マンガ家が描いた失語症体験記―高次脳機能障害の世界
福元のぼる・福元はなの『マンガ家が描いた失語症体験記』(2010年5月 医歯薬出版)という本を読みました。副題に「高次脳機能障害の世界」とあります。 マンガ家・福元のぼる氏と妻はなさん夫婦が二人三脚で乗りこえた「愛」と「涙」と「努力」の9年間のリアルな闘病生活が胸に迫ってきます。 人間にとってほんとうに「大切なもの」を気づかされたような気がします。脳梗塞という病気を発症したことで失語症というコミュニケーションをとるうえで大切な言語能力に支障が生じてしまいます。数年に及ぶ血のにじむような必死のリハビリテーションも100パーセント回復までは至りません。 夫婦で語る「できなくなった事よりできる事をみつけて生きていこう!」という最終章での前向きな決意表明には感動します。 福元氏のこころの内面を素直に4コマ漫画で表現してくれることで、同じ病と闘っている人やサポートする家族を励まし、勇気づけ、取り巻く日常のコミュニティーを俯瞰的に捉えることで大いに役立ってくれる本だと思います。
投票(0)コメント(0)2010-07-14