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tin

tin さん

本が好き! 4級
書評数:9 件
得票数:6 票

ドストエフスキー、カフカ、フォークナーが好き。
第一次と第二次の両大戦間の英米文学が好き。
東欧と、ラテンアメリカの文学が好き。
ニューウェーブSFが好き。
重いライトノベルが好き。

書評 (9)

ばいばい、アース〈4〉今ここに在る者

  

ばいばい、アース〈4〉今ここに在る者

ここと「カオス・レギオン」がこの作家の曲がり角だったなと思う。 第1作「黒い季節」は、ピカレスクロマンのど真ん中に超能力少年が落ちてきたという話。 2作目のこれはマイナスのもの「悪」や「死」や「暴力」にもそれぞれ理由があるのだが、少しづつ止揚して前に進もう、という話。 第3作の「カオ・レギ」は、主人公がそもそも墓掘り人のワンマンアーミーが、悪の道に落ちた親友かつ超能力者を正義のために撃つ、その途中悪役や殺し屋が出てきたけれどもそれぞれに理由があって、100%の「悪」や「死」や「暴力」はなく、それぞれ必然性があったんだと描かれている 次の「マルドゥック・スクランブル」で始めて100%の悪役が出てくる。 次の「シュピーゲル・シリーズ」では完全に勧善懲悪の物語になり、「天地明察」に至っては、「悪役」すら出てこない。 ここで初めて冲方丁はブレイクする。 ベストセラーには「悪役」はいらないということらしい。。。。。

投票(0コメント(0)2010-11-28

私と悪魔の100の問答 Questions & Answers of Me & Devil in 100 (100周年書き下ろし)

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私と悪魔の100の問答 Questions & Answers of Me & Devil in 100 (100周年書き下ろし)

いや、やっとデータが入ったね。よかったよかった。 あまり萌えキャラではない女子高生と、、自分からは一言も喋らない腹話術師の人形が延々と語り倒すだけの本だが、とにかく哲学的な深遠重厚な問答と、ノリツッコミの軽快なコントの軽さが、混在していて、読んでいていてぐるぐるする。だがこのぐるぐる感がいい。世界がちゃんと意味が通って首尾一貫しているのが好きな人は避けた方がいい。しかし世界とは、実はけっこういい加減で出鱈目だよな~と思っている人にはぜひお勧めしたい。

投票(0コメント(0)2010-11-11

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>

  

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S>

私は、はっきり言って、現在、入手困難な状態にある、上遠野浩平の「鉄仮面をめぐる論議」しか読む気がなかったのだ。しかし、それは「史上最強の人間」のスケッチに終わっていて、残念(ここからネタバレ)しかし、その「史上最強の人間マイロー・スタースクレイバー」の能力が、冲方丁の「蒼穹のファフナー」の、人類の敵役、フェストゥムと同じだというところが、物語作者としての、上遠野の邪道ぶりと冲方の正道ぶりを現わしていて面白い。(ネタバレ終わり)しかし、このアンソロジーで、上遠野のスケッチに肩を並べるだけの面白さを持っているのが上田小夕里の「魚舟・獣舟」と桜場一樹「a」のだけてゃ如何なものか?(注:評者、つまり私は、SFでは、ニューウェーブとその周辺の女性作家-ティプトリーとかル・グィンしか評価したません。そのバイアスを頭に入れた上で、この文章を読んでください) しかし、それにしても、このサイトは、すでに発売済みの、上遠野浩平の「私と悪魔の100の質問」を、なんでデータに入れとらんのじゃーーーっ!!!!!

投票(1コメント(0)2010-11-10
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