夜愁
- 東京創元社
- 348
- 9784488254056
- 4488254055
- 2007年05月01日
- 924円
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献本情報
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概要説明
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「半身」「荊の城」に続く、待望の最新作
1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。ウォーターズが贈るめくるめく物語。ブッカー賞最終候補作。
時は決してさかのぼれない。だが、もしも……?
物語を始めるのは、ひとりの女性のつぶやき。屋根裏部屋にひっそりとたたずみ、もの思う彼女の目に映ったものは――
サラ・ウォーターズ。
その名前が、わが国の読書界に広く知られるようになったのは、彼女の作品が初めて翻訳紹介された、2003年のことでした。
その翻訳第一弾、サマセット・モーム賞受賞作である『半身』は、人々に驚きと興奮を持って迎えられました。そのことは年末の各種ベストで、同書が数々の栄冠に輝いたことからも裏づけられています。
翌2004年に紹介された第二弾、CWA(英国推理作家協会)ヒストリカル・ダガー受賞作である『荊の城』もまた、同じように熱狂的な好評を持って受け入れられました。これらの作品を読み、その虜となった者は誰しも、次なる作品の刊行を待ち望んでいたことでしょう。
そして2007年。ついに満を持して、彼女の最新作をお届けできるときが来ました。その作品こそが、これからご紹介する『夜愁』The Night Watchであります。惜しくも受賞こそなりませんでしたが、かのブッカー賞最終候補作である本書は、間違いなくサラ・ウォーターズが全身全霊をかけてあらわした、たいへんに力のこもった傑作です。
本書は設定の段階でいくつか、既刊の二作品と異なる点を見いだすことができます。最大の相違点は、『半身』『荊の城』がヴィクトリア朝のロンドンを舞台としているのに対し、『夜愁』で描かれるのは同じロンドンでも、1940年代のロンドンだということでしょう。
1940年代といえば、第二次世界大戦のあった時代。わが国と同様、イギリスも戦火の影響をこうむらずにはいられませんでした。『夜愁』でも、戦争の影が登場人物たちに、さまざまな形で投げかけられています。
そして、ウォーターズの魅力といえば、その流麗な筆はこびもさることながら、息づかいすら聞こえてきそうな登場人物たちの描写も挙げられるでしょう。本書に登場する人々――ケイ、ジュリア、ヘレン、ヴィヴ、ダンカン等々――は、決して超人でも、数奇な生涯を送るわけでもありません。あくまで、さまざまな境遇のもとで市井に生き、同じ戦争を経験した人たちです。戦争が、そうした彼らの人生をどのように変えたか。あるいは変えなかったのか。
その点もまた、本書の読みどころであります。
運命に翻弄される、多彩な登場人物たち。ときにしめやかに、ときに大胆に戦中・戦後の日々を生き抜く彼女たち、彼たちが夜の果てに見いだしたものとは――
サラ・ウォーターズが贈る、めくるめく夜と戦争の物語。
『夜愁』は、2007年5月30日刊行予定です。
※献本は、上下2巻をセットにしてお届けします。
『夜愁』の本が好き!書評
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↓最後まで読んだら、もう一度最初から読み始めてしまうこと間違いなし。
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↓抑制された文体の裏側に、実に深い心の澱が描き出される、とても深い味わいの佳作。
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↓【ネタバレ注意!】
1940年代のロンドンを舞台に描かれる、戦争、愛情、そして、人間の誰もが心の深層に秘めている闇の部分、、、歳月を遡って明かされる事実。深い深い物語の愉しみ♪
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↓たっぷり堪能いたしました。
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↓これまでと違って抑えの効いた、哀愁漂う作品でした。
サラ・ウォーターズの上手さが際立ってました。
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↓ものすごくセカセカ読まされたのですが、セカセカ読んでしまったことで猛烈に自己嫌悪に陥らされました。
私自身の品性の卑しさを暴かれたような気分です。
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↓【ネタバレ注意!】
ミステリーと思って読むと肩透かしを食うかもしれません。第二次大戦下に生きる人々――とりわけ同性愛者たちの群像劇として読むと、ずしりと心に響くものがあります。【読了時間:11時間40分/680P】
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↓一人静かに落ち着ける時間が必要です。
弱い部分を揺さぶられます。
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↓【ネタバレ注意!】
お世辞にも明るいとは言い難いものでしたが、素晴らしい小説でした。もう一度再読したいと思います。
『夜愁』のAmazon書評
- こんなにも瑞々しく、こんなにも無垢なものが・・・
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2年以上もたっているのでレヴューはどうかと思いましたがこれは美しいロマンスだと思いましたので別の立場から一筆。
サラ・ウォーターズの3番目の邦訳「夜愁」は「半身」「荊の城」のようにビアンが登場するので前作の強い先入観と本書の時間が逆行していくスタイルに始めは戸惑いを感じました。
戦争中のロンドンの生活がきめ細かく描写されていて当時のロンドン市民の温もりと息遣いが随所に感じられる「人間」の物語です。
第二次世界大戦下のロンドン、5年目に突入したドイツとの戦争で決定的な勝利の兆しが見られない英国、ドイツ空軍の連夜の空襲で火の海となったロンドンで生きていく4人の女性と3人の男性の物語です(登場人物はもっと沢山いますが)。
ケイ、ジュリア、ヘレン、ヴィヴのどんなに激しい愛でもシャボン玉のように壊れやすく結局は空襲の街のように簡単に崩れるものだと思いました。
1944年の章では全般をとおして空襲で…
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:この書評は役に立った 0人中0人 | 書評者 /parakeet 2009-10-07
- ブッカー賞最終候補作らしい佳品
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「半身」「茨の城」でこのミス一位を2年連続でとったサラ・ウォーターズの3つめの邦訳です。第二次世界大戦中・後を舞台に、現代から過去へとさかのぼる構成で、複数の人間の心の闇を丁寧な筆致で追っています。本作もこのミスにランキングしているので、それを見て購入を検討される方もいるかもしれませんが、この本はミステリではありません。ミステリの要素はあるのですが、シリアスな文学作品と思った方が実際に近いです。
イアン・マキューアン「アムステルダム」やカズオ・イシグロ「日の名残り」などが受賞したブッカー賞の最終候補ですので、作品の質は折り紙つきですが、普段ミステリなどの純エンターテイメント小説やハリウッドなどの娯楽映画しか見ないという方は、楽しめないかもしれません。純文学小説やヨーロッパ映画なども好き、救いのないものでも良いものは良い、などという方にはおすすめです。
ですが、まったく面白くないのかとい…
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:この書評は役に立った 3人中2人 | 書評者 /カスタマー 2009-05-06
- 小説の醍醐味が十二分に味わえます。
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戦中戦後のロンドンを舞台に様々な人が織りなす群像劇。内容をシンプルに要約すると、たったこれだけの話なのである。だが、それがこの作家の手にかかると、目にも鮮やかなアラベスクのように入り組んで絡み合い、読み応えのある一級の作品に仕上がっているから素晴らしい。まず目を引くのが構成の妙だ。本書は大きく三つの章に分かれている。だがそれが時系列順に配されるのではなく、1947年、1944年、1941年と過去に遡る配列となっているのだ。だから、まず結果が示される。それぞれの人物たちがどういう境遇にいるのかが描かれる。読者にとってみれば、結果がわかってしまっているのだから、本来ならその先を知る必要はないのだ。だが、本書はそこから過去に遡ることによって、いったいこれらの人物たちに何があったのか?という興味でグイグイ読ませてしまうのである。男装の麗人であり、ミステリアスな存在として登場するケイ。二人で同居しレ…
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:この書評は役に立った 19人中16人 | 書評者 /ベック 2007-06-18
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