書評 修道女フィデルマの洞察
- ピーター・トレメイン
- レビュアー: 風竜胆
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才色兼備の修道女フィデルマが活躍する歴史ミステリーシリーズの一冊。日本には「巫女萌え」と言うのがあるらしいが、欧米には「修道女萌え」というのがあるのだろうか?
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才色兼備の修道女フィデルマが活躍する歴史ミステリーシリーズの一冊である「修道女フィデルマの洞察」(ピーター・トレメイン/甲斐萬里江:東京創元社)。
舞台は7世紀中ごろのアイルランド。このころのアイルランドは、4つの王国と、それらを統治する大王領の5王国に分かれていた。ヒロインのフィデルマは、これらの王国の一つモアンの先王の姪で、現王の妹だが、古代アイルランドの法典である「ブレホン法」を極めて、ドーリイー(法廷弁護士)として上から2番目のアンルー(上位弁護士)の資格を得ているという設定である。この権威は高く、上位の王や小王と同格と見なされ彼らに直接会うことができるだけではなく、その上位にいる大王とも自由に話ができるという。
この作品は、フィデルマが遭遇したり、解決を要請された5つの事件を扱った短編集となっている。収録されているのは以下の5編。
・毒殺への誘い
ムスクレイガの族長ネクトーンの宴の最中に彼が毒死する。招待された7人は、彼に恨みを持つ十分な理由があった。
・まどろみの中の殺人
修道士ファーガルにバードブという娘を殺した疑いがかけられる。彼は、殺された娘の傍らで、ぐっすりと眠りこんでいるところを発見されたのだ。
・名馬の死
ラーハン国王の騎手が死体で発見され、馬も瀕死の状態である。容疑者として、王とそりの合わないブレッサル司教が逮捕されたが。
・奇跡ゆえの死
大西洋に浮かぶ小島で、修道女が転落死を遂げた。実は彼女は、大王の王女で、アード・マハの女子修道院長であった。
・晩禱の毒人参
フィデルマの所属する修道院で、シローンという客人が死亡した。修道院の薬剤担当者によれば毒死だそうだ。
いずれの作品も、フィデルマの見事な推理を楽しめるだけでなく、7世紀頃のアイルランドの様子なども窺い知ることができ、読み飽きない。
ひとつ疑問なのは、どうして、王女のフィデルマが修道女となる必要があるのかということだ。別に修道女にならなくても、華麗な王女のままで法律家として活躍させた方が、話がずっと華やかになると思うのだが。日本には「巫女萌え」というのがあるようなので、もしかすると欧米には「修道女萌え」というのがあるのだろうか。修道女の被り物の下から、ひと房の赤毛が常にこぼれ出ているような表現があるが、もしかして、これが「萌え」ポイントなのかもしれない。レーティング:


掲載日:2010/07/30
本好き。献本歓迎します。暇があればジャンルを問わず本を読んでいます。読むのはミステリーが多いですが、書評はどちらかと言えばアカデミックなものや、ビジネス関係が得意かもしれません。専門は工学関係ですが、経営学や経済学も勉強しました。合格した資格試験は、80以上。「文理両道」を目指しています。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:320
- ISBN:9784488218140
- 発売日:2010年06月20日
- 価格:924円
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『修道女フィデルマの洞察』の本が好き!書評
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才色兼備の修道女フィデルマが活躍する歴史ミステリーシリーズの一冊。日本には「巫女萌え」と言うのがあるらしいが、欧米には「修道女萌え」というのがあるのだろうか?
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現代の世にフィデルマのような法律家がいたならば、どれほどこの社会が違っていたろうか。裁く者も護る者も、かくあるべしと思わせる珠玉の短編集。
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【ネタバレ注意!】
自分の価値が45頭の乳牛だったら・・・
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古代アイルランドを舞台に、王女にして上位弁護士である修道女フィデルマが名推理を働かせる歴史ミステリーシリーズの日本オリジナル短篇集第2弾です。フィデルマが信仰と法の狭間で悩む作品もあり、味わい深い一冊になっています。
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こぼれる赤毛がキュートな美少女修道女の冒険。入門編として未読の読者にもオススメ。
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