かもめ通信さん
レビュアー:
▼
元気が貰えて、気分は晴れやか!加えてめちゃくちゃ面白い!小説を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりかも!
作家柚木麻子さんの母校でもあるという恵泉女学園の創立者・河井道を中心に据え、その教え子で、親友でもあった一色(渡辺)ゆりと二人三脚、手を携えて女子学校教育に全力を注いだ様を描いたこの作品。
明治、大正、昭和と激動の時代をまたにかけての女子学校教育の黎明期が舞台というだけあって、三部構成の大作だ。
読み応えはありそうだが、固そうなテーマだし、読み切れるかしらと思いながら、図書館から借りてきたのだけれど、いやはやこれは!大当たり!
あまりの面白さに、第一部を読んだ時点でもう、手元に置いておきたくなって、購入することを決意した。
伊勢神宮の神職の娘として生を受けた道が函館に移り住み、キリスト教と出会い、新渡戸稲造の愛弟子となったことが縁で、アメリカに留学し……と、ストーリーをかいつまんで説明したところで、この面白さは全く伝わらないと思うので、ココは趣向を変えて、どんな方にお薦めかに、ポイントを絞って紹介してみよう。
まずは直球で、近代日本の女子教育、婦人参政権、女性の地位向上、シスターフッド…こうした言葉に興味を惹かれるあなたに。
エンタメ好きのあなたなら、新渡戸稲造、津田梅子、大山捨松、徳冨蘆花に、有島武郎、野口英世に平塚らいてう、山川菊栄、広岡浅子、市川房枝、柳原白蓮、村岡花子等々、続々登場する同時代の有名人たちに思わずワクワクしてしまうはず!?
文学好きのあなたはもしや、徳冨蘆花の『不如帰』や、有島武郎の『或る女』を読んでもやもやしたものを感じたことがありませんか?この機会に胸のつかえを取り除きましょう!
(等といいつつ、実はこの本を読んだ後、自分の『不如帰』レビューを読み返して恥じ入ったりもしたのだけれど…それはさておき)
世田谷経堂界隈に馴染みのある方にも!
万人受けはしないかもしれないけれど、その媚びないところがまたいいんだな、これが!
とにかくこの本、元気が貰えて、気分は晴れやか!加えてめちゃくちゃ面白い!
小説を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりかも!
この本の登場人物や話題に上る小説をあれこれ読み合う読書会なんかも面白そうだ。
らんたんに灯ったあかりを引き継いでいきたいと思ってくださる若い方々にも、この面白さが届きますように!
【関連レビュー】
不如帰(徳冨蘆花)
暗い時代の人々(森まゆみ)
評伝 九津見房子 ~凛として生きて~(堀和恵)
「新しい女」の到来―平塚らいてうと漱石(佐々木英昭)
柳原燁子:白蓮(長谷川時雨)
立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ(大串尚代)
明治、大正、昭和と激動の時代をまたにかけての女子学校教育の黎明期が舞台というだけあって、三部構成の大作だ。
読み応えはありそうだが、固そうなテーマだし、読み切れるかしらと思いながら、図書館から借りてきたのだけれど、いやはやこれは!大当たり!
あまりの面白さに、第一部を読んだ時点でもう、手元に置いておきたくなって、購入することを決意した。
伊勢神宮の神職の娘として生を受けた道が函館に移り住み、キリスト教と出会い、新渡戸稲造の愛弟子となったことが縁で、アメリカに留学し……と、ストーリーをかいつまんで説明したところで、この面白さは全く伝わらないと思うので、ココは趣向を変えて、どんな方にお薦めかに、ポイントを絞って紹介してみよう。
まずは直球で、近代日本の女子教育、婦人参政権、女性の地位向上、シスターフッド…こうした言葉に興味を惹かれるあなたに。
エンタメ好きのあなたなら、新渡戸稲造、津田梅子、大山捨松、徳冨蘆花に、有島武郎、野口英世に平塚らいてう、山川菊栄、広岡浅子、市川房枝、柳原白蓮、村岡花子等々、続々登場する同時代の有名人たちに思わずワクワクしてしまうはず!?
文学好きのあなたはもしや、徳冨蘆花の『不如帰』や、有島武郎の『或る女』を読んでもやもやしたものを感じたことがありませんか?この機会に胸のつかえを取り除きましょう!
(等といいつつ、実はこの本を読んだ後、自分の『不如帰』レビューを読み返して恥じ入ったりもしたのだけれど…それはさておき)
世田谷経堂界隈に馴染みのある方にも!
万人受けはしないかもしれないけれど、その媚びないところがまたいいんだな、これが!
とにかくこの本、元気が貰えて、気分は晴れやか!加えてめちゃくちゃ面白い!
小説を読んでこんな気持ちになったのは久しぶりかも!
この本の登場人物や話題に上る小説をあれこれ読み合う読書会なんかも面白そうだ。
らんたんに灯ったあかりを引き継いでいきたいと思ってくださる若い方々にも、この面白さが届きますように!
【関連レビュー】
不如帰(徳冨蘆花)
暗い時代の人々(森まゆみ)
評伝 九津見房子 ~凛として生きて~(堀和恵)
「新しい女」の到来―平塚らいてうと漱石(佐々木英昭)
柳原燁子:白蓮(長谷川時雨)
立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ(大串尚代)
お気に入り度:









掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
この書評へのコメント

コメントするには、ログインしてください。
書評一覧を取得中。。。
- 出版社:小学館
- ページ数:0
- ISBN:9784093866248
- 発売日:2021年10月27日
- 価格:1980円
- Amazonで買う
- カーリルで図書館の蔵書を調べる
- あなた
- この書籍の平均
- この書評
※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。























