私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏
書店、出版取次、出版社、編集者、そしてライターへのインタビューを通し何故本屋でヘイト本が並ぶのかを明らかにすようとする。
嫌韓反中などのいわゆるヘイト本が本屋で平積みされているのを目にし、著者は不快を感じる。在日コリアン…
本が好き! 1級
書評数:103 件
得票数:981 票
ライフワークの沖縄関係を中心に人文系を読んでいます。
書店、出版取次、出版社、編集者、そしてライターへのインタビューを通し何故本屋でヘイト本が並ぶのかを明らかにすようとする。
嫌韓反中などのいわゆるヘイト本が本屋で平積みされているのを目にし、著者は不快を感じる。在日コリアン…
津島佑子後期の転換期を示す代表作。
戦災の記憶が未だ残る東京で母親と二人で暮らす十二歳の少女「ゆき」と、先の大戦の被害者である父親と二…
「最初は売れないだろうけれど、ずっと我慢し続ける。それを理解する勇気が必要なのだ」
鬱屈とした20代を過ごし、みんなと同じ働き方はあきらめ30歳を迎えた著者は、仲の良かった従兄の突然…
それまで息子の喪失体験を書き続けてきた著者が、母を失う息子と設定を転倒させているが、単にそれは主客が逆転されたのではない。
優れた小説作品がそうさせるように、読書の途中でグイグイと引き込まれ、時間の経つのも忘れ、結果夜を通…
津島佑子にとって、「夢」はかろうじて生きること=書くことの総体その自由度の謂である。
津島佑子にとって、「夢」は文学手法ではない。作品のテーマでもない。それはかろうじて生きること=書く…
著者にとって「抽象性」があることが文学の必要条件であり、なおかつ、それとは逆説的にアクチュアルであることが伴っていることが絶対であった。
著者の散在したこれまでの書評を集めた本書は三部構成で時系列が攪拌されている。そこがニクい。私はⅡ部…
「カント通り」「カール・マルクス通り」「マルティン・ルター通り」・・・というようにベルリンの通りの名前が各篇についた短篇集。
「カント通り」「カール・マルクス通り」「マルティン・ルター通り」・・・というようにベルリンの通りの…
住まいと支援サービスを独立させ、無条件で先にアパートを提供する支援を行う。
ホームレス状態にある人への我が国の支援は、集団生活をし、まずは治療を受け、就労支援を受けて、社会の…
平安時代の王朝物語「夜の寝覚め」を現代語で改めて書くというアイデアに読者はじりじりとつきあわされる。
我が子の突然の死という事態に向かい、作家は書く行為に跳躍の可能性を望む。平安時代の王朝物語「夜の寝…
「風景」から眼差しを返されながら生活してきた人々の変わってしまう姿に「小さく驚く」こと。
親しい間柄、大切な人間関係だと思っていても、月日の経過にしたがって相手へのその思いがもはや希薄にな…
エイゼンシュタインは原作のプロット展開の遅さをモンタージュ技法で解消し、スティーブンスは撮影技法によって〈社会〉よりも〈世界〉を表現した。
本書はアメリカ文学と映画についての17個のアダプテーション研究論文が集録されている。アダプテーショ…
記憶と夢と現実世界との混交によって生み出される世界で、改めて見出される弱者やマイノリティへの倫理性。
本書は2016年12月11日にかつて若き津島佑子が在学した白百合女子大学で開催された追悼シンポジウ…
『岸辺の旅』で脳裏について離れない浅野忠信のパッと消えるラストの「ぶっきらぼう」さに観る者は不意打ちをくらう。
『岸辺の旅』で脳裏について離れない浅野忠信のパッと消えるラストについて、蓮實重彦は次のように指摘し…
面接で会社の志望動機を訊かれ続ける就職活動中の学生は、「動機をきちんともたなくてはならない」と信じようとさせられている。
演劇を教える/学ぶ社会 平田オリザ 平田オリザは演劇を日本の教育に取り入れる実践において…
「理想と現実」という対立項の元で、いかに生きるべきかが問われている。
「哲学」とはなんだろうか。わたしは「哲学」のなにが気になって本書を手に取るのか。「第1章 生の逆転…
夢の記録は「現実」ではない。それは「現実」よりもリアルである。
「夢の記録」 急死した息子ダアが夢に現れる。夢の中なので一人称のわたしも周囲の誰もそれが…
なんのために、われわれは本を読みたい、対話をしたいと求めるのだろうか。
ヨーロッパ哲学には3種類あることから本書は始まる。第一に、ソクラテスによる「問答」の哲学、「知の吟…
時を超えてわたしたち現代の読者までもが「哲学」の誕生に立ち会う。
わたし(たち)が知っているソクラテスとはプラトンの著作に登場する「哲学者」のイメージとしてある。わ…
「考えることは、人間の義務でもなければ、原初的な欲望でもない。しかし、あるショックを受けたとき、人は思考しないではいられなくなる」。
なにやらビジネスパーソン向けの手っ取り早い指南書の装いであるが、正真正銘大澤真幸社会学の一冊である…
「ぼくは仕事をやめ退職し、どこか人間として生きる権利を獲得したような自由さを感じている」。
本書は「暮らしのノート」という個人誌の最新版をまとめたものである。もともとは若き著者が日本列島放浪…