ビール職人の醸造と推理

シアトルから車で２、３時間の距離にある小さな町レブンワースは、ドイツのバイエルン地方に似た町並みが広がるビールで有名な観光地だ。

この町一番のビール醸造所兼パブ〈デア・ケラー 〉を切り盛りするスローン・クラウスは、里親のもとを転々として育ったが、〈デア・ケラー〉を営むクラウス家の長男マックと結婚し、家族仲良く暮らし、〈デア・ケラー〉のビール醸造にも携わってきた。

だが、自分の事務所で夫がウェイトレスと浮気しているのを目撃してしまい、スローンは夫を家から追い出すと、自分自身も〈デア・ケラー〉を離れて新しく町にオープンする小さなビール醸造所兼パブ〈ニトロ〉で働くことにした。

〈ニトロ〉の経営者ギャレットは、なかなかいいビールを作った。おかげで開店初日は大盛況。ところが、翌日ビール醸造樽の中に死体が見つかり、マックが犯人の疑いをかけられてしまう。

ビールの町ならではの、ビール絡みの殺人事件。被害者はなぜ殺されたのか。犯人は誰なのか。

事件の推理も楽しいが、パブで出される料理、スローンが作るビールを使って作ったデザートにも、大いに興味をそそられる。
あ～、全部食べてみたい。ビール、飲みたい！