新復興論 (ゲンロン叢書)
潮目の町から復興をまなざすとき、そこに見えた光景と思想とは
1. 復興がもたらす喪失 「新復興論」という題名のとおり、本書は復興に関する新しい論…
潮目の町から復興をまなざすとき、そこに見えた光景と思想とは
1. 復興がもたらす喪失 「新復興論」という題名のとおり、本書は復興に関する新しい論…
自分に言及する恥ずかしさを通った先には何が
岡田麿里という名前を覚えたのは、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011年)というアニ…
ニセモノの人生に耐えられるか
『小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」: 世間に転がる意味不明』を愛読しているので、本書も出版時…
他者と出会って、自分の中に「愛の、発見?」をしたコマコのポートレイト
10年以上読み続けている作家が二人いる。一人は村上春樹で、もう一人は桜庭一樹だ。 桜庭一樹…
【畳む】:折る・閉じる・やめる・心に秘める・敷き詰める・積み重ねる・いためつける・積み重なる
試しに【畳む】の意味をインターネットで調べてみたら、上記のような多様な意味が見つかった。なんとなく、…
一人のミュージシャンとして、大人として、文筆家として、未来を担う「市民」であるために
幼少の頃から好きなバンドのボーカルだった。僕の世代では、ナルトを見て「遥か彼方」を口ずさみ、鋼の…
外の「世界」を描くとき
「誰かの祈りで目が覚める」 物語の始まりは、この言葉がつづられる。 そして、物…
外の国とつながるとき
外国に行ってみたいとずっと思っていた。いや、むしろ行くべきであり行かなければならないのだと思うよう…
猫の目に映った世界を人間が見たならば
夏目漱石 それから 大学を出たら働いて。そこそこの年齢になったら結婚して、子供を育てて。そ…
大切な何かを、誰かを、場所を、失ってしまったら、どうやって生きていけば良い?
どうやったら生きていける? そんな問いが根底にあるような作品だった。たぶん新海誠という人物の…
社会とココロのタガが外れてしまった世界の果てに
『虐殺器官』で驚かされた伊藤計画の発想は、まだかろうじていくつかの防衛機制が働いている現代社会…
本当の戦争の話とは戦争についての話ではない
冒頭で本当の話であると始めながら絶対的真実はないという。戦争の話とは、本当の戦争の話ではないと…
語りえないものを語るためには
人は自身が気軽に話せないことを話すためには、どのような手段を取るのだろうか。冗談でまぎらわすか。抽…
身体障害者の存在論から、社会における個人のあり方を探り出す
死は身体障害よりもましなものだろうか? 冒頭で身体障害をもつ著者はこう投げかける。 …
中国という独裁政権下の超自由市場の世界で生きるか、江戸という政治的自由の超平等主義劣悪労働下の世界で生きるか
とても刺激的な本です。 タイトルからして挑戦的な、多くの感情的な反応を呼び起こすであろう作…
愛するものが死んだ時には、自殺しなけあなりません。
愛するものが死んだ時には、それより他に、方法がない。 けれどもそれでも、業(?…
われわれにとって芸術の価値とは。
ポール・ゴーギャンの伝記をモチーフにして書かれた本作品。 ある日、妻子を捨ててパリへと旅立ち、…
暗黙の了解がわからないホールデン。でもいったい誰ならわかるというのか。
作者のJ・D・サリンジャーの代表作として、とても有名な本だ。 最初に読んだのは大学生のときだろ…