東京少年
著者の自伝的小説。集団疎開とそれに続く疎開が綴られる。少年の目で捉えた戦争のひとつの断面が見えてくる。冷静な眼差しと、まさに「東京少年」の都会的なセンスで、面白い読み物としているのがすごい!
投票(2)コメント(0)2012-11-22
本が好き! 3級
書評数:5 件
得票数:18 票
レジナルド・ヒルの「ダルジール&パスコーシリーズ」が好きです。
作者が亡くなってしまい大ショック。
次なるお気に入り作家を探索中です。
著者の自伝的小説。集団疎開とそれに続く疎開が綴られる。少年の目で捉えた戦争のひとつの断面が見えてくる。冷静な眼差しと、まさに「東京少年」の都会的なセンスで、面白い読み物としているのがすごい!
「勝手にしやがれ」を世界で最初に買い付けた著者の自叙伝。確固たる意志と誇り高さ、磨き抜かれた美意識に圧倒される。目利きとはこういう人のことを言うのか。上質の人間の内面を覗き見る快感が得られる一冊。
逆境に敢然と立ち向かうひなの決意と底力に圧倒される。愛情、思いやり、やさしさを愛おしく思うと『失望も淋しさも必要な感情です』と教えてくれる。そして甘いしょっぱい甘いの魔のループに激しく同意なのでした。
華麗なるオスマン帝国の細密画の世界を覗き見ると同時に、保身と自己愛と計算高さにたけるヒロインに畏れ入ります。殺人事件の謎ときなどどうでもいいと思わせるパワフルさです、はい。
16世紀、オスマン帝国最盛期のイスタンブール。細密画絵師の殺人事件がおき、しばらく後にまたひとつ殺人…
ヘンリー8世治下のイギリス宮廷を自身の才覚のみで駆け上るトマス・クロムウェル。過度な感情描写を排し洗練された文体で描かれた世界は火花散る政争も透明なクリスタルから覗いたかのようにうつくしい。