不道徳教育講座
三島由紀夫の「品(ひん)」あってこそのエッセイ集。三島由紀夫以外が書いたら別に面白くもなんともない。
私にとっての初三島由紀夫は『豊饒の海』全四巻だった。『豊饒の海』を三島由紀夫の幹だとすると、本書『不…
本が好き! 2級
書評数:18 件
得票数:251 票
読書と旅が日常です。暮らすような旅、休暇のような生活をしています。イタリア、日本、東南アジアの三ヶ所が拠点です。『島嶼見聞録』しましまけんぶんろく(電子書籍) http://amzn.to/2mXPQBd の著者です。
三島由紀夫の「品(ひん)」あってこそのエッセイ集。三島由紀夫以外が書いたら別に面白くもなんともない。
私にとっての初三島由紀夫は『豊饒の海』全四巻だった。『豊饒の海』を三島由紀夫の幹だとすると、本書『不…
不気味なほどの分厚さ(ほぼ35ミリ)に悪魔を感じ、それを半日で読破するほどの面白さにも悪魔を感じる。
表紙デザインに魅せられたように感じたのも悪魔のせい?生き方、自己啓発系だったらイヤだなあと思いつつ、…
青い星地球の青い海も土が載せている。だから地球は土色(私はチョコレート色だとずっと思ってきた)の星だ。
土。 土は、様々な、いや、すべてのものを「載せて」いる。(易の教えでもある。坤(こん=地)の徳…
神様 仏様 とつぶやくそのわけは?
神様 仏様 とつぶやくそのわけは? 『神道とは何か』という書籍名でありながら、神様と仏様の関係…
まんがかぁ…実は私もそう思って本書を開いた。しかしそこには、原典に忠実な『古事記』を把握する、ストレスのない方法があった!
まんがかぁ…、まんがねぇ… 実は私も、最初はそう思った。しかし、本書の中には、原典に忠実な『古事記…
自然信仰も聖人信仰も、堂々と、遠慮せずに描写する。ブッザーティの描く、姿を持たない目に見えない「神」の「存在」と「不在」
『神を見た犬』に収録の22編の短編を読破した。ブッザーティは、目に見えない神を、堂々と描写する。作家…
真相は「藪の中」と言うけれど、ほとんどのことの真相は「藪の中」なのかもしれませんね…
真相は「藪の中」と言うけれど、この小説の真相のみならず、ほとんどのことの真相は「藪の中」なのかもしれ…
無謀にも『無門関』の書評を書くとは、門外漢の証(あかし)
こうして無謀にも『無門関』の書評を書くことが門外漢の証(あかし)だが…書いてみる 怖いもの見た…
善悪(陰陽)反転。芥川龍之介の容赦なきツッコミ『桃太郎』
善から見れば悪は悪で、悪から見れば善も悪になる。善悪(=陰陽)の基点、というものがもしあるとするなら…
「虚人」の「虚」の字にひそむ「七」という字
「虚」にひそむ「七」 実は、タイトル『虚人の星』があの「ちゃぶ台ひっくり返し」のタイトルの引っ…
見出しを眺めるだけで楽しい女性誌の構成の原点!?ちょうど100年前の主婦向け雑誌「主婦之友」
今からちょうど100年前 1917年2月に創刊された主婦向け女性誌『主婦之友 第一巻 第一號』の電子…
誰もが誰にでもなり得る。その希望めいた怖さ。
著者 平野啓一郎の「過去」と「未来」の見方が気に入っている。もっともこの主題は小説の背後に退けられて…
聖徳太子も注釈本を書いたという『維摩経』。仏教の経典がこんなに傑作で良いのでしょうか!?
1999年7月に、大正大学総合仏教研究所の学術調査団が、チベットのポタラ宮で貝多羅葉(ばいたらよう)…
「アートマン(真我)がマーヤ(幻影) - つまり片割れ同士 - と出会う」という主題を、イタリア人作家はどう表現したか
イタリア・ピサ生まれの作家アントニオ・タブッキ Antonio Tabucchi (1943-201…
四季を時間軸で切り取る清少納言のセンス
今から千年前に成立した、日本で最初の随筆文学『枕草子』。世界で最初の随筆文学であるとも言われている。…
聖地の「想像力」って何だ!?『聖地の想像力』というタイトルの意味は、聖地を知り、聖地に出かけてじわじわと理会出来る
実は、この本は、植島啓司先生の著書だという理由だけで買った。一時帰国の日本で、もう翌日にはイタリア(…
「森」から知ったこと
「森」から知ったこと 私のように海外暮らしが長くなると(イタリア・シチリア島に15年在住)、時…
「人生論」という叙述の根拠を、養老孟司先生の人生から掘り出した試み
「科学的」な叙述には根拠が求められる。根拠があり、伝達可能な叙述が「科学的」であるということだ。本書…