最後に鴉がやってくる (短篇小説の快楽)
現実と夢とのあいだにあることば。
イタロ・カルヴィーノ『最後に鴉がやってくる』は、初期の短編集。初期のせいなのか、訳文のせいなのかわ…
本が好き! 1級
書評数:107 件
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詩集や同人誌に書かれた詩の感想を中心に書いています。
ときどき映画や美術展の感想も。
政治について、書くこともあります。
現実と夢とのあいだにあることば。
イタロ・カルヴィーノ『最後に鴉がやってくる』は、初期の短編集。初期のせいなのか、訳文のせいなのかわ…
ボーヴォワールとサルトルの違いは何か。
ボーヴォワールは、私の考えでは、二十世紀最大の思想家である。理由は簡単である。彼女のことばだけが「…
思想(ことば)を「具体的な存在」として向き合っている作品。
劉霞『毒薬』の感想を書くのは、非常にむずかしい。そこに書かれている「具体」は客観的な具体ではなく、…
「洗う」と「顕れる」
今井義行『Meeting of The Soul (たましい、し、あわせ)』は横書きである。私は横…
こんな小説が芥川賞なんて。
石井遊佳「百年泥」は第百五十八回芥川賞受賞作。若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」と同時に読んだの…
詩集と評論が一冊になった本なのだが。
草森紳一/嵩文彦共著『「明日の王」詩と評論』は嵩文彦の詩集『明日の王』と草森紳一の『明日の王』に対…
やっていることはわかるが、長すぎる。
若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」は第158回芥川賞受賞作。はっきり覚えていないが、選考会の一回…
音楽に関するアンソロジー
谷川俊太郎『聴くと聞こえる』について、私は、どんな感想が書けるだろうか。どんな具合に谷川俊太郎と出…
口語のリズム、スピードが楽しい歌集。
感想を書こうと思いながら、ふと見失った本。それが、ふいに出てくる。さて、書こうと思ったときと同じこ…
思い出が語りだすまで、静かに待っている詩集。
岩木誠一郎『余白の夜』の巻頭の「夜のほとりで」。 のどの渇きで目覚めて 台所に向かう …
読んでも何が書いてあるかわからない。読まない方がいい。
柄谷行人『意味という病』の批評がフェスブックに載っていた。全然わからない、というのである。たしかに…
「美しい」を「美しい」ということばをつかわずに書くのが詩ではないのか。
私は詩の好き嫌いが激しい。 福田知子『あけやらぬ みずのゆめ』は、最初の詩でつまずいた。「ふり…
読み出すと止まらない。
閻連科『硬きこと水のごとし』の帯には「エロ・革命・血笑記」と書いてある。「そそりたつ乳房、震える乳…
現代詩のルーツを探る、か……。
中原秀雪『モダニズムの遠景』(思潮社、2017年11月30日発行) 中原秀雪『モダニズムの遠…
市長の推薦のことばが気になるが……。
大倉元『噛む男』には大和郡山市の市長の「帯」がついている。私は「帯」に書かれていることなど気にしな…
存在のすべてが自己主張する詩。
ト・ジョンファン『満ち潮の時間』はアンソロジー。第一詩集の「みぞれ」は、こう始まる。 妹が…
最果の現在を一緒に生きている感じになる詩集
清川あさみ+最果タヒ『千年後の百人一首』は「小倉百人一首」を翻案したもの。清川あさみの刺繍(?)作…
「フワフワ」を別のことばで言うとどうなるだろうか。
福間明子『雨はランダムに降る』の中では、「夢の切れ端」の二連目がいい。 フワフワが恋しい …
「遠い」と「近い」が入れ替わる不思議な詩集。
田中さとみ『ひとりごとの翁』は読みにくい詩集である。文字が判型の本に比べると小さい。私は目が悪いの…
いのちに教えられ、いのちに帰る詩集。
新井豊吉『掴みそこねた魂』は、「主役」が他人のことが多い。新井自身を語るのではなく、新井が寄り添っ…