンドロイドを造り、色んな試みを…
人種混交の国アメリカならではの、多彩な音楽模様がとっつきやすい対談形式で語られる。
各章で取り上げられている音楽ジャンルは以下の通り。 ①アメリカン・ルーツ・ミュージック ②ゴ…
「大衆音楽」の視点から説かれるジャズを読み解くことで、自由であるべき音楽の本質に気付かされる。
故・中村とうよう氏は、妥協を知らない音楽評論家だった。偏屈者のレッテルを貼られる事もあり、私自身もち…
読みながら、何度も目頭が熱くなるヒューマン・ドキュメンタリー
以前、早川義夫さんが本屋を経営されていた頃の著作を読み、取次からの配本が思い通りにはいかないという実…