女ざかり (文春文庫)




新聞コラムをきっかけに論説委員を追われそうになった女性記者の奮闘物語 政治権力や新聞社組織内部の細かい力学を浮かび上がらせる丸谷氏の作家的構成力ならびに筆力に脱帽しましたよ、私は。いやほんと
大新聞に所属する女性の論説委員・南弓子が、あるコラムをきっかけに政府与党から圧力がかかり、「閑職」に…

本が好き! 2級
書評数:9 件
得票数:126 票
佐野白羚です。肩書は、中等遊民の著述家としておきます。
読んだものを記録に付けるという、書き手としては好ましい習慣があるので、この場で細々続けられれば幸いと思います。似たような精神性向の方があれば、知己の如く声をかけてください。あと「文筆武者修行」という読後録中心のブログを定期的に書いています。下の方にURLありますよね。白羚的宇宙に興味あらば何としてもヘヴィーリーダーになってください。奇人変人に限って歓迎いたします。
「文筆武者修行」
http://sanobarou.hatenadiary.jp/




新聞コラムをきっかけに論説委員を追われそうになった女性記者の奮闘物語 政治権力や新聞社組織内部の細かい力学を浮かび上がらせる丸谷氏の作家的構成力ならびに筆力に脱帽しましたよ、私は。いやほんと
大新聞に所属する女性の論説委員・南弓子が、あるコラムをきっかけに政府与党から圧力がかかり、「閑職」に…




哲学者ベルクソンの考える「自由」とはどのようなものか。人間は社会の「型」や「惰性」のなかにあっるせいで、本来の高い知的パフォーマンスを発揮できていないのではないか。自由を語るなら一読してみたい一書。
キーボードの前にチンパンジーでも座らせて「無限の時間」むちゃくちゃに叩かせると、そのうち必ず『ハムレ…

存在そのものが詩であるような美少年。 美少年は薄命でなければならない。美少年は墜落しなければならない。美少年は矛盾の身体美そのものでなければならない。エロ文豪はその事を知っていたのではありませんか。
美少年とは何か。これは極めて難しいけれど大変麗しい問題だ。一度は落とし処をさぐっておきたいテーマでも…


ネットゲームの世界に居場所を求める人々の実態。 寝食を忘れて何かに夢中になれるのは素敵だ。けれども個人的には、何かの分野で廃神になるのなら、思索廃神とか活字廃神と呼ばれるものになった方が良いと思う。
ネトゲ廃人。一時期「社会問題」のような形で話題になりました。あれからも課金制のゲームなんかが次々出て…




海辺に生きる不可思議奇妙の生物たち。 よくよく見てみると海辺が未知の領域に思えてくる。 こういう生物図鑑を眺めていると、呑気であることに敬意を抱いてしまうね。
人間も余りあるほど変態な生物だけれど、地球とりわけ海辺には今日も、実に奇妙で実に見定めがたい生物たち…



そもそもジョークとは何か、洒落とは何か、笑いとは何か。そして人はなぜ懲りずにジョークを言い続けるのか、その心理的効能は如何なるものなのか。古今の色々のジョーク例を参照しながら比較分析される。
ジョークとは何か。 ジョークらしいものを終日垂れ流す人々は少なくないけれども、ジョークについて…




文豪が教える文章作法。書くのが苦手の人は一読する価値有ります。
谷崎潤一郎による文章読本は、書かれてから八十年近く経ついま…




元祖エッセイあるいは日本流ダンディズム作法の書。 俳優として一九六〇年代のヨーロッパに長期滞在した伊丹十三が現地で見聞したあれこれが軽妙な文体で綴られ、それは時々気障っぽく時々辛辣(野暮な体言止めだ)。
すでに物故した人ですが、「マルサの女」なんかの映画監督としてよく知られている伊丹十三が若いころ綴った…




戦場の砲弾に当たり、耳も鼻もそがれ手足も切り落とされれ「生きる屍」となったジョニー。無力の極限に喘ぐ彼の内的独白は、言語化不可能な怨念と混じり合って、読者の精神の奥深くを浸食する。
トランボの『ジョニーへ戦場に行った』と江戸川乱歩の怪作『芋虫』の間には、ある明らかな共通項があって、…