いま、生きる力
強烈で大きすぎる太郎さんのいちばん隣に、つぶれずに笑って居続けた敏子さんは本当にすごい。「普通の、ただの女」であることを受け入れて、その上で全力で走り続けたんだなあ。
本が好き! 4級
書評数:36 件
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強烈で大きすぎる太郎さんのいちばん隣に、つぶれずに笑って居続けた敏子さんは本当にすごい。「普通の、ただの女」であることを受け入れて、その上で全力で走り続けたんだなあ。
少しずれた世界で、宗教的なこととか性的なこととか醜いこととか、そういうものを静かに書き連ねられた短編集。
心がいっぱい。忘れてはいけない大事なことを、教訓的に教えてなおしてくれた。「自分」をしっかり持たなきゃいけない。気をぬくと危ない。他人中心でそれが自分だと錯覚、って、案外陥りやすい。
まだ今の私にはよくわからない。しばらく時間をおいてからまた読んでみようと思う。何回か読むことでわかることって、きっとよくあるから。
登場人物、それぞれがみんな人には言えないつらい部分をもっている。真夏に読んだけど、冬の匂いがする本。
だめ!笑いが止まらない!ひとりで電車のなかで読んでしまった。全然なじみのない世代の映画人たちに触れることができて、知らない世界を知って世界が広がる。
考えてみると、一番好きな人物は、いちばん普通の人間であったホシノくんだった。なんでかな。クロスする物語に、トリハダが立った。
愛しい愛しい愛しい。こっちが恥ずかしくなるようなことを、2人は平気で言ってのける。圧倒された。すごい。わたしはなんて狭かったんだ。
中学生の頃から何度も読んだ、たまらなく愛しい本。女の子の秋のキラキラが詰まっている。読むたびに全然違う本に感じる。
絶対に変わることのない気持ちって、あるのでしょうか。哲生を一生変わらないものとして当たり前のようにとらえられる弥生が、たまらなく羨ましい。
先生は、奥さんと幸せになる義務がある、と思ってしまうのは、私がまだ結婚とか大人の世界とかを知らない子供だからだろうか。残された奥さんは本当に独り。酔った男側からの目線ばかりに思えてしまった。
向田邦子さんのことはよく知らないけれど、古本屋で見つけたこの表紙の邦子さんが美しすぎて、ひとりの女として。ほぼ毎日、恋人N氏に手紙を書いていたという、その労力に衝撃を受けた。
この恋のこと、すごく自然にすっと胸に落ちた。高校のころだったら、きっとこんなに認められず、少し嫌悪感を抱いてしまっていたかもしれない。
こわい。いつもとの姿に戻るかなあ、と思ったら毒虫のまま死んでしまった。彼だってわかってるのにひどい対応をする家族。ハウルの動く城みたいなファンタジーならソフィーは旅に出れるが、この本には逃げ場はない。
ばななさん、どうしてこんな、心の中のかすかな温かさとか雰囲気の記憶を、しっくりくる文章にできるのですか?
ほんとに喜怒哀楽、全力疾走、全身全霊ってかんじ。太郎さんと「戦争」全然結びつかないけど、がっつり服役して、理不尽な仕打ちやなにやらにあって、耐えていたんだなあ。
目の前がぱぁーっと晴れるようだ。これまで悩んでいたあれこれ、太郎さんに言わせると何でもないことだった。
「いつも、誰かが、あののれんの向こうの明かりを目指して、夜道をやってきた。その中に自分がいると思うだけで嬉しかった。」この言葉に出会えただけでだけでもう、満足。
あこがれの女性2人の対談本。こんなに飾らずに、でも凛として筋が通っていて、私もこんな女性になりたい。表紙もいい。
本屋でパッと開いたら「四枚の絵葉書を書くその中に君への一枚隠しておりぬ(66頁)」と言われてこりゃ買わねばと思った。去年夏のかわいいおもいで。女の子の気持ちを掬いとって繊細に緻密に歌ってある。すごい。