風少女
- 東京創元社
- 284
- 9784488459055
- 4488459056
- 2007年03月01日
- 680円
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概要説明
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青春ミステリーの傑作が20年ぶりによみがえる
赤城下ろしがふきすさぶ、寒い2月。父親の危篤の報を受けた斎木亮は、前橋駅に降り立った。そこで初恋の女性の妹・川村千里と偶然に出会う。彼女の口から初めて聞かされる、姉・麗子の死。睡眠薬を飲んで浴室で事故死、という警察の見解に納得のいかない、亮と千里は独自に調査を開始する。最近まで麗子と付き合いのあった中学時代の同級生を、訪ねるが――。著者の地元、前橋を舞台に、一途な若者たちを描いた青春ミステリの傑作。約20年ぶりの大幅改稿で贈る決定版。著者あとがき=樋口有介/解説=法月綸太郎
『風少女』の本が好き!書評
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↓樋口有介の描く、一見バラ色に見える青春と言う言葉の裏に潜む、挫折や嫉妬といったものを描いたミステリー。
「風少女」(樋口有介:東京創元社)、いい題名だ。なんとなくさわやかな青春小説を連想させる。確かに登場するのは、20歳そこそこの若者が中心であり、ヒロインの川村千里などは、高校2年生だから、青春小説ということにはなるだろう。しかし、さわやかさだけを求めて読むと、かなり思惑が外れる。一見バラ色に見える青春と言う言葉の裏に潜む挫折や嫉妬といったものを描いたミステリー小説だからだ。
主人公の斎木亮は、義父の葬儀のため故郷に帰るが、駅前で偶然に、中学時代の初恋の相手川村麗子の妹である千里と出会った。麗子は、そのへんのきれいな娘などはだしで逃げ出すような、並はずれた美人であったが、1週間前に、ア…
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↓さわやかな青春ミステリです。
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↓【ネタバレ注意!】
本格ミステリィにはない、独特の雰囲気をもった作品。
懐古の念を抱きながら行動する様は、自分に重ねてしまう部分もあるだろう。
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↓高校時代に憧れていた同級生の事故死を知らされた主人公が、その「似合わない死に方」に疑問を持ち、故郷の町での調査を始める、甘くない「青春ミステリ」。
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↓殺人を絡めたお話なのに、どろどろとした暗い雰囲気も少なく、最後まで爽やかさを失わない。
とても読みやすく読後感も良い作品です。
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↓【ネタバレ注意!】
初恋の人って、自分の心の中であの時のままで生き続けるものだよなあ…。
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↓いい作品だと思うのですが、樋口作品としては、期待ハズレに終わってしまいました。
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↓第103回(平成2年上半期)直木賞候補作の再文庫化。
初版は1990年。かなり伊坂幸太郎チックです。早すぎた傑作。再文庫化の英断に拍手。
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↓嫉妬は男性だけではもちろんありません。
自分では気づかない部分を他人は嫉妬していることだってあるのです。その嫉妬がさまざまに入り混じってます。
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↓20年の時を感じさせない生き生きした文章。
読んで心地よいです。ちょっとレトロなところを探しながら読むのもまたひとつの楽しみ方かも。
『風少女』のAmazon書評
- 二十歳過ぎればただの人、されど地球は回ってる
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デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」を読んでよかったので、本書も読んでみました。携帯電話もインターネットも出てこないけど、とても17年前の作品とは思えない、よい意味で古さの感じない小説です。青春ミステリのカテゴリーですが、赤川次郎より少し大人向けという感じです。
主人公は21歳、年齢的には大人に少し足を踏み入れたものの、まだ大人にはなりきれず、そんな中、父親の死を乗り越え、過去と対峙しながら「今」と向き合っていく。読後感は爽やかで蒸し暑さも吹き飛びました。
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:この書評は役に立った 0人中0人 | 書評者 /仮面ライダースーパー10 2010-07-13
- 群馬県の風は冷たいです
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前橋(というか、T市を巡る群馬県の諸都市)の雰囲気で満ちています。それだけで個人的に星五つです。
樋口作品を読むのは「ぼくと、ぼくらの夏」に続いて二作目でした。
設定は近いところがあり、絶妙な会話も両作に共通するものなのに、あちらは夏で、こちらは冬の雰囲気を、本当にすごく的確に表現できていると思います。特に群馬県民であるところの僕は、群馬の風の身を切るような冷たさを終始想起しながら読み進めました。
地方の都市のどこか空疎な感じを、地方の都市に住んで居ない人でも感じられるのではないかと思います(自分のように地方の田舎に住んでいる人にも)。
樋口作品を何か読もうとしてこの『風少女』を選んだのは偶然でしたが、デビュー二作目のこの作品を二番目に読んだことで、今後自分が体験していくであろう樋口作品に対する自分の視点も幾分広がっただろうと個人的には思います。
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:この書評は役に立った 1人中1人 | 書評者 /blackboy 2008-11-22
- 樋口有介の「原点」
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樋口有介作品の最大の魅力は「語りと会話」にあると思います。
語り手は総じてクールでドライ。
屈折した物言いの中に諦念や自嘲をにじませながらも、
本当に大切なものは手放さない、という強固な意思を感じさせます。
そして、主人公と、味のある登場人物たちとの会話が実に秀逸。
ユーモアとウィットに満ちた会話は、いささか遊戯的ではあるものの、
主人公はそこで、冗談や軽口の衣にくるんだ本音も吐露します。
そのことにより、共同体から外れている主人公と、
生活や人生に縛られた人々とのズレや齟齬が浮き彫りにされ、
鮮やかな対照がなされる、という構造になっているのです。
ぼやき混じりの軽い語り口、というのはライトノベル隆盛の昨今、珍しくありませんが、
樋口氏ほど完成度の高い文体を持つ作家は、現在でも多くはないでしょう。
(私見では、米澤穂信氏が最も近いです)
また、ヒロインの人物像も、いわゆる「萌え…
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:この書評は役に立った 55人中30人 | 書評者 /カナン 2008-01-04
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