オービタル・クラウド
おうち時間にぴったりなワクワクドキドキ、カタルシスを得られる冒険小説!
本が好き! 2級
書評数:70 件
得票数:334 票
本のない生活は想像もできない活字中毒者です^^/
好きな作家さんは数多なれど、更なる新規開拓を目指して濫読続行中です!
おうち時間にぴったりなワクワクドキドキ、カタルシスを得られる冒険小説!
18年は長い。正直、読み始めるまで怖かった。あの頃、十二国の世界で共に戦い喜び涙し、…そんな柔らかな心が自分に残っているのか?歳を重ね変化した自分の価値観と物語の世界観が再び共振できるのか?と…。
そんな不安は1行目を読み始めた途端、ぶっ飛んだ。 時を超えあっという間に十二国ワールドに戻っていた。…
現代と70年安保闘争が繋がった…。 歴史小説家の描く現代ミステリーは緻密で重層的でこの上なく読み応えあり。 俯瞰視点とバイアスのかからない歴史小説家ならではの作風が逆に時代の冷酷さと非情さをあぶり出す!
待ちに待ったあのバチスタスキャンダルの後日談!白鳥&田口コンビの東城大学物語は多々進んでいるにも関わらず、当事者の誰もがまるでタブーのように口を噤んだ「その後」。まさかこんなことになっていたとは…!
短編「双生」「星宿」「黎明」の3編と中編「氷獄」の4編からなる本書。 バチスタスキャンダルの後日談は…
人は生れ落ちる時、親を選べないように国も選べない。思想も社会システムも価値観も何もかも異なるかの国で生きる彼ら。それでも、我々と変わらないものも確かにある。
タイトルの「出身成分」とは北朝鮮の階層区分だという。最も優遇される「核心成分」、人口の半分を占める「…
2013年初出の2018年日本を舞台にした近未来小説。移民の大量移入でデジタル仮想通貨がもう一つの経済システムが出現。現実が小説に追いついていないと思わせるリアリティが真骨頂の藤井太洋さんの預言の書。
皆川博子さんの70~90年代の短編を集めた本作。誰しも心に隠し持つ小さな鬼や魔が魂を支配し始めた時…。妖艶で蠱惑的で背筋が凍り…のバラエティに富んだ16編。
タイトルと表紙デザインで「セレブを嗤う」的な内容を想像していたら、やっぱりそこは篠田節子さん、逆景表法違反でした!(笑)しっかりシニカルに、鋭く社会派の逸品集です!
セウォル号沈没事件を下敷きに、クローン技術を使った所謂甦りの物語。この事件の経緯が大半の頁が割かれていて、ある意味、昨今の韓国とのやりとりを鑑みても、かの国の国柄がよくわかる物語。
元記者の堂場さんの描く新聞記者小説はリアリティに満ちている。作中、元新聞記者でメディア研究者の語る隆盛期の回顧とこれからの新聞の在り方には滅びの美学、若手記者の希望は断末魔の叫び。読後感は物寂しい。
下巻に入ればもう頁を捲る手を止められない。ブラックユーモアを交えつつ戦争が人々に及ぼした諸々をシニカルに描き出す。本書で善なる存在は物言わぬ戦死者のみという驚愕。一風変わった反戦小説とも言えよう。
『その女、アレックス』のルメートルさんが第一次世界大戦下のフランスを舞台に。正直、食いつきがいいとは言えないが、上巻中盤辺りからもう目が離せない!戦争に戦勝国も敗戦国もない不条理さが語られていく。
「悪いことは重なる」とはよく言ったもの。全て自業自得で同情の余地全くなしのダメオヤジではあるのだが、恐ろしいことに「類は友を呼ぶ」でもある。
ニューヨークを舞台にした日本人男性とカナダ人女性のラブストーリー。波瀾万丈なのに静謐な印象が美しい物語。
人生の歯車が狂い始めた時、踏みとどまって軌道修正できた刑事・綾乃と転がり落ちて行った陽子。二人の心模様を追いかける本書。どちらが「勝ち組」かわからなくなる恐ろしい現代を描く逸品。
「わくわく!」という言葉はこの物語のためのもの!メインキャラクターがニューヨーカーではなくサンフランシスコ在住というのも、大学生ではなく社会に出て数年の若者たちというのも絶妙。本とデジタルの交差点!
文庫収録の『ソロモンの偽証』後日譚『負の方程式』が読みたくて。やっぱりイイ!!柔らかい心の年代に経験したことはオトナになっても刻みつけられている!
今どきの純文学ってこんな感じなんですねぇ。
シリーズ第1巻から14年の歳月を経て刊行された『イベリア』シリーズ完結編はまさに戦後処理。あまり小説になることのない第二次世界大戦の欧州戦線とそこから見た日本、そして情報戦。全7巻の壮大なサーガだった
『犯罪被害者支援課』シリーズ第3弾。殺害された男性の中学生の娘は過去にも父親を殺されていた。そんな被害者遺族に支援課はどう向き合うのか?シリーズの中で最もミステリー色が強く安定した物語となっている。