ばいばい、アース〈4〉今ここに在る者

ここと「カオス・レギオン」がこの作家の曲がり角だったなと思う。 第1作「黒い季節」は、ピカレスクロマンのど真ん中に超能力少年が落ちてきたという話。 2作目のこれはマイナスのもの「悪」や「死」や「暴力」にもそれぞれ理由があるのだが、少しづつ止揚して前に進もう、という話。 第3作の「カオ・レギ」は、主人公がそもそも墓掘り人のワンマンアーミーが、悪の道に落ちた親友かつ超能力者を正義のために撃つ、その途中悪役や殺し屋が出てきたけれどもそれぞれに理由があって、100%の「悪」や「死」や「暴力」はなく、それぞれ必然性があったんだと描かれている 次の「マルドゥック・スクランブル」で始めて100%の悪役が出てくる。 次の「シュピーゲル・シリーズ」では完全に勧善懲悪の物語になり、「天地明察」に至っては、「悪役」すら出てこない。 ここで初めて冲方丁はブレイクする。 ベストセラーには「悪役」はいらないということらしい。。。。。











