11 eleven
短編集を一気に読むのが苦手なので一話一話少しずつ 読んだ。一冊の本の中で一つ一つの短編が、つながりはないのに共鳴して、本の中の和音を聞くのが心地良い。
中でも「延長コード」というお話が好きだった。 イメージが繋がり長く伸びて行く、でも突然フット切れる…
本が好き! 4級
書評数:18 件
得票数:30 票
ぼんやり暮らしています。
短編集を一気に読むのが苦手なので一話一話少しずつ 読んだ。一冊の本の中で一つ一つの短編が、つながりはないのに共鳴して、本の中の和音を聞くのが心地良い。
中でも「延長コード」というお話が好きだった。 イメージが繋がり長く伸びて行く、でも突然フット切れる…
我が郷土を描いたということで読んだ。志摩半島の、いわゆる別荘地に住む人々の暮らしぶり。私の知らない志摩半島。ここは夢の国でもなんでもないただの田舎の漁師町なのに、彼らにとっては違うのだろう。
忘れられた詩人の伝記。この詩人を知らぬ人にとって、それを知る足掛かりになるか、と言えば否。ただただ、この詩人を知るものにだけ開かれた書物。
解説がわかりやすく、これから勉強を始めるという人にもオススメ。学習しやすいよう重要な語句は赤文字になっている。ただ、なぜ本文が横書きなのか。神社やそのしきたりを解説する本なので縦書きにして欲しかった。
放送は終わったが、朝の連続テレビドラマ「カーネーション」を見ていた時にふと思い出した一冊。吉屋信子はいつ、朝のヒロインになる日がくるのかな?と。
この物語を読む時、筆者について詳しいは、「彼ら」を思い浮かべるだろう。筆者のプライヴェートを知る足がかりに読むのもありだが、この透明な砂糖のような言葉の一つ一つは、そこから離れて読み解きたい。
お揃いのお洋服を着ている、ということ。それは、一方は美しく、一方は醜い、二人の少女たちがしかし、お揃いの魂を持っている、証。二つの魂は一つになろうと、「私」はミシンを撲殺する。
「ロマンティック・ラブ・ストーリー」としてのやおい。「エロ小説」としてのやおい。この両定義からやおいは読みとかれる。具体例も多く、分かりやすい。「やおい」を研究したい人に。
「ゴシック・ロリータの系譜学」とあるが、ゴシック・ロリータの精神学、といった感じ。一人称「俺」の語り口は少し軽薄な印象を受ける。ゴシック・ロリータという現象に、ソレラシイ返答が欲しい方にはオススメ。
自己愛としての少年愛。少年が少年を愛するということ、それは、己を全くの他者であるもう一人の少年に投影させ、あたかも他者を愛している、と錯覚すること。様々な文献から、憧憬と自己愛の少年愛を読み解く。
3という数字は少女の象徴?少女期、私たちは、常に3という数字の暴力に恐れて、いた。2人で会った私と彼女に、もう1人の少女が加わる時、秘密の花園は崩壊の危機に晒される。そんな記憶の、物語。
忘れられた詩人の詩集。荒れた海を憧憬し、母を想う。日夏耿之介が絶賛したといわれる、静かに滾る幻想。好き嫌いは分かれると思うが、医者兼文学者の詩集、比較してみるのも面白いだろう。
世界の代表的なタカラガイが載っている。広く浅く、と言った感じの図鑑で、日本の海辺で採取可能なものでも、掲載されていないものもある。同定に重宝する。
ページを開くと、理科の教科書のよう。深海調査船や、深海生物についてだけではなく、海や地球のシステムにまで触れている。「深海」についてがぎゅっと詰まった本。
「少年サロメ」この不穏なタイトルだけで、ストーリーをあえて語る必要はないかもしれない。短編集。ただ、「少年愛」の物語として読むには、夢見がちすぎて物足りない。
物語に描かれる生物を、現実の生物、幻獣の区切りなく語る。生物から、読者である荻原規子自身へ、投影させているわけではないが、「私の生」につながるエッセイ。
「少女」について。表題の「初潮」という生理減少だけでなく、動物物語などからも論じられている。「少女」に商品価値を見出したのは、誰だろう。
旅の記録。書歳派、と称していた澁澤龍彦を、外へと連れ出した二人目の妻。変わり続けたその人の、変化の過程。