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kakko さんは退会されました
kakko

kakko さん

本が好き! 4級
書評数:12 件
得票数:1 票

読んだり書いたりしながら考えたことの記録です。読んだ本の内容をどんどんと忘れてしまうので、備忘録でもあります。

書評 (12)

ジェイン・オースティンの読書会

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ジェイン・オースティンの読書会

大分前に、プレゼントされてた本なんですが、オースティンが書いたわけでもないし、となんとなく読み損ねていました。ところが、読んでみるとこれが面白い。読書会に集う人達を順繰りに描く短編小説の連作といった構造なのですが、一つ一つの話が面白くて、読ませるのです。さらに登場人物それぞれの話が深まったところで、読書会の場面になると、私たち、という一人称複数でやりとりが描かれます。最初は、誰が語り手?と違和感があったのですが、段々と読んでいるうちに、読者である私自身も読書会に参加しているような気がしてくるのです。それで、「私たちはそれぞれ、自分だけのオースティンを持っている」という冒頭の意味は「あなたのオースティンは?」という問いかけでもあるんだと気づかされました。私自身は比較的脇に甘んじているブルーディのエピソードがとても好きです。オースティンの6作の中では「自負と偏見」「分別と多感」ほどの展開がなく、真面目と評された「説得」が一番好きです。

投票(1コメント(0)2010-06-17

石垣りん詩集

  

石垣りん詩集

石垣りんさんの詩、「くらし」で、私の、詩への興味は開かれました。 十四歳から定年まで、複雑な家庭にあって、家庭を守りながら仕事をし、そして詩を書き続けたこの詩人は、生きることの苦しさ、それを跳ね返す「実存的(としかいえないような)生活実感」、を鈍器のように言葉にして詩を書き続けていかれました。 「その夜」が最近のお気に入りです。

投票(0コメント(0)2010-06-17

食堂かたつむり

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食堂かたつむり

料理がとっても美味しそう!! 料理本も出ているんですね。 人物造形やストーリーはちょっと弱い、気がします。 わたしは「おかん」こそが「エルメス」を屠殺すべきないんじゃないかなって、それが一番気になりました。 信州? かどこかの日本の田舎が舞台なようです。映画になったらしいので、日本の田舎と、その雪景色と美味しそうな料理と可愛いお店、を映像で見てみたいです。

投票(0コメント(0)2010-06-17

私たちがやったこと

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私たちがやったこと

表題作の冒頭、「安全のために、私たちはあなたの目をつぶして私の耳の中を焼くことに合意した」というのが、端的にこの本の核となるところを表現しているようです。愛の純度を高めようとどれだけ二人が努力しても、世間は忍び込んでくるもので、どんな愛もゆっくりと変わっていかざるを得ない……というかんじの短編小説集です。現実的な細部を排した、幻想的な書き方なのですが、内容にはとても実感がこもっていて、日々当たり前に起きていることを題材にしているように感じます。その生々しい感触がとても痛くて、怖かった。「悲しみ」が一番印象に残りました。「彼女」に残された人々の悲しみを書いているようで、実は「彼女」を旅立たせたのは「私たち」なのです。だから悲しみは、私たちに跳ね返ってくるわけですが、それを感じないように皆でひたすら空港へと出かけ、帰ってくるはずのない彼女を迎えに行くという。(怖いよう~。)印象に残った場面がたくさんあります。

投票(0コメント(0)2010-06-17
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