時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選)




"時間SF"を読むと、なんでこんなにこころが振るわせられるのだろう?
「時を生きる種族」には、 "ファンタスティック時間SF傑作選"という副題が付いている。創元文庫版、中…




"時間SF"を読むと、なんでこんなにこころが振るわせられるのだろう?
「時を生きる種族」には、 "ファンタスティック時間SF傑作選"という副題が付いている。創元文庫版、中…





ケルスティン・ギアのタイムトラベル・ファンタジー三部作の第二巻「青玉は光り輝く」を、とても楽しく読みました。 ああ、それにしても、完結作を待ち焦がれて、あと一カ月をどう過ごせばよいのでしょうか?
ケルスティン・ギアのタイムトラベル・ファンタジー三部作の第二巻「青玉は光り輝く」を読みました。献本、…





記念すべき「ファイロ・ヴァンス」の長編デビュー作、 ああ、感無量である。
ヴァン・ダインの「ベンスン殺人事件」(1926)、 記念すべき「ファイロ・ヴァンス」の長編デビュー作…





“スペースオペラ”なんて、とっくに古びてしまったジャンル小説ではないかと思わなくもなかった。 だったらなんでこの本を読んだのか?
“スペースオペラ”なんて、とっくに古びてしまったジャンル小説ではないかと思わなくもなかった。わたしの…





ン十年ぶりに読む「長いお別れ」は、予想以上に面白かった。
「ロング・グッドバイ」(1953)は、フィリップ・マーロウものの長編、第六作。 ・・・ある朝、彼の…





”ペドロ・パラモ”という男の一代記である。 これがまた一筋縄ではいかない一代記なんだよね。
ルルフォ(1918-1986)は、メキシコを代表する作家の一人。 書いたのは僅か二作。「ペドロ・パ…




「バルン・カナン」(1957)は、革命後のメキシコで、田舎町の農園主の一家がたどる没落の物語である。
ロサリオ・カステリャノス(1925-1974)は、メキシコの作家。「バルン・カナン」(1957)は、…





まるでフェンテスやガルシア=マルケスの作品を思わせる。 まさにラテンアメリカ文学の中心で書かれた傑作の一つだと思うのである。
エレナ・ガーロ(1920-1998)は、メキシコの作家。「未来の記憶」(1963)は、彼女の代表作で…





メキシコの探偵小説である。 みごとに”ハードボイルド”している。
メキシコの探偵小説である。みごとに”ハードボイルド”している。 登場人物がみんな魅力的であるし、1…




“ヴァンス”は、いままでに参与したどの事件よりも、この事件が気に入っていたという。
“ヴァンス”は、いままでに参与したどの事件よりも、この事件が気に入っていたという。 それは、”婉然…





「遊戯の終わり」(1956)、ここには三人の少女が登場する。この作品の魅力は、それに拠っているのかもしれない。少女小説というのは、それ自体が魅力的なものであるから。
コルタサルの「遊戯の終わり」(1956)は、同名の短編集の標題作である。 ここには三人の少女が登場…





「放浪者メルモス」(1820)、いやはやわけがわからないほどの伝説に彩られた大著である。
「放浪者メルモス」(1820)は、ゴシック小説の巨編である。奇書である。その後の幻想小説や恐怖小説の…





「にごりえ」を読む。 岩波文庫では、『にごりえ/たけくらべ』の二篇が一冊に収められている。 二篇を比べると読んだ回数は圧倒的に「たけくらべ」が多い。
岩波文庫では、『にごりえ/たけくらべ』の二篇が一冊に収められている。表紙の絵は、清方の「たけくらべの…





たしかにこれは、サン=テグジュペリのもうひとつの代表作と呼ぶにふさわしい名作だと思う。
「人間の土地」(1939)は、作家の職業飛行家としての経験を基に書かれた小説である。飛行機による長距…





いい子になった褒美として人間になったピノッキオは、百歳を越えて故郷ヴェネツィアに戻ってきた。
「老ピノッキオ、ヴェネツィアに帰る」(1991)は、”ピノッキオの冒険”の後日譚とでもいうべき物語で…





ショーン・タンの「アライバル」は、"グラフィック・ノヴェル"と呼ばれるのだそうだ。たしかに、文字などなくても、充分に物語として完成されている。物語には言葉が要らないこともあると教えてくれるのである。
ショーン・タンの「アライバル」(2006)は、"グラフィック・ノヴェル"と呼ばれるのだそうだ。 た…




2012年の翻訳小説ランキングをわたしが選ぶとしたら、ケイト・アトキンソンの短編集『世界が終わるわけではなく』は、確実に11位には入るだろう。
2012年の翻訳小説ランキングをわたしが選ぶとしたら、ケイト・アトキンソンの短編集『世界が終わるわけ…




この本には「ボウエン・ミステリー短編集」という副題が付けられている。 しかし、これはミステリーなんだろうか。
エリザベス・ボウエン(1899-1973)の短編集、「あの薔薇を見てよ」を読んだ。(原著1941年、…





エルモア・レナードの書く悪党小説、いや小悪党小説の、わたしは大ファンである。
エルモア・レナード(1925~)の書く悪党小説、いや小悪党小説の、わたしは大ファンである。 独特の…




今頃になってルパンの新作が読めることを率直に喜びたい。
“POMONA(ポモナ)”は、ローマ神話の果実の女神である。 しかしポモナの名は、神話自体よりも、…