家守綺譚
震災の時に「大自然の驚異と人間の非力さ」に打ちのめされて、今度はパンデミックとは言葉にならない。ペストを再読しようにも入手困難、此岸と彼岸・かはたれどきとか何とも心落ち着く美しい言葉が懐かしく思える。
本が好き! 1級
書評数:784 件
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活字中毒です。年代に応じて、本屋や図書館で目に付いた本や書評で気になるものを読みます。読んで気に入れば、その作者の本を飽きるまで読みます。ベストセラーより奇妙な味の本が好きです。
震災の時に「大自然の驚異と人間の非力さ」に打ちのめされて、今度はパンデミックとは言葉にならない。ペストを再読しようにも入手困難、此岸と彼岸・かはたれどきとか何とも心落ち着く美しい言葉が懐かしく思える。
個人的な印象ですが、日本人の奇才・天才なら「南方熊楠」と「白川静」が思い浮かびます。ビッグ3とかなぜ3なのか疑問ながら、もう一人は誰なのだろうと想像して楽しんでいます。賢治も当然候補者の一人です。
文化とか文化人とか、多様化の時代に現在迷走中と思える。一昔前は「文化人」と称する人が一般大衆を導くみたいな勘違いが横行していた。それでも本も文化も時代が求めるものは、それなりに需要があると思いたい。
自分が死ねば世界は消滅する。幸福を願う他者が存在しないなら、何人巻き添えにしようと問題ではない。むしろ世界を破滅させたい。この虚無感に対抗できる思想や宗教はあるのだろうか。人間そのものが諸悪の根源か。
15の春ー思春期の出口のない闇、過ぎてしまえば幻。学校に行けない最貧国の子供と飽食の日本の不登校、どちらが不幸なんて問いが不毛すぎる。大人への通過儀式は必要、とりあえず「一人暮らし」で自立する事かな。
1922年の旅行日記、今から約百年前の日本や日本人が的確に描写されていて驚きました。日本人は自国が大好きで清潔、個人より組織等々、国民性みたいなものは歴史・風土等で長い時間軸で形成されていくのを実感。
正月は「冥土の旅の一里塚」どんなにあがいてもゴールは死でしかない。「話せばわかる」なんて噓、言葉を話せぬペットがこれ程増えたのは、不毛な対話に厭きたから。それでも仙人になれぬ人間は他者を求める悲しさ。
荒俣宏の本をネット検索して購入。若い頃は「男と女」とかごく普通に興味が存在したはずなのに、今は喪失感しかない。飽食の時代は性も食も、生きる事にも冷めてしまう。制約のない自由より抑圧こそ魅力的に見える。
個で生きる覚悟と老いる事に対峙する勇気。現在進行形で日本人に突き付けられた問題点、父母の世代は家や役割(らしく)で生涯を終われた。フランスはお手本になりそう、寂しさはあるが個で生きる事は清々しい。
エタ・非人や在日朝鮮人など被差別の成立と歴史、ヤクザとテキヤの類似と相違など「目から鱗」かなり明晰に理解できました。ある程度長く生きてきての感想は「人間てろくでもない生き物」不完全だから前途多難かも。
すべての根源は「自己愛」深く納得、ストーカーやDVしかり「母は強し女は弱し」これは神話でしかない。「ドーダ」教の信者としての人間、悲しいのか笑うしかないのか、まあその程度の存在でしかない。
「見る前に跳べ」そんな言葉に押されインドとか放浪した。あれから大分時間が過ぎ、世界情勢も変化して日本は豊かになり内向きになってないか心配でした。でもこの本や例のバッタ本でマニアックやオタク進化に安心。
冒頭の「クローンの7条文」とアシモフの「ロボット三原則」の対比が悩ましい。法は破られるために存在し、遺伝子操作などの科学の進歩に人間は適応できていない。
SFという分野が「人間が月や火星に行く」とか「ロボットや人工知能」など「明るい未来」の預言書に思えた…
ハンニバルのレクター博士が生きたまま脳を食べるシーンが、現実に可能とは「人体の不思議」を痛感しました。人生50年の時代から人生100年「生老病死」四苦の概念も大きく変化して、体の知識は必要と実感。
母と子だから成立する物語だと思う。親の介護で直面した世界、胃瘻等である種の工場のような病院、きれいごとでない現実。当事者以外話せないし、虚無感しかない。ガイドラインは必要、みんな条件は同じだと思う。
面白かったけど、ちょっとくどい。世の中はバカばかり、過去の戦争・現在の紛争・国連等々が同じ構図に見える。神ならぬ人間は「金・色・名」欲望に囚われて生きる、悟れるなら「ヒトでなしの世界」になるか納得。
犯罪者やホームレス・引きこもりの何パーセント位が障害者なのだろう。幼児を虐待する者は虐待された経験者じゃないのか、負の連鎖に虚無感しかない。親族が対応できない時、他人に何ができるの悲しいが無力感のみ。
タイトルからパラレルワールドものと想定、ただあまりに詰め込みすぎで少々疲れた。ここまで過剰てんこ盛りは「大食い・食べ放題」嫌いな精進派には胸焼けしそう。訴訟社会の警告文の長さは時代の要請かもしれない。
還暦を越して振り返ると、十五歳位が知力的にはピークで「これから半世紀生きるのか」なんて。色々あったけれど過ぎた昔は全て「悪い夢」なのかもしれない。後悔のない人生なんてありえない。余生は読書三昧とする。
人間の脳の精密さは天文学的スケールで、それ故ほんの少しの狂いで想像を絶する症状が出る。幻肢の真逆で四肢切断願望等余りに荒唐無稽で衝撃的です。普通である事がいかに奇跡であるか、天才と狂人は紙一重なのか。