走れメロス
太宰らしい隙のない文体で、私は創作意欲をそそられます。
完璧な短編小説。人間として生まれ、生きている以上、一篇はこういう小説をしたためてみたいと、気をそそる…
投票(9)コメント(0)2017-04-22
本が好き! 3級
書評数:2 件
得票数:23 票
内外を問わず、いわゆる純文学の小説を読み漁ってきました。どちらかと言うと、やや幻想的な方が好きです。
谷崎は大体好き、川端は「みずうみ」と「禽獣」、三島は「金閣寺」、安部は「砂の女」、「他人の顔」、太宰は「走れメロス」と「斜陽」の前半。世界ではドストエフスキー、カルヴィーノ、ガルシア・マルケス、マンディアルグ、プルースト、ロートレアモン、ボードレール、ツェラン等々。
太宰らしい隙のない文体で、私は創作意欲をそそられます。
完璧な短編小説。人間として生まれ、生きている以上、一篇はこういう小説をしたためてみたいと、気をそそる…
たった一度の愛の告白を拒絶され、声を失った青年のセラピーを受け持つ「私」の格闘が、ストーリーの中心。「私」は青年の内面の暴君と闘ううち、声の本質について、日本の深い伝統の源にまで遡ってゆく。
たった一度の愛の告白を拒絶されたことによって声を失った青年と「癒しの家」で出会ったセラピストの「私…