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ぽんきち
レビュアー:
若きリーダーたちの「夢」xSDGs
「科学道100冊2021」の1冊。

今年のテーマの1つは「つながる地球」。SDGs絡みの本もあり、本書もその1つ。
世界201カ国202人の若者が、それぞれの夢を語る。彼らの夢が、SDGsの17の目標のうち、どれと関連するかを最大3つまで当てはめるという体裁である。
(SDGsの17の目標についてはこちら参照)
2021年3月現在、国連が承認している国の数は193カ国(国連加盟国一覧)なのだが、例えばコソボやバチカン市国といった国連非加盟国の若者も入っているため、201カ国となっている(ちなみに202人なのは、1カ国だけ2人で夢を語っている国があるため。コソボで対立するアルバニア人とセルビア人である)。

「夢」というと何かふわりとした感じがする。
あまり深く考えずに読み始めたのだが、出てくる人出てくる人、相当、志が高い。そして皆若い。
道行く人を捕まえて「あなたの夢は何ですか?」という感じではない。
起業、世界のしくみを変える、新しい仕事を作る、人々の偏見に挑む。
そう、これは若きリーダーたち、またはリーダー予備軍たちなのだ。
本の編集はWORLD DREAM PROJECT(HP)が行っているが、さらにその母体となっているのはONE YOUNG WORLD(日本語紹介ページ)で、これは世界経済フォーラム(通称ダボス会議)の若者版である。2022年にはサミットが東京で開かれる予定だそうである(HP)。

・・・というあたりの説明は本書自体には書かれておらず、もう少し解説が欲しかったと一読者としては思うのだが、そもそも前提を知っている人が手に取る本であるということなのかもしれない。
そうか、と思って読み返すと、なるほど、国や世界の将来とSDGsの掛け算というのは、よい視点なのだろうなと思う。

本書は地域ごとの編集となっているのだが、若者たちの志の高さは同様でも、地域によって社会が抱える問題にはずいぶんと差異があることも見えてくる。
発展途上の国では、貧困や教育、医療などのインフラの問題が目立つ。
先進国では科学技術の発展や環境問題について語られる。
紛争の解決が求められる地域もある。ジェンダーの問題が大きい地域もある。
彼ら・彼女らの夢がすべてその通りに叶うというものではないだろうが、よりよい明日を目指し、奮闘する若いまなざしはまぶしい。
世界にどのような問題があるのか、そしてそれを変えるためにどのような道がありうるのか、問題提起となる1冊である。
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ぽんきち
ぽんきち さん本が好き!免許皆伝(書評数:1827 件)

分子生物学・生化学周辺の実務翻訳をしています。

本の大海を漂流中。
日々是好日。どんな本との出会いも素敵だ。

あちらこちらとつまみ食いの読書ですが、点が線に、線が面になっていくといいなと思っています。

「実感」を求めて読書しているように思います。

赤柴♀(もも)は3代目。
この夏、有精卵からヒヨコ4羽を孵化させました。そろそろ大雛かな。♂x2、♀x2。ニワトリは割と人に懐くものらしいですが、今のところ、懐く気配はありませんw

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