未来を失った社会―文明と人間のたどる道





絶望の舌鋒を振るう社会学者とのことですが、楽観はもちろんないが悲観とも違う。ラジオの天気予報のように淡々と世界の崩壊(エントロピーの極致)について語る調子は、昨今流行のローファイ音楽のようでさえある。
ブログからの転載です。 本書に刺激されて書いた記事は三つありますが、 その中でいちばん書評に近い…

本が好き! 1級
書評数:100 件
得票数:470 票
こんにちは、chee-choffもとい、せんだです。
読書が趣味→生活→生活+仕事、とどんどん高じています。
書評のスタイルにとらわれず、「読めば読みたくなる文章」を心がけて文章を載せています。
多種多様、あるいは謎のテーマで三冊本のセットを組んで販売するネット古書店をやっています。
興味がありましたら一度HPにお越し下さい。
本業は現在「ブリコラジール」という屋号で個人事業をやっています。





絶望の舌鋒を振るう社会学者とのことですが、楽観はもちろんないが悲観とも違う。ラジオの天気予報のように淡々と世界の崩壊(エントロピーの極致)について語る調子は、昨今流行のローファイ音楽のようでさえある。
ブログからの転載です。 本書に刺激されて書いた記事は三つありますが、 その中でいちばん書評に近い…





人が作り上げたものだが、複雑化によって「独自の言語」で語らねば理解できなくなったもの。システムは恐らくそのようなものの一つです。そしてルーマンはその「独自の言語」を難なく操れる稀有な存在に思われます。
この文章は『ジーンとともに』(加藤幸子)との関連でブログに書いたものの一部です。 全文はリンクをご…



森の中でクマとばったり出会ったら、みなさんはどうするでしょうか?(…)でもだいじょうぶ、この本に出てくるクマは人をおそったりはしません。ちょっと不器用ですがやさしくて力持ち、しかも向上心があるのです!
森の中でクマとばったり出会ったら、みなさんはどうするでしょうか? 全力で逃げますか? 死んだ…





「時間そのものを消費対象にする」とは、時間を、「時間がかかる」とか「時間をかける」とかいうものとは別物とみなす、ということです。
相変わらずの、本を読んだ中から抜粋してつらつらと考えるスタイルです。 本書を再読した時に書い…





鶴見俊輔の「菌糸眼的思考」
自分が生きてゆくにつれて視野がひらける。そういう遠近法を捨てることはできない。しかし、そういうふ…





「それ」を敢えて引き受けるために必要なもの。それこそが言葉であり、場当たり的でもなく、人付き合いの潤滑剤でもなく、他人を操るための功利的な論理でもない、他ならぬ自分自身を説得し、覚醒させるような言葉。
以下にはこの本を読んで考えたことが長々と書いてありますが、 僕自身が書きながら最後で気付いたように…





この小説の終わり方はとても好きで、「物語が完結して現実に引き戻される」というのではなく、物語が終わり、本を手元に置き、立ち上がって、水を飲んだり食器を洗ったりする…という流れの間に、滞りがないのです。
ブログの過去記事からの転載です。 いつも見境なく書く文章がときどき書評らしきものになるんですが、 …





情報技術の発達、増殖を続ける無尽蔵のウェブリンク、クラウドコンピューティングによる身の丈を遥かに超えたデータベースの参照可能性、これはある視点をとれば「評価の坩堝」の巨大化でもあります。
ここしばらく書評の投稿が途切れていました。 ブログの最近の記事から、書評とは決して言えませんが、載…





「鬱憤を晴らす」という言葉があるように、人を動かす、いや人を動じさせる感情の発現が、経時的な現象を契機とすること。 僕はここに、空気のように思考する、人間としてのまっとうさを感じるのかもしれません。
本書を読中に連想が広がり、それをきっかけに何か書いているうちに書評っぽくなりました。 一部抜粋だと…





思考という孤独な営みが日常的に不要な、システムの整った他責的な現代社会。森氏が抽象的思考を構えなく、呼吸するように展開する姿勢に触れて、人は思考する生き物だという当たり前の感覚を取り戻すことができる。
「人は思考することでその対象と関係をもつ」という抽象的なテーマを考えていた時に本書を引用した文章を書…





本書に書かれた政治的構想が、読み手の自発性を刺激する。意外にも政治を身近に感じることができる一冊として推薦できるかもしれない。あるいは、政治は身近な問題意識からしか生まれないことを示唆する一冊として。
行き過ぎた産業主義を政治的に抑制するために。 「社会主義」という言葉が本書中にあります。 (…




「歴史叙述とは、(…)人間の一切のいとなみの内部に共感をもって浸透することである。」僕はこの歴史(叙述)の定義に感動しました。歴史が他ならぬ自分(読み手自身)と関係を持つのは、この点においてなのです。
本書を読んだのは2年と少し前で、当時ブログに書いたものを以下に部分転載します。 書評というよりは読…





僕は最初、この本の内容を「事件を再構成するための情報」として読んでいました。(…)けれど、途中で気付いたのです。それは評論に対する読み方で、これは違う、と。
以前(2014年8月)に書いたブログからの抜粋です。 会社の夏休み中に読んだという文脈で、 本書…





「竜学部」という語呂が良くて、どこかの大学に本当にありそうですね。
『竜の学校は山の上』(九井諒子)という短編集を入手しました。 さっそく表題作「竜の学校は山の上」を…





本の印象を一言でいえば「生データの宝庫」です。 解釈をする前の実験データが無造作に散らばっているという印象でしょうか。
学部生の時に教授の所属科にいたので、ちょっとした身内感があります。 4回生の研究室配属時に選択肢と…





現代において「満足」は短期的な、もっといえば瞬間的な現象になっていて、けれど「満足の文化」の本質はそれを定常的に求める志向にあって、ここには莫大な消耗があります。
久しぶりに投稿します。 過去にブログに書いた記事(下にリンクを張りました)の前半部です。 思…





一人で喫茶店で座ってゴルフの打ちっ放し場でクラブを振る老人を見ながら延々と思考を重ねる野瀬俊夫という人物がいちばん保坂氏に近いのかなと思った(…)
最初に白状しますが、ネタバレはありませんが、致命的なことに書評率は5%程度です。 保坂小説の分析に…





自然な生活の中での、自然な会話。毎日が穏やかなピクニックのような、「ハレ」と「ケ」が優しく混ざり合った日常。初めもなく終わりもなく、ただ流れだけがある個性的な人々の共同生活が「場の幸福」を形づくる。
保坂小説の王道的な一作。 感想を言えば「いいなぁ」の一言で終わってしまうので、やはり考えてしまう。…





橋本氏の行き方がそのまま社会批評で「社会がオレに含まれてんだよ」と言わんばかりの自信に生半可な心構えでは近づけない。が、一度「入って」しまえばあら不思議、誰もが考えずにはいられなくなる超絶思想書。
相変わらず書評率低いです(20%くらい?)。 「橋本治とは"歩く作法"ではないか?」というお話。 …





語られていることが正しいか正しくないかが大事な時もあるが,語られる内容ばかりを見ていては抜け落ちてしまう視点がある.「なぜその内容が語られているのか?」という階層を上げた問いを常に怠らないこと.
『敗戦後論』(加藤典洋)を読み始める. 「敗戦後論」は一日で一気読み. 「改憲論者と護憲論者は双…