有坂汀さん
レビュアー:
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本書は実写映画化もされた漫画家、中川学氏が29歳の時に風俗店で「くも膜下出血」に倒れ、病床から復帰するまでを自身の手で描いた実録闘病記です。「これが自分だったら…。」と何度思ったことか…。
「どうしようか…。もしこれが自分だったら…。」
僕は本書を読み終えた後、天を仰いで自分に幾度となく問いかけておりました。
本書は漫画家、中川学氏が29歳の時に風俗店(ファッションヘルス)にて絶頂に到達する直前に「くも膜下出血」を発症し、一生分の「生き恥」を凝縮した回復し、社会復帰(?)するまでの日々をつづった「闘病記」のエッセイ漫画です。
僕が本書を読もうとしたきっかけは、テレビを見ていた時に偶然、テレビ朝日系列で放送されている『激レアさんを連れてきた。』が放送されているのを見て(2017年11月20日放送)、ゲストに中川氏が出演しており、本書について再構成されたトークで大変インパクトのあることを語っていたので、翌日、僕はツイッターで
「昨日はテレビ朝日系列で放送されている 「#激レアさんを連れてきた 。」を見たのだが、『くも漫』の作者である #中川学 氏がゲストであり、彼の告白を聞きながら大爆笑した一方で「これが自分だったら…。」という一抹の懸念が最後まで抜けなかった。」
とつぶやいた後に、中川学氏本人に
「中川さん、昨日のテレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」を観ました。大爆笑した一方で「これが自分だったら…。」と恐ろしくなりました。」
とリプライを飛ばしてみると、何と中川氏から
「ご覧いただきましてありがとうございました(~_~) たしかに自分だったらと考えると。。。興奮し過ぎるのは禁物ですね(((^_^;)」
という返事が返ってきて、とてもびっくりしたことを覚えております。
話題を本書に戻して、舞台は2005年の大晦日から2006年の初冬。僕もこの1年は自分の人生でも決して忘れることのできない『どん底』の時期でありまして、飢えと寒さと孤独で1カ月に10㌔ずつ体重が減っていきながらすきっ腹を抱えてススキノをさ迷い歩き、もの狂っていたときだったので、作中に描かれている当時の天候や札幌の街並みの様子を脳裏にありありと思い浮かべることができ、少し複雑なものが心の中に去来してしまいました。
それにしても…。
風俗店(ファッションヘルス)で「オトナのサービス」を受けている最中に「くも膜下出血」を発症し、そのまま死ぬ、あるいは重い後遺症が残ってしまうかもしれない…。自分のままならない体と格闘しながら見舞いに来た両親や兄弟、親せきに
「自分がどこで倒れたか」
とかたくなに隠そうとする…。その涙ぐましい姿には同じ男として読んでいて涙が出る箇所であり、同じダメ人間としておおいに「共感」できるところであります。
日常に復帰した中川氏は「くも膜下出血」で九死に一生を得た経験から、漫画家の道を志すようになるわけですが、そこからまた紆余曲折あったようでして…。
自分も人のことは言えませんが、両親や弟といった家族の支えが描かれ、本書の編集者である弟の中川敦氏の日記と、主治医となった医師の手記が本書の中に収録されており、それが単なる闘病記とは違う「何か」を読んだ人間の中に残してくれる。そんな一冊です。
僕は本書を読み終えた後、天を仰いで自分に幾度となく問いかけておりました。
本書は漫画家、中川学氏が29歳の時に風俗店(ファッションヘルス)にて絶頂に到達する直前に「くも膜下出血」を発症し、一生分の「生き恥」を凝縮した回復し、社会復帰(?)するまでの日々をつづった「闘病記」のエッセイ漫画です。
僕が本書を読もうとしたきっかけは、テレビを見ていた時に偶然、テレビ朝日系列で放送されている『激レアさんを連れてきた。』が放送されているのを見て(2017年11月20日放送)、ゲストに中川氏が出演しており、本書について再構成されたトークで大変インパクトのあることを語っていたので、翌日、僕はツイッターで
「昨日はテレビ朝日系列で放送されている 「#激レアさんを連れてきた 。」を見たのだが、『くも漫』の作者である #中川学 氏がゲストであり、彼の告白を聞きながら大爆笑した一方で「これが自分だったら…。」という一抹の懸念が最後まで抜けなかった。」
とつぶやいた後に、中川学氏本人に
「中川さん、昨日のテレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」を観ました。大爆笑した一方で「これが自分だったら…。」と恐ろしくなりました。」
とリプライを飛ばしてみると、何と中川氏から
「ご覧いただきましてありがとうございました(~_~) たしかに自分だったらと考えると。。。興奮し過ぎるのは禁物ですね(((^_^;)」
という返事が返ってきて、とてもびっくりしたことを覚えております。
話題を本書に戻して、舞台は2005年の大晦日から2006年の初冬。僕もこの1年は自分の人生でも決して忘れることのできない『どん底』の時期でありまして、飢えと寒さと孤独で1カ月に10㌔ずつ体重が減っていきながらすきっ腹を抱えてススキノをさ迷い歩き、もの狂っていたときだったので、作中に描かれている当時の天候や札幌の街並みの様子を脳裏にありありと思い浮かべることができ、少し複雑なものが心の中に去来してしまいました。
それにしても…。
風俗店(ファッションヘルス)で「オトナのサービス」を受けている最中に「くも膜下出血」を発症し、そのまま死ぬ、あるいは重い後遺症が残ってしまうかもしれない…。自分のままならない体と格闘しながら見舞いに来た両親や兄弟、親せきに
「自分がどこで倒れたか」
とかたくなに隠そうとする…。その涙ぐましい姿には同じ男として読んでいて涙が出る箇所であり、同じダメ人間としておおいに「共感」できるところであります。
日常に復帰した中川氏は「くも膜下出血」で九死に一生を得た経験から、漫画家の道を志すようになるわけですが、そこからまた紆余曲折あったようでして…。
自分も人のことは言えませんが、両親や弟といった家族の支えが描かれ、本書の編集者である弟の中川敦氏の日記と、主治医となった医師の手記が本書の中に収録されており、それが単なる闘病記とは違う「何か」を読んだ人間の中に残してくれる。そんな一冊です。
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有坂汀です。偶然立ち寄ったので始めてみることにしました。ここでは私が現在メインで運営しているブログ『誇りを失った豚は、喰われるしかない。』であげた書評をさらにアレンジしてアップしております。
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- 出版社:リイド社
- ページ数:166
- ISBN:9784845844135
- 発売日:2015年08月15日
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