Yes・yes・yes





17歳。高校生の途中で、自分に何もないことに気づき、自己破壊を求めて「この街」まで落ちてきて、男娼として生活していく という主人公の一人称小説。章によっては三人称。主人公は別にゲイじゃない。 14章あって、1章1エピソード形式。どれもよかったけど特に「ノスタルジア」が好き。 こんな小説あったのか、と思った。知らないだけでいろいろあるんだよなあ…と思った。淡々とした独特の語り口のような文章で、好き嫌いは分かれそうだと思ったけど私は好きでした。少し時代を感じる。本当におもしろかったです。最初カバーの装丁にぎょっとしたけど、そういう禍々しさはない。装丁とタイトルと同性愛ってことで手に取られづらかったりするんだろうか、と少し思うんですけど、同性愛に抵抗がなければ読んでほしいと思う。読んでいると、こんな文章書いてる作者は…といらん想像しかけるがあまりにも野暮ですね。あと、概要説明のような雰囲気の小説ではない、と私は思いました。



