龍神の雨
兄妹と兄弟と雨と龍。タイトルも物語も心情もそしてラストもすべてが洗練され研ぎ澄まされている。映画「カラスの親指」をみて道尾作品に興味を持った私に別のジャンルの満足を与えてくれた。解説も真の解説で秀逸。
本が好き! 4級
書評数:12 件
得票数:27 票
本を読むとき、ある程度話が進んでその世界を体験しているような、それでいて続きが気になる中盤が一番好きです。
逆に1ページ目をめくる瞬間が一番苦手です。情報がどんどん入ってくるし、その世界に入り込めるか不安になります。
変わり者ですかね?
昔は苦手だった小説も「八日目の蝉」以降、ジャンルを問わずに楽しんでいます
兄妹と兄弟と雨と龍。タイトルも物語も心情もそしてラストもすべてが洗練され研ぎ澄まされている。映画「カラスの親指」をみて道尾作品に興味を持った私に別のジャンルの満足を与えてくれた。解説も真の解説で秀逸。
メラメラと燃える青い炎。その熱であけてしまった穴こそが物語のターニングポイント。縫っても縫ってもとじない穴。真っ直ぐに大切なものを想う青年が心に灯した青の炎は何を守り・失い・傷つけるのか
短いお話や短編集はあまり好きじゃなかった。この本を読むまでは。伊坂ワールド全開でハズレなし。個人的にサクリファイスのラストが良い!思わずニヤッと顔がほころんだ。
主要人物それぞれの叫びは的確な文章力によって伝わってくる。しかし物語としてのメッセージはうまく伝わってこなかった。結局何なのか。死刑廃止なのか?性欲なのか? 各々の叫びがもったいない気がした。
古武道の使い手とプロレス団体のエースとの一騎打ち。だがそれまでの過程が長くて途中まで何の話だったかわからないほど。作者自身は自分の経験などを織り交ぜて楽しみながら書いてると思います。
前半はフジコにもろに感情移入し、途中から止めに入りたい自分がいた。帯にも書かれている通り、確かに後味は悪いが中毒性はある。ある意味新鮮。
読んだ後ほっと心温まる。栞子さんの愛おしさと軽快な謎解き、事件といっても人は死にません。いくつかの古書とそれに携わる人たちが織りなす物語、ストーリーも秀逸でどんどん引き込まれます。ぜひ2巻も読みたい。
子ども、とりわけ登場人物と同世代の小学生に読んでもらいたい一冊。 「死」についてちょっぴり真剣に考えたある夏のお話
興味が分かれる一冊。 おそらく誰もが途中で作者の仕掛けに気づくであろうがそれをどう捉えるか。 個人的にはモヤモヤ感が残った。
読み終わった後、こんなに心があったまる話はそう無い。やさしい気持ちになれる。 ちょっと文語的な文体も新鮮で良い。ボロアパートの仲間をはじめとするキャラも皆魅力的。
祖父であり軍人宮部久蔵の人物像、すなわち自分のルーツを探す旅。かつての仲間たちの証言から作られる様々な「顔」。宮部とはどんな人物であったのか?そして彼の想いとは?
誘拐したそのときから始まる終焉へのカウントダウン。行き止まりに向かって歩くしかない。それでもはっきりと存在する娘への愛。登場人物がおりなすそれぞれの八日目。心をもってかれる作品