無想庵物語

「失敗した作家」武林無想庵とは何か? 山本夏彦は彼とどう関わったのか? そして哀切と屈託が交錯する文章の味わい。
《芥川・谷崎に勝る博識で「日本のアナトール・フランス」と呼ばれ、文学的成功を願いながらも、無軌道な生…

本が好き! 1級
書評数:80 件
得票数:811 票
毛鉤釣り師兼ロックンローラー(ベースギター担当)。二児の父。読売巨人軍と埼玉西武ライオンズファン。サッカーはジュビロ、FC東京、アルビ新潟などを重点的に応援。世間に向けた表向きの職業はプランナー&コピーライター。

「失敗した作家」武林無想庵とは何か? 山本夏彦は彼とどう関わったのか? そして哀切と屈託が交錯する文章の味わい。
《芥川・谷崎に勝る博識で「日本のアナトール・フランス」と呼ばれ、文学的成功を願いながらも、無軌道な生…





長年、〝嘘〟に苦しめられてきた天才・萩尾望都。今度こそ「大泉解散」が封印されて欲しいものである。
読み始めたら、やめられなくて引き込まれるように読んで、結局一晩で12万字を読み終えてしまった。おかげ…





子どもの頃、グリム童話で知ったハーメルンの笛吹き男の伝説に、歴史的・民衆史的なアプローチで丹念に迫る一冊。匠の技をみるような心持ちの読後感を味わった。
数十年読もうと思ってそのままになっている本というのが何冊かある。本書はそのうちの1冊だった。先月、最…




実は名族がまだまだ多い「百人一首」をもっと深く知りたい人に。
コロナ禍で物思いにふけることが多くなったせいか、最近、古代~中世までの短歌が気になっている。で、仕事…





作者と読者、双方への愛情に溢れた出版社の良心を感じる1冊。歩くこと=日常がこれだけ物語に満ちているとは!
最近、NHKでTVドラマ化された亡くなった谷口ジロー氏の名作が、全エピソード収録&カラーページ再現の…





新訳にかける訳者と編集者の思い。新書3冊分ぐらいあるこのぶ厚さは彼らの情熱の熱さ。もはやこの本自体が「文学」だ。
「光文社古典新訳文庫」がスタートした時、「光文社が古典? どうせ続かないだろうな…」なんて舐めていま…




自己パロディ的な展開が随所に織り込まれた村上春樹の遊び心あふれる短編集
村上春樹6年ぶりの短編集が出たので短編小説家としての村上ファンの私は当然発売日に買って読んだ。今回は…




ひさしぶりに「豊饒の海」再読中。やはり物語的には『奔馬』が面白い。
新型コロナ感染拡大が深刻化しつつあった3月上旬から再読を始めた『豊饒の海』。学生時代は1〜2巻を文庫…





1976年生まれの現代アーティストのジェド・マルタンが、2046年に70歳で死ぬまでの物語。第二部では作者ミッシェル・ウエルベック自身が登場する。
1976年生まれの現代アーティストのジェド・マルタンが、2046年に70歳で死ぬまでの物語。第二部で…





乱の背景から勃発、闘いの経緯、後世への影響まで....最新の研究成果を盛り込みながら「承久の乱」の真の姿を浮かび上がらせる
先日の新天皇即位で古代天皇制の終焉としての承久の乱に思い至り、先週から本書を読み始めたのだが、読書に…

ラディゲが病床で校正した「批評校訂版」を底本とした初の翻訳
首都圏を台風19号が襲来している最中、本書を手に取った。 フランス心理小説の極北であり終着…





戦国から平和な時代へ。変革期を生きた武将たちの栄光と零落を松本清張ならではの深い人間観と伶俐な筆致で描いたアンソロジー
先日、三谷幸喜監督「清洲会議」をテレビ放映していて、放映前の番宣で三谷監督自身が「丹羽長秀がこれだけ…




国際情勢を読み解く指標が網羅された12章
新学習指導要領でも「統計」「データ」教育が重視されるようになった。ネット経由で膨大な情報が入手できる…



土地の風景・自然と人との歴史にまつわる物語から「ハビタ・ランドスケープ」が見えてくる
人間は棲むために土地と関わりを持つ。土地と人為の関わりの中からたちのぼってくる光景が、著者が規定する…

知的に生きたいと願う高校生、大学生のみなさんにはぜひ手に取っていただきたい1冊。でも中高年にも多くの示唆を与えてくれます。
先週末のツイッターでは、エンジェル投資家の瀧本哲史さんが亡くなられたことへの衝撃と哀悼の言葉が、老若…

社会の不平不満を弁舌巧みに一刀両断する”カリスマ”的存在が国民を分断し、一党独裁ファシズム体制へと至る道を独文学者が考察
本書の著者である池内紀はフランツ・カフカやギュンター・グラスの翻訳で知られる独文学者で歴史の専門家で…





危険きわまりない底なし沼のような今村ワールド。
芥川賞を受賞した今村夏子さんのデビュー作。 受賞作を読もうと思ったのだが、ネットでリサーチするとこ…




べらんめえな喧嘩口調で友の死を悼む。終戦直後の世情と人々の考え方がわかる歴史資料としての一面も。
新潮社からはもともと『不良少年とキリスト』という戦後すぐに書かれたエッセイを収録した単行本が発刊され…





アイリッシュ『黒衣の花嫁』の換骨奪胎の倒叙形式のミステリー。エンディングは悲劇か?それとも救いか?
山本周五郎の、何度も映画化・テレビドラマ化された人気ロングセラー作品だ。 令和になって、新潮文庫で文…




毎年、愛用させていただいております。データ集としてはもちろん、読み物としても楽しめる
毎年献本でいただいている「日本国勢図会」が今年も届いた。ありがとうございます。 この「日本国勢図会…