繁盛させたければお客様の声を聞け!―カレーハウスCoCo壱番屋 成功の秘訣
飲食業に関することが書かれているが全ての業態に通用するセオリーを感じた。昭和53年に1店舗しかなかった時期売上高は1,505万円。ここから現在のような展開は本人も描けていただろうか。素人ならではの戦略と著者は言ってるが、数多い飲食店の中から自店を選んでいただいたお客様への感謝の気持ちがここまでの成功を導いたのではないか。この業界が楽しくてたまらないと感じ潜在的に才能を感じた著者。大株主であるハウス食品のカレーを売ってるだけという話もあるが、シンプルな経営戦略に類なき成功が秘められている気がする。本書のなかで紹介されているエピソードが素晴らしい。「イエローハット」を展開する鍵山社長は「小さな物事の価値を知ること」。そのためには「平凡なことを非凡に努めること」。これは単純で単調でごくありふれたこと、やっても見栄えもしないし、人からも認められにくいことを大切にすることである。例えば掃除である。2時間半ほどかけてする。誰もができることで特別な才能は入らないが毎日やり通すことができる人はそういない。この非凡さは掃除を通して、より深く真理を追究する姿勢にあるということである。これこそ宗次社長の原点ではないか。