ぷるーとさん
レビュアー:
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郵便を配りながら作品を書き続けたブコウスキーの自伝的小説。
ブコウスキーは、ドイツ系アメリカ移民二世の息子で、父親がアメリカ兵としてドイツに駐留していたときドイツで生まれた。母親がドイツ女性だったため退役してからもドイツに留まったが、不況で仕事が見つからず、一家そろってアメリカに移った。
ブコウスキーは15歳のときから短編小説を書き始め、放浪生活を送ったり飲んだくれたりしていたが、30歳のとき初めて郵便局で働き始めた。この作品は、その郵便局でのとんでもない仕事っぷりを描いている。
「とんでもない仕事っぷり 」というのには、二つの意味がある。
ひとつは、その郵便局という職場がとんでもなくブラックだということ。12時間労働を当たり前にさせているし、上司の気に入らないと意地悪され放題。本当に、労働者の人権などまったく考えられてなどいない。
そういった意味では、この作品はプロレタリアート小説ともいえる。
だが、プロレタリアート小説というには、この作品、妙に明るいのだ。「とんでもない仕事っぷり」の二つ目のせいで。
ブコウスキーは、超過酷な仕事を押し付けられても、負けていない。しんどかったら勝手に休んじゃうし、上司の叱責も屁とも思っていない。配達先の女性と楽しんじゃったり、競馬にどっぷりひたったり。
過酷な仕事に押し潰されることなく、自分らしさを持ち続けたブコウスキー。誰もがそうできるわけではないから、彼のこの奔放さに我々はちょっと胸がすく気持ちになるのだろう。
ブコウスキーは15歳のときから短編小説を書き始め、放浪生活を送ったり飲んだくれたりしていたが、30歳のとき初めて郵便局で働き始めた。この作品は、その郵便局でのとんでもない仕事っぷりを描いている。
「とんでもない仕事っぷり 」というのには、二つの意味がある。
ひとつは、その郵便局という職場がとんでもなくブラックだということ。12時間労働を当たり前にさせているし、上司の気に入らないと意地悪され放題。本当に、労働者の人権などまったく考えられてなどいない。
そういった意味では、この作品はプロレタリアート小説ともいえる。
だが、プロレタリアート小説というには、この作品、妙に明るいのだ。「とんでもない仕事っぷり」の二つ目のせいで。
ブコウスキーは、超過酷な仕事を押し付けられても、負けていない。しんどかったら勝手に休んじゃうし、上司の叱責も屁とも思っていない。配達先の女性と楽しんじゃったり、競馬にどっぷりひたったり。
過酷な仕事に押し潰されることなく、自分らしさを持ち続けたブコウスキー。誰もがそうできるわけではないから、彼のこの奔放さに我々はちょっと胸がすく気持ちになるのだろう。
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ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
よろしくお願いします。
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- 出版社:光文社
- ページ数:0
- ISBN:9784334754723
- 発売日:2022年12月13日
- 価格:1100円
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