何もかも憂鬱な夜に
軽いタイトルに騙されて軽く読み始めて一気読み。「命のありかた」と言う重いテーマがしっかりと心に届きます。
投票(3)コメント(0)2012-02-19
本が好き! 4級
書評数:3 件
得票数:6 票
自称「境界探索者」。
ファンタジーと民俗学・博物学の融合を楽しんでいます。
趣味は特撮。
軽いタイトルに騙されて軽く読み始めて一気読み。「命のありかた」と言う重いテーマがしっかりと心に届きます。
「記憶」とは「血」でもある。逃亡を繰り返す父と失われた記憶を探し求める娘の途切れてしまった親子の絆はバンドネオンの音色によって再び結びつく。激しく物悲しいアルゼンチンタンゴが聴こえてくるような物語。
人間は社会的なイキモノですが、それ以前に生物です。生物は種すなわち遺伝子を残すことが目的と言えますが、人間いやヒトが種として残していくものは…。 人類生物学と言う学問は、まさにヒトが人間であることの意味を問うている哲学だとも思うのです。