写楽 閉じた国の幻




このミス2位! 極論すればこれは島田荘司の写楽の研究本だ。
私のようなかつての島田荘司のファンにとっては、 賛否両論あることだろう。 人によっては認められない…

本が好き! 2級
書評数:35 件
得票数:53 票
時間ができた今、昔流行った本で気にはなっていたけれど、読めずにいた本などを中心に読んでます。積んどく本がたくさんあって、流行ものになかなか手がだせない。
ジャンルは幅広く読んでるつもりだけど、基本的に内容、重さともにずっしりくるヘビーな本のほうが好き。
基本的にこちらとBlogにアップするのは、面白かった本、お薦めしたい本ですが、ごくたまに毒吐くこともあり。...嘘はつけないのよね。




このミス2位! 極論すればこれは島田荘司の写楽の研究本だ。
私のようなかつての島田荘司のファンにとっては、 賛否両論あることだろう。 人によっては認められない…




人々が一番知りたいのは、なぜ、ペレルマンはミレニアム懸賞とその賞金100万ドルを拒否したのかという点だろう。 本人へのインタビューが一切ない異色のノンフィクションである。
ペレルマンその人の人物像に迫るにあたり、著者は直接本人にはインタビューできていない。 彼は既に数学…





ロシアの猟奇殺人鬼チカチーロを題材にした、長編サスペンススリラー。 このプロットの巧みさ。登場人物の素晴らしさ。 これ以上のものが想像できるだろうか。 これが処女作とは!
題材に得た連続猟奇殺人鬼アンドレイ・チカチーロは1978から1990年にかけてソ連国内で52人もの子…




こんなすさまじいバイオレンスな小説はこれまで読んだことない! 素晴らしく入り組んだ複雑なプロットにクセのある登場人物。 このミステリーがすごい!!!海外編の文句なしのNO.1の作品。 はい。全く文句ありません。
このミステリーがすごい!!!海外編の文句なしのNO.1の作品。 はい。全く文句ありません。 …




"心神喪失"というのは、刑法システムのなかではサンドイッチのピクルスのようなもの...そして我々が思うよりもずっと多くのサンドイッチにこのピクルスがついている... 実際に検察官であった著者は、あとがきの中でこういっています。
裕福で社会的に成功している医師デヴィッド・マーケット。 ところがある日突然豹変して、美しい妻とかわ…





絶賛されるのも納得。 ボリュームはあるが、ページをめくる手はもどかしいほど。 初めてリンカーン・ライムのシリーズを読む人でもすぐにこの世界に入っていけるだろう。そして虜になる。
あのボーンコレクターのリンカーン・ライムのシリーズ。 昔このミスの海外部門で1位に輝いたとき、気に…





ピアノの詩人と言われたショパンの晩年を描いた最高傑作。 ショパンに関する小説で、これほどのものはもう誰も書くことはできないだろう。この完成度に圧倒される。
とにかく文章が美しい。 言葉のひとつひとつが選び抜かれ、表現の精緻さが際立っている。 その選…

桐野夏生の原点"村野ミロ"シリーズの第三弾。 どんどん闇に引きずられていくミロ。 結局のところ、この闇こそが桐生夏生という作家の全てだと思う。 500ページを超えるボリュームながら、ハイペースで読めます。
前作"顔に降りかかる雨"や "天使に見捨てられた夜"を読まなくとも充分楽しめます。読んだ方がなおよい…



中卒で定職にもつかない息子に悩む主婦とその周囲の苦労の話。
いまどきのいわゆる”草食系”である息子の翔は向上心もやる気も覇気もなく、せっかく入った付属高校も辞め…




マフィアものを書かせるとこの人の右に出る者はいないのではないか。 新作が常に待ち遠しい作家の一人だ。
ひたすら圧倒する壮大な「犬の力」とは打って代わり、伸びやかで味わいのある仕上がり。 ボビーZの気怠…




島田雅彦版ウルトラ・ダラー といったところか。 が、本家よりも妙にリアルである。
島田雅彦版ウルトラ・ダラー といったところか。 本家、手島龍一の「ウルトラダラー」は氏のスノッブ…




オリンピック後、繁栄を経過し、今また同じ状況をむかえつつある。 日本がオリンピックの身代金として失ったものは何だったのだろうか。
奥田英朗といえば、少々シニカルなお笑小説のイメージがあるが、意外に社会派なところも。 いつもの奥田…




夜鷹(娼婦)に産み捨てられ、ヤクザに拾われて育てられた男の物語。 迷いのない純粋さは恐ろしい。 そして伊集院氏ならではの美しい文章がまたやるせない。
ヤクザの世界に身を置く男の話。 夜鷹に産み捨てられ、ヤクザに拾われて育てられた神崎武美。 彼…




英国フーズニットの王道。 最後の最後まで犯人はあかされず、その分ミステリー通にはたまらない。
タイトルの"鉄の枷"とはその昔英国で口やかましい女を黙らせるために罰として頭にかぶせた拘束具だそう。…




凄く良かったという人もいれば、なんのこっちゃ全くわからん、と放り出した人もいるだろう。 ただ、私はそれなりに面白く読んだ。 Book3をしてようやくひとごこちついた気するし、このなんだかわからないカオスな状況もそれなりに楽しめた。
多分本年度最も売れた本。 やっと読みました。 この小説には賛否両論あり、凄く良かったという人もい…





現実の世界とそうでない世界、目に見えるものと見えないもの、その狭間、確かにこの小説はこれまでの春樹作品に比べ目新しいものはないけれど結局のところ私も含めて多数の作者は春樹ワールドが好きなんですよね。
村上春樹を純文学と定義するのは、ちょっと違うかなぁーという気もするけれど、村上春樹氏ほど積極的に物語…




シェエラザードとは千一夜物語に登場する美しく聡明な娘の名。 圧倒的なボリュームだが、テンポがよく読む人を飽きさせないのはさすが。テーマは重く、スケールは大きく、それでいてなぜか軽やかな不思議な感じです。
都銀を追われた軽部は今はヤクザの企業舎弟として金融業を営んでいる。その軽部と相棒である日々野のもとに…




激動のまさに嵐の日本史でいう幕末の極彩色の琉球王朝の物語。 舞台は宮廷、宦官のフリをする少女、碧眼に霊力を宿す王の姉、薩摩の武士、紫禁城を追われた本物の宦官... テイストはシャングリラと同様。限りなくアニメに仕上がってます。
できることなら、是非こちらもアニメ化していただきたい。 実写はまず無理だと思いますんで....。…




ダメ男が奮起して英雄になるっていうパターン化されたお話だけどそこはドン・ウィンズロウ。 一筋縄ではいきません。 気分転換にもってこいの一冊。
海兵隊あがりのしけた泥棒ティムは服役中、ギャング ヘルズエンジェルズのリーダーを殺してしまい、塀の中…




球体の蛇とは"ゾウをこなしているウワバミ"のことらしい。 要するに"何か大きなもの"を呑み込んで、お腹がはち切れんばかりになっている蛇、のこと。 この物語において"何か大きなもの"とは"嘘"である。
さて、球体の蛇って、なんだろって思っていたら、冒頭の星の王子様の引用。"ゾウをこなしているウワバミ"…