ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人
映画を補完するエピソードや映画でしか描かれなかったシーンの発見が楽しい
結婚を間近に控え準備に忙しい神尾真世のもとに一通の電話がかかってくる。生まれ故郷を管轄する警察署から…
本が好き! 1級
書評数:1209 件
得票数:19349 票
山口での単身赴任を終え大阪に戻りました。これからは通勤時間を使っての読書が中心になります。
映画を補完するエピソードや映画でしか描かれなかったシーンの発見が楽しい
結婚を間近に控え準備に忙しい神尾真世のもとに一通の電話がかかってくる。生まれ故郷を管轄する警察署から…
時間と共に薄れゆく感動を真空パックする
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久…
富小路公子の真実は何なのか?
ビルから転落死した深紅のウェディングドレスを着た女。それは真っ赤な花が落ちたようだという。女の名は富…
独立した小さなさざ波が、いつしか繋がり合い、ひとつの波に変容していく
「家庭」や「家族」と聞くと穏やかで温かい、いつ笑顔が耐えない。誰しもそんなイメージを自然と持つのでは…
凡人が天才を殺す武器。それは多数決。
仕事をしていて、時に悔しい思いをすることは誰もが経験することがあるだろう。「なんで言いたいことがうま…
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたるためしなし
2015年から2020年にかけて朝日新聞に掲載されたショートエッセイ。1頁にまとめられたエッセイなの…
宗教と経営。異質のようで極めて親和性のある両分野を結びつける刺激的な一冊
他国とビジネスをする上で、交渉相手が信仰する宗教を理解することが極めて重要である。人々は信ずる宗教の…
『当たり前のことであるが、歌麿の女を歌麿以外の人が表すことはできない』(巻頭言より)
江戸時代に女性の大首絵や美人画で絶大な人気を誇った喜多川歌麿の作品の中から100点を選りすぐった豪華…
胸がチクチクするほどの想い。それが大空を翔ぶ少女の原動力となった。
少女の肩の上にチョコンと座っている小さな黒子。まわりの人々には見えないが彼女にだけは見える。ある時自…
上野の森美術館『五大浮世絵師展』の予習としてどうぞ
今年のNHK大河ドラマは江戸時代の版元・蔦屋重三郎を主人公にした『べらぼう』である。ドラマの盛り上が…
「正しさ」に厳格な数学は、同時に「美しさ」も持っている
実験室で観察される様々な現象を、数式を用いたモデルで表現し、条件変更やプラント実装のための未来予測を…
「おれは、描きたい物を描くために、東海道を描いてやらぁ」
絵画には格というものがある。物語のなかで版元が広重に放った言葉を引用しよう。 『たしかに画に…
言葉で100パーセント気持ちを説明するのは不可能だ。でもそれは言葉が無力だということではない。
言葉にまつわる11のテーマについて、俵さんがその想いをぶつけたエッセイ集。言葉は完璧なものではないこ…
『あなたがいたから僕がいた(郷ひろみ)』が仏教の教え"空”と繋がっていたなんて
無職になり、離婚して虚無感いっぱいで実家の布団に包まっていた著者を救ってくれたのが東洋哲学だった。西…
リベラル・アーツによって生まれながらの初期設定から脱却して自由になろう
大学で学ぶべきものは二つある。一つは自らが選択した専門領域の学問であり、もう一つが人を自由にする学問…
会いたくて 淋しい・・・あなたに会いたくて淋しい・・・会えなくて淋しいのではなく・・・
「月が綺麗ですね」 I Love Youの日本語訳で最も有名なフレーズであろう。時間や季節…
小説とエッセイの強烈なギャップ。彼女の脳みその中を覗いてみたい。
2012年から2022年のあいだに、様々な雑誌や新聞に綴ったエッセイたち。相変わらずのはっちゃけぶり…
美人絵の裏に潜む人間の真実をあぶり出す
先日、TV番組で喜多川歌麿の世界を観る機会があった。そこで、歌麿の美人絵の目鼻を切り取り、福笑いのよ…
お腹が空いている時に読んだら非常に危険なエッセイ集
もともと食品加工機械メーカーの社内ホームページに寄稿されたエッセイとのこと。こんな素敵なエッセイを社…
平安日記文学の傑作が江國香織の現代語訳で蘇る。
NHK大河ドラマ『光る君へ』の最終回、まひろに向かって源氏物語を興奮気味に語っていた少女がいた(まひ…