ノンストップ!




『殺す警官』や『覗く銃口』のサイモン・カーニックの邦訳3作品目となる本作は、冒頭からタイトル通りノンストップな展開で読者を一気に物語の中へと没頭させてくれます。 何故親友のジャックは数年ぶりの電話の先で殺されたのか。 そして何故、死に際に自分の住所を何者かに告げたのか。 これだけでも掴みはOKと言えるかも知れないですが、読者に何故の嵐を告げるのはまだまだこれから。 行方の分からぬ妻。 妻の職場でトムに襲いかかってくる謎の男。 トムに無実の殺人の容疑をかける警察。 などなど、著者が仕次へ次へと読ませる仕掛けにハマればもう最後まで一気読み確実です。 何者かに追われるトムの視点と、自殺とみられる状況で死亡した主席判事の事件を調査していた国家犯罪対策局(NCS)のマイク・ボルト警部補、そしてトムを追う謎の殺人者の三人の視点で追われる物語は、徐々に様々な真実が浮かび上がってくるカタルシスも得れて、ノンストップサスペンスを読む楽しみを満喫させてくれます。 ただ・・・最後はなんとも言えないモヤモヤ感も残してくれます。 この辺もサイモン・カーニックらしいといえば言えるのではないでしょうか。 このモヤモヤ感は、もしかしたらどの作品もリンクしているというカーニック・ワールドの他の作品中で明かされるかも知れませんね。 という訳で著者の未訳の作品の紹介が待たれるところです。
投票(0)コメント(0)2010-08-02


