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献本書評

書評 鬼丸昌也さんの挑戦 テラ・ルネッサンス 2


鬼丸昌也さんの挑戦 テラ・ルネッサンス 2 相変わらずパワフルな鬼丸氏と「テラ・ルネッサンス」の活動に感動させられる。しかし、ちょっと「美談」ばかりに過ぎている気がしてしまった。。。
 「『心を育てる』感動コミック」も6冊目。此度の『テラ・ルネッサンスⅡ』を読んで、このコミックが目指しているものが分からなくなった気がする。
 これまで、私は、この【感動コミック】について、「面白い、独特な、興味深い人や組織を描いたコミック」という認識を持っていて、だから、「どうして、そういう人物・組織が成り立ったのか」に関心を持ちつつ読んでいたところがあった。

 最初に読んだ「美容室バグジー」は、まさにそんな展開で、「どうして、あの美容室は、成功したのか」という物語として素直に読むことができた。


 しかしながら、この「テラ・ルネッサンス」シリーズは、ちょっと違う。
 【Ⅰ】の時にも少し感じていたのだけれど、この組織に関しては、「この組織が、どうやって誕生して、どのように活動をしているのか」という、その組織そのものを描いているというよりも、「この組織は、なにに出会い、なにを見て、なにを提供しているのか」が描かれていて、「テラ・ルネッサンス」という組織そのものは、あまり描かれていない。


 確かに、描かれているエピソードは強烈で感動的だ。ニュースでさらっと語られる戦争・内乱・紛争が、それを聞く者と同じ「一人の命」にとってどれほど苛烈な事なのかを思い知る。また、【教育】の意味や意義も考えさせられるし、バングラディシュで始まった【マイクロ・クレジット】が、ウガンダでも行われている事は知らなかった。(ルワンダやカメルーンでも実施されているという)

 例えば、第2章は「元・子ども兵社会復帰支援プロジェクト」がテーマとなっている。11歳で誘拐され、12歳で初めて人を殺し、10年以上も前線で戦わされた兵士が、失明し村に戻ったものの、戦闘中の恐怖から眠れず、また、村人からは「人殺し」として差別されてしまう。そんな彼が、「テラ・ルネッサンス」の支援のお陰で、英語を学び、玄関マットを製作する技能をも手にいれる。そして、同じような境遇にある人と出会い、その人を支援するまでになる。彼は、信じる事の強さや、自分の人生を生きる事の素晴らしさを伝えてくれる。

 このエピソードは、それ自体とても素晴らしいし、感動的だと思う。ただ、私としては、ここに登場した「テラ・ルネッサンスの支援」が、どういう経緯で成立しているものなのか?も、知りたい。

 支援の内容は書かれている。
★必要最低限の食料と医療の供給。
★カウンセリングによる心理的な支援。
★基礎教育をはじめ、技能教育による能力向上に関する支援。
★そして、技能を活用するためのマイクロクレジットによる収入支援。
 このステップが、困難な状況にある人々を救っている。

 では、これらの支援は、どのように調達されたのだろう?金銭的な部分はもちろんの事、食料を調達する事からその調理管理、そして医師の手配は?高度な教育が必要なカウンセラーは、どうやって見つけ出すのか?技能教育ができる教官だって、その場所だってどうやって見つけるのか?

 「テラ・ルネッサンス」という組織が、人々にどんな光明をもたらしているのかよりも、私は、鬼丸氏をはじめとする彼らが、どんな努力をしているのか、それが読みたい。ホームページに行くと、インクカートリッジや書き損じたハガキを募集している事が書かれているが、その事、つまり活動資金の調達に関して、この本では1ページほどしかない。


 (あえてこう表現するが)「美談」はけっして悪くない。けれど、少なくとも私は、それがどうやって成立し維持しているのかを知りたい。比較するのは、鬼丸氏に対して失礼かとは思うが、それこそ、現政権が無闇に配る資金が「こどもの未来」を輝かせるにしても、その原資が「未来からの莫大な借金」であるのは認め難いことなのと同じで、「どうやって成立しているのか」にこそ「美談」の本質があるとも思う。


 このシリーズ、まだ続きそうなので、【Ⅲ】では、この辺りに期待しておきたい。それはなにより、「テラ・ルネッサンス」に協力できるのなら、そうしたいからだ。
レーティング:
掲載日:2010/06/22
ニックネーム: みかん星人 レベル: 本が好き! 1級

分野を問わず、好奇心の赴くまま、同時に数冊を読み進めてしまう、しかしながら、恐ろしく遅読のおぢさん。

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この書評へのコメント

  1. No Image

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『鬼丸昌也さんの挑戦 テラ・ルネッサンス 2』の本が好き!書評

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solis

トップに出てきた女性の不幸はインパクトがありましたが、後半は「テラルネッサンス」ががんばっているよというだけで伝わりませんでした。ちょっと残念。

 |  書評を読む(1330文字)  | 書評者 / solis
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rachel

自殺をする前にすることがある。

 |  書評を読む(583文字)  | 書評者 / rachel
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Mart

世の中には、悲惨なこと、理不尽なことが多すぎる。確かに一人一人の自覚と努力で、改めて行かねばならない、と確認させてくれました。

 |  書評を読む(610文字)  | 書評者 / Mart
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みかん星人

相変わらずパワフルな鬼丸氏と「テラ・ルネッサンス」の活動に感動させられる。しかし、ちょっと「美談」ばかりに過ぎている気がしてしまった。。。

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Gori

まずは、最初に出てきた答え「僕には何もできない」があって、それを前提として、何もしないのではなく、「自分のやれるかぎりのことをすればいいんだ……」!

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イソップ

ある程度知っていることを確認しながら読みましたが、 あらためて、彼の生き様から学ぶことがたくさんありました。

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Taka@中小企業診断士(業務休止中)

NPO法人テラ・ルネッサンスの活動意義がよく分かります。大人の方には鬼丸昌也さんの著書と併せて読んでもらいたいですが、是非、小学校の図書館などにおいてもらいたい一冊です。

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甲斐小泉

今時の若いもんはというのは悪い意味に使われることが多いですが、この本を読んで「今時の若いもんは大したものだ」と思いました。胸えぐられるの力量も良かった。

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takemaster

ウガンダで行われている元・子ども兵の社会復帰支援事業を運営するNPOテラ・ルネッサンス。理事長の鬼丸昌也さんが辿ってきた軌跡に心が奮い立たされます。

 |  書評を開く | (外部ブログ)  | 書評者 / takemaster
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本宮とが

今回も感動できました。ありがとうございました。

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mummykinoi1970

ぜひ、第1巻とあわせて読んでいただきたい! 明日に希望を持てる「リアル」ストーリー。

平均レーティング

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