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チルネコ

チルネコ さん

本が好き! 1級
書評数:175 件
得票数:1078 票

アマチュアヴァイオリニスト。読書もしかり。
特にバロック音楽を聴くわけではないけれど、好ましく思う作曲家はヴィヴァルディ。クラシックや音楽に通じる書籍のレビューを参考にさせていただいてます。
文学では、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ナボコフ、チャンドラー、漱石、康成、直哉がお気に入り。
感銘を受けた書籍は「グレート・ギャッビー」「ロリータ」「ロング・グッドバイ」「山の音」「城の崎にて」

書評 (175)

尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし)

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尼僧とキューピッドの弓 (100周年書き下ろし)

多和田葉子がドイツから放った〈キューピッド〉のではなく〈弓道〉の〈矢〉は、彼女の直観(哲学的な意味での)を帯びて日本に居る読者の感情を正鵠に射り胸懐の変化を余儀なくさせた。

一読してハッとしてしまった。小説の構造的にも多和田葉子という作家のアビリティーの豊富さにも。とは云う…

投票(24コメント(0)2016-02-12

コズモポリス

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コズモポリス

形而上的な会話の応酬。思弁と観念の乱れうち。容易には読み進めさせてくれない現代米文学の曲者。しかしその筆致から繰り出される刺激的なセリフが、作者と対峙しているという読書の実感を味わわせてくれる。

『コズモポリス』は一見スペキュレイティヴフィクションのように思えてしまうけど、一読するとスリップスト…

投票(12コメント(0)2015-12-31

土曜の夜と日曜の朝

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土曜の夜と日曜の朝

労働者階級出身の作家が労働者の「土曜の夜」と「日曜の朝」を描いたピカレスク小説。ただの悪漢物語ではないのが本書のミソだ。正統なる誇り高き英国小説とは違った労働階級の匂い漂う英国小説。英国の懐は深い。

イギリスというとカースト制度のように明確な階級制度はなけれど、伝統的なというか習慣的な(?)階級の線…

投票(18コメント(10)2011-08-03

悪貨 (100周年書き下ろし)

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悪貨 (100周年書き下ろし)

タイトルにあるように〔悪貨〕、すなわち〔貨幣〕を主題にした小説だ。貨幣小説としては少し軽めだが、エンタメとしての面も備わっているからこのバランスでいいのかも。なにより作家の鋭利な着眼点に拍手したい

まず初めに一人のホームレスが朝ベンチで起きると足元に現金100万円入った封筒が置いてあることに気づく…

投票(19コメント(3)2011-07-23

カラヤンとフルトヴェングラー

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カラヤンとフルトヴェングラー

カラヤンとフルトヴェングラーという対照的な二人の興亡史とでもいいましょうか。クラシック音楽というより人間ドラマを描いているが、内容は薄っぺらいので参考程度に読む本にしかなりえない。

クラシックを聴く人はもちろん、聴かない人でさえその名は一度ならず耳にしたことがあるであろう〔皇帝〕カ…

投票(16コメント(6)2011-07-13

十三の呪 死相学探偵1

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十三の呪  死相学探偵1

今回はメタ要素こそなかったが、三津田信三らしく〔死相〕と〔怪奇現象〕をもって確かなミッシングリンクを演出してくれた。残念な箇所は多々ある。だが、この作家の遊びを発見する喜びは作品の優劣に関係しない。

本書の主人公・弦矢俊一郎は探偵事務所を構える青年であり、〔死相学探偵〕という肩書きにあるように「他人…

投票(11コメント(2)2011-06-17

ヘヴン

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ヘヴン

この作品のテーマはいじめだろうが、これは表現方法でしかないような気がした。それがいいか悪いか難しいが、本書のエッセンスは善と悪という哲学的なものなのだ。永井均が師であるいかにも川上未映子らしい内容だ。

川上未映子の作品が苦手という方は多いかも知れない。実は僕もそうだ。それは作品の内容というよりも、あの…

投票(16コメント(0)2011-06-14
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