養老先生、再び病院へ行く
2020年に心筋梗塞を患った養老先生と、その主治医である中川恵一医師との対論集。
養老先生のお姿を初めて目にしたのはNHKスペシャル『驚異の小宇宙 人体II 脳と心』という番組…
本が好き! 1級
書評数:382 件
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村上主義者。
2020年に心筋梗塞を患った養老先生と、その主治医である中川恵一医師との対論集。
養老先生のお姿を初めて目にしたのはNHKスペシャル『驚異の小宇宙 人体II 脳と心』という番組…
トップアスリートたちの試行錯誤に、じっくりていねいに伴走する平松の、それでもたしかな足どりに、ぐいぐいと引き込まれてしまった。
平松洋子といえば「食」をテーマとしたエッセイの印象が強い。スポーツとは縁遠いイメージがあるが、…
帯文にあるように、たしかにこれは〈新しいスタイルの発達障害本〉である。――などと、短絡に思いつつ読み進めていたわけだが、第II章からの展開に、びっくりしてしまった。
昨年、わが子が「発達障害」の可能性があると診断された。本人はもちろんのこと、親である私にとっても「…
『LIFE SHIFT』で「人生100年時代の生き方」のリデザインを提唱してきたリンダ・グラットン氏。彼女が考える「新しい働き方」とは?
リンダ・グラットンは、少し前に紹介した『LIFE SHIFT』の著者の一人です。彼女は現在、ロ…
安西水丸さんが東京のあちこちを歩き、印象に残った風景をイラストとともにつづったもの。加えて、自作の俳句が添えられているのも嬉しい。
2014年に急逝した安西水丸さんは、晩年まで精力的に仕事をこなしていた。それらは死後、『東京美女散…
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』の読解については僕も一家言あるのですけど、佐藤さんのこの本を読んで、新たな視座を獲得できたように思います。
『ねじまき鳥クロニクル』の読解については僕も一家言あるのですけど、佐藤さんのこの本を読んで、新たな視…
本来の読み方とは違うのかもしれませんが、僕はこのアーレントの本を「行き過ぎた資本主義の末路」という観点で読みました。
アイヒマンはナチの上級将校で、ホロコーストへのユダヤ人の移送を指揮した人物です。戦後、彼の裁判…
信州大学経済学部で行った近現代史の講義録。池上さんの著作は何百冊も出版されているわけですけどこれは超お薦めです。
池上彰さんの著作はもう何百冊も出版されていて、正直、どれも似たような内容なわけですけど、これは…
『マークスの山』『レディ・ジョーカー』などで知られる作家、高村薫さんの時評集です。
『マークスの山』『レディ・ジョーカー』などで知られる作家、高村薫さんの時評集です。『サンデー毎日…
まずは新シリーズ幕開けのご挨拶といったところ。今後の展開が楽しみ。
西尾維新のデビューは2002年。メフィスト賞を受賞した『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣…
川端の描いた「日本」とは、死者の視点から見た風景だったのか。
作家・佐伯一麦と小川洋子との「川端康成」をテーマにした対談集。僕は川端の熱心な読者ではないので…
柚木麻子さんによる林芙美子作品の選集です。昭和初期、戦中、戦後すぐの女性の生き難さのようなものを見事に表現しています。
『ナイルパーチの女子会』などで、女子の生態を、毒のある筆致で描く柚木麻子が、『放浪記』の林芙美子…
美学者の伊藤亜紗先生と介護の最前線で働く村瀨孝生さんとの往復書簡集。二人のやり取りを通じて「介護の本質」が浮き彫りとなります。
これは掘り出し物でした。すごくよかった。伊藤亜紗さんは東工大で教鞭をとる美学者です。アートと身…
職場の「心理的安全性」とは、たんなる仲良しクラブのことではありません。
「心理的安全性」というのは〈対人関係においてリスクのある行動を取っても、『このチームなら馬鹿にさ…
俳優・水谷豊の半生は、そのまま昭和、平成、令和時代のテレビ芸能史とも重なる。
僕らの世代にとって、水谷豊さんといえばやはり『熱中時代』の北野広大先生ですよね。正直、ストーリ…
飄々とした語り口ながら凄みを感じさせる名優の履歴書。
昨年(2022年)、日経新聞に掲載された「私の履歴書」をまとめたもの。表紙を開くと、舞台『ヘン…
灯台のように聳える異形の書舗「弔堂」――一度訪れてみたい。
京極夏彦の小説を初めて読んだのはデビュー作『姑獲鳥の夏』だった。たしか刊行されて間もない頃…
『西の魔女が死んだ』の梨木香歩による書評集――ではあるが「ハンセン病と自由について」という小文がひときわ印象に残る。
『西の魔女が死んだ』の梨木香歩による書評集。 梨木のセレクトは、海外文学や児童文学が多め。「…
いしいひさいち先生が自費出版までして世に出した作品。笑えます、泣けます。
いしいひさいちといえば、僕らの世代だとテレビアニメ化された『がんばれ!!タブチくん!!』『おじ…
第168回芥川賞受賞作。久しぶりに真っ当な、ストレートな、小説らしい小説を読んだ。
第168回芥川賞受賞作。舞台は仙台市の沿岸にある荒浜地区。東日本大震災発生時、いち早く速報…