オーウェルの薔薇

よく生きる、あるいはよく抵抗する
1936年にオーウェルが自宅の庭にバラの苗を植えたという事実をとっかかりに、オーウェルの人生、思想だ…

本が好き! 1級
書評数:161 件
得票数:1136 票
猫と本が好き。海外文学と人文系の書物を読みます。星はつけていません。

よく生きる、あるいはよく抵抗する
1936年にオーウェルが自宅の庭にバラの苗を植えたという事実をとっかかりに、オーウェルの人生、思想だ…

無意味な戦いのやるせなさ
元々は1991年に出版された『アフガン帰還兵の証言』(邦訳は1995年)に、その後に起こされた裁判の…

多くの人に読まれてほしい
"La plus secrète mémoire des hommes"で2021年のゴンクール賞を…



人はどうして旅に出るのだろうか
オーストラリアの作家ミシェル・ド・クレッツァーの初紹介の作品である。ド・クレッツァーはスリランカ生ま…

試みよ、もっと変異を増やせ
考えてみると驚くべきことだ。DNAの塩基配列はAGCTという4種類の文字列、音楽は12個の"音"、言…



ヨーロッパ人であるとはどのようなことか
『雨に打たれて』は1908年生まれ、1942年に自動車事故が元で没したアンネマリー・シュヴァルツェン…





時を超えて過ぎ去った時間を蘇らせる一冊
薄紙に包まれた美しい佇まいの本である。 開くと端正な飾り文字(カリグラフィ)の学名と採取場所が…

気づきを誠実に行動に結びつけた等身大の人間
マリオ・バルガス=リョサがノーベル文学賞を受賞した2010年に発表された小説の邦訳である。 本…

一気読み必至。二人の母親の叫び・慟哭が胸に迫る
アイスランド東部の人里離れてポツンとある農場。夫婦が切り盛りしている。真冬の雪嵐が吹き荒れる中、一人…

奇想天外な物語の底に流れる、小説、小説家とは何であるかという思索
『永遠の家』はエンリーケ・ビラ=マタスの日本では翻訳4作目となる、ゆるやかな連作短編集である。ビラ=…

「AIと病弱な少女との交流を描く感動作」と思いきや不気味な恐ろしい物語
雑貨店のウィンドウで外を眺めるクララは型落ちの人型ロボットだ。しかし、クララは並外れた観察眼と共感力…

メキシコ第二帝政を世界的な視点から描く壮大な小説
メキシコ第二帝政(1864-67)で皇帝となったマクシミリアンとその妃シャルロッテの悲劇を、ナポレオ…

ストレートなパンデミック小説ではないが、やはり今コロナ禍で読みたい一冊
シェン熱と呼ばれる感染症が猛威を振るう世界。NYの出版製作会社の聖書部門で働くキャンディス・チェンは…

哀しみから生まれた怪物
著者はバグダード生まれのアラビア語作家だ。 舞台は2005年のバグダード、自爆攻撃や対立する宗…

『失われた時を求めて』への愛に溢れた良質な入門書
フランスのリセで文学を教えている著者の著作を、日本を代表するプルーストの訳者である高遠さんが訳したと…

ディストピア小説とラブコメを合体させると...
近未来のアメリカ、独裁政権が軍事化を進め、人々は信用から性的魅力まで、あらゆる面で数値化され評価され…

20世紀以降の東欧文学のブックガイド
ずっと手元においておきたい本。できれば、何年か毎に改訂してほしい。 いわゆる東欧(中欧)諸国だ…

おかしうてやがて哀しき
子供の頃から月に憧れていたオモンは宇宙飛行士になった... 一見荒唐無稽な物語に見せながら、読…

明日の朝は何色だろうか
薄い本だ。小品といってもよい。そこに書かれたシンプルな物語が読者に届ける教訓は重い。 抑圧はさ…

他者のまなざしが深みを与える冒険物語
「千夜一夜物語」の翻訳者として知られる19世紀イギリスの冒険家リチャード・バートンの生涯をモチーフに…