箱男
安部公房はどれもいいねえ。これだけ刺激的な言語センスをもった日本の作家はいない。リアリスティックな箱の描写(大きさ、内部のつくり、生活するための仕掛け)と対比するように、とこか簿やっとした印象を与える登場人物。鋭いようで、夢想的な目線。
投票(0)コメント(0)2011-02-04
本が好き! 3級
書評数:3 件
得票数:2 票
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安部公房はどれもいいねえ。これだけ刺激的な言語センスをもった日本の作家はいない。リアリスティックな箱の描写(大きさ、内部のつくり、生活するための仕掛け)と対比するように、とこか簿やっとした印象を与える登場人物。鋭いようで、夢想的な目線。
今日から食わぬ、だったかな。死を決意したときの、思いが内攻する感じ、幸福感さえ漂わせるような感じ、そんな覚悟に至るための道程がこの本の全て。
幾とおりにも読める、意味ありげな台詞、キャラクター、情景描写が続く。よくある寓話的な嫌らしさを感じさせない。現実的な何かを抽象的に表現したかったのではなく、「不安」のような抽象的なイメージを、さらに寓話的に表現したかったのかもしれない。
幾とおりにも読める、意味ありげな台詞、キャラクター、情景描写が続く。よくある寓話的な嫌らしさを感じさ…